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本編
-81- アレックス以外に対して気をつけること
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「さて、それでは闇属性のレン様が、アレックス様以外に気を付けることですが」
気を取り直したように、セバスが話を進めてくる。
うん、ちゃんと聞いておかなくちゃ。
「闇属性だからといって、レン様にとってアレックス様以外出来ない、というわけではありません」
「ん?」
「受ける側が闇属性ならば、光以外の属性の場合、行為を受けることも子供を産むことも可能です。
魔力譲渡が出来なくても、子供は生まれるのです。
更に言いますと、光属性であろうとも、ことを為した場合には、レン様のみ後遺症を受ける確率の方が非常に高いと言えます」
「え?そうなの?」
「はい、そうです。ですから、万が一の危険があった時、対処法を誤らないようお気を付けください」
アレックスには僕以外いなくて、僕もアレックス以外いないのかと思っていたら、ちょっとそうではないみたいだ。
それに…、アレックスは、今まで受け入れてくれる人はいなかったっていっていたけれど、じゃあ、受け入れたいとは思わなかったのかな?
僕は勿論アレックス以外とは絶対に嫌だけれども。
「じゃあ、アレックスは、受け入れる方ならーーー」
「レン様、アレックス様はお小さい時から御当主になることが決まっていたのですから、そういった感覚は最初からないと思いますよ」
僕が言い終わる前に、セバスがやんわりと指摘してくる。
「やめてよ、レン様ー、なんでそっちの考えにいくのさー想像の暴力だよ!」
セオがぐわんと僕に抗議の声を上げた。
えー、想像の暴力?そんなことない!アレックスはとっても魅力的だ。
「なんで?アレックスはかっこよくて綺麗だし、優しいし、かっこいいから好きになる人だっていたでしょ?」
「レン様、かっこいい2回言ってます」
「う……言ってるね、でも、ほんとのことだから」
「そりゃかっこいいですよ、俺から見ても、確かに。ですが、アレックス様が特別優しいのはレン様だけですからね?
誰しもみーんなに優しいわけじゃないですからね?」
「あ…そっか、僕だから特別」
そっか。アレックスは僕だから特別優しいのか。
そうだよね、朝の挨拶だって、使用人のみんなにはぴりっとした雰囲気で伝えていたのに、僕に対してとろけるような視線と優しい声音で…。
あ、なんか顔が熱い、急に恥ずかしくなってきちゃった。
「ちょっと、レン様ー、やらしい顔しないでください」
「やらしい顔なんかしてないもん」
「はい、そこまでです」
パンとセバスがてのひらをうって、僕とセオの会話を中断してくる。
あ、論点がずれちゃった。
「ごめんね、セバス」
「レン様は悪くありませんよ」
「爺さま、俺に向ける顔が怖い!」
「そう思うのでしたら、己の身を振り返ることです」
「ともかく、そういうわけですので、今後は挑発もほどほどになさってください。
今日のような対応が、全てのものに通ずるとは限りません」
闇属性だから相手は手を出してこれないってわけじゃないんだ。
たしかに、今日は上手くいったけれど、逆上されることもあるかもしれない。
気をつけなくちゃ。
「わかった」
「さて、そろそろ、アレックス様もおつきになるころでしょうから、食堂に向かいましょう」
「うん」
「私は先に行って準備をしますから、セオ、レン様をよろしくお願いしますね」
「はい。じゃ、レン様、食堂に向かいましょー」
「うん」
テイラー商会長のことを思い出すと、なんだかちょっと触られたところが気持ち悪くなってくる。
下着の上からなのに、なんだかまだ違和感があるっていうか、感触が残ってるっていうか。
浄化魔法って、僕も出来るかな?
転移も遡行も出来たんだし、それよりは簡単そう。
浄化かあ、身体を浄化するんなら、やっぱりお風呂あがりみたいな感じだよね。
昨日の石鹸もシャンプーもとてもいい香りだったし、アレックスが綺麗にしてくれたから、なんだかより綺麗になった気分だった。
あんな感じに、アレックスが綺麗にしてくれたのと同じ感じになったら、気持ち悪さも消えるかもしれない。
お風呂上りみたいに、なれ。
「レン様?」
少し前を歩くセオが僕を軽く振り返ると同時、ふわっと魔法が発動したのがわかった。
心なしか体がぽかぽかしてるし、お風呂上りみたいなすっきり感がある。
思っただけで出来ちゃうなんて、やっぱり魔法って便利だ。
「…レン様、それはまずいです」
「え?」
なんだろう?
セオが、僕を駄目な子みたいな目で見てくる。
ちゃんと浄化できたと思うんだけれどな。
「浄化ですか?なんで今?」
「だって、なんか触られたところ、ちょっと気持ち悪いなーって思ったから。失敗してる?」
「や、浄化はちゃんとうまくできてますよ?でも、凄ーくいい匂いしちゃってます」
「え?」
「洗いたてみたいな薔薇の石鹸の香りですよ?
それじゃあ何かあったって言ってるようなもんです。
アレックス様にすぐばれちゃいますからね、ちゃんとご自身で説明してくださいね」
うそ、どうしよう!
それは困る!
あんまり心配かけたくないのに!
「え、どうしよう……香りを飛ばすことは?」
「俺は知りませーん」
「セオー…」
気を取り直したように、セバスが話を進めてくる。
うん、ちゃんと聞いておかなくちゃ。
「闇属性だからといって、レン様にとってアレックス様以外出来ない、というわけではありません」
「ん?」
「受ける側が闇属性ならば、光以外の属性の場合、行為を受けることも子供を産むことも可能です。
魔力譲渡が出来なくても、子供は生まれるのです。
更に言いますと、光属性であろうとも、ことを為した場合には、レン様のみ後遺症を受ける確率の方が非常に高いと言えます」
「え?そうなの?」
「はい、そうです。ですから、万が一の危険があった時、対処法を誤らないようお気を付けください」
アレックスには僕以外いなくて、僕もアレックス以外いないのかと思っていたら、ちょっとそうではないみたいだ。
それに…、アレックスは、今まで受け入れてくれる人はいなかったっていっていたけれど、じゃあ、受け入れたいとは思わなかったのかな?
僕は勿論アレックス以外とは絶対に嫌だけれども。
「じゃあ、アレックスは、受け入れる方ならーーー」
「レン様、アレックス様はお小さい時から御当主になることが決まっていたのですから、そういった感覚は最初からないと思いますよ」
僕が言い終わる前に、セバスがやんわりと指摘してくる。
「やめてよ、レン様ー、なんでそっちの考えにいくのさー想像の暴力だよ!」
セオがぐわんと僕に抗議の声を上げた。
えー、想像の暴力?そんなことない!アレックスはとっても魅力的だ。
「なんで?アレックスはかっこよくて綺麗だし、優しいし、かっこいいから好きになる人だっていたでしょ?」
「レン様、かっこいい2回言ってます」
「う……言ってるね、でも、ほんとのことだから」
「そりゃかっこいいですよ、俺から見ても、確かに。ですが、アレックス様が特別優しいのはレン様だけですからね?
誰しもみーんなに優しいわけじゃないですからね?」
「あ…そっか、僕だから特別」
そっか。アレックスは僕だから特別優しいのか。
そうだよね、朝の挨拶だって、使用人のみんなにはぴりっとした雰囲気で伝えていたのに、僕に対してとろけるような視線と優しい声音で…。
あ、なんか顔が熱い、急に恥ずかしくなってきちゃった。
「ちょっと、レン様ー、やらしい顔しないでください」
「やらしい顔なんかしてないもん」
「はい、そこまでです」
パンとセバスがてのひらをうって、僕とセオの会話を中断してくる。
あ、論点がずれちゃった。
「ごめんね、セバス」
「レン様は悪くありませんよ」
「爺さま、俺に向ける顔が怖い!」
「そう思うのでしたら、己の身を振り返ることです」
「ともかく、そういうわけですので、今後は挑発もほどほどになさってください。
今日のような対応が、全てのものに通ずるとは限りません」
闇属性だから相手は手を出してこれないってわけじゃないんだ。
たしかに、今日は上手くいったけれど、逆上されることもあるかもしれない。
気をつけなくちゃ。
「わかった」
「さて、そろそろ、アレックス様もおつきになるころでしょうから、食堂に向かいましょう」
「うん」
「私は先に行って準備をしますから、セオ、レン様をよろしくお願いしますね」
「はい。じゃ、レン様、食堂に向かいましょー」
「うん」
テイラー商会長のことを思い出すと、なんだかちょっと触られたところが気持ち悪くなってくる。
下着の上からなのに、なんだかまだ違和感があるっていうか、感触が残ってるっていうか。
浄化魔法って、僕も出来るかな?
転移も遡行も出来たんだし、それよりは簡単そう。
浄化かあ、身体を浄化するんなら、やっぱりお風呂あがりみたいな感じだよね。
昨日の石鹸もシャンプーもとてもいい香りだったし、アレックスが綺麗にしてくれたから、なんだかより綺麗になった気分だった。
あんな感じに、アレックスが綺麗にしてくれたのと同じ感じになったら、気持ち悪さも消えるかもしれない。
お風呂上りみたいに、なれ。
「レン様?」
少し前を歩くセオが僕を軽く振り返ると同時、ふわっと魔法が発動したのがわかった。
心なしか体がぽかぽかしてるし、お風呂上りみたいなすっきり感がある。
思っただけで出来ちゃうなんて、やっぱり魔法って便利だ。
「…レン様、それはまずいです」
「え?」
なんだろう?
セオが、僕を駄目な子みたいな目で見てくる。
ちゃんと浄化できたと思うんだけれどな。
「浄化ですか?なんで今?」
「だって、なんか触られたところ、ちょっと気持ち悪いなーって思ったから。失敗してる?」
「や、浄化はちゃんとうまくできてますよ?でも、凄ーくいい匂いしちゃってます」
「え?」
「洗いたてみたいな薔薇の石鹸の香りですよ?
それじゃあ何かあったって言ってるようなもんです。
アレックス様にすぐばれちゃいますからね、ちゃんとご自身で説明してくださいね」
うそ、どうしよう!
それは困る!
あんまり心配かけたくないのに!
「え、どうしよう……香りを飛ばすことは?」
「俺は知りませーん」
「セオー…」
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