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本編

-55- 共に湯船に アレックス視点**

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次は身体だ、待望の……じゃない。
や、待望ではあるには違いないが、触りたいんじゃない、俺の手で綺麗にしてやりたいってことだ。
言葉一つ違うと、急に悪だくみしてるみたいに思えてくる。
ただでさえ、侯爵と、その所有する神器なんていう立場だ。
俺が何をしても許されるような立場にあるんだが、それに甘える気はない。

手に取った石鹸は、これも特別な石鹸だ。
透明度の高い石鹸の中に薔薇を咲いたまま閉じ込めることに成功したもので、個体ではあるが表面を撫でると液体ソープになるという珍しいものだ。
肌に潤いと艶を与えるもので、貴族の夫人によく売れる。
男でも、やはりいつでも若々しく美しく、美肌を保ちたいものらしい。
また、この石鹸は湯船でプレイするのにも使えるようにできており、主人自ら購入するケースも少なくないと聞く。
成分の一つに、感度を良くする働きを促すものも含まれる、らしい。
性感帯に関しては、裏で出回っているような怪しい媚薬のような効果はなく、あくまで自然なものだ。
血液と魔力の流れを整える効果がある。
売る方の言葉選びには、毎回感心する。

「綺麗だね」
「ああ、これもうちの領で扱ってる石鹸なんだ」
レンも気に入ってくれたようだ。
石鹸をすくい上げ、レンの二の腕を取り、下へおろすようにゆっくりとなでつけて指の間を握りこむ。

とろりとした液体が、レンの肌をすべる。
本来は甘さはそう多くなく、すっきりした香りなんだが、レンのはちみつのような甘やかな香りと混ざりあい、咲き誇る薔薇のように匂い立つ。
腕に、そして足先から足の付け根へ、鎖骨から胸へ、脇から腹へと優しく丁寧に撫で洗う。
レンの胸が上下し、気持ちよさげに目を閉じる。
誘われるように、口づけを落とす。

中央の隙間をついばむように軽く吸いあげ、離れがたく、またそっと中央を食む。
明け渡される口腔に、促されて口づけを深くする。
おずおずと差し出されたその舌先を、自分のそれでやさしくくるりと撫でる。
驚かさないように、怯えないように、様子を見ながら口づけを深くしていく。
脇から背に手を回されて、つい、気を良くしてつけあがってしまう。

「んっ……」

舌の裏と歯茎を擽ると、可愛く甘い鼻息がレンから漏れた。
応えてくれる口づけに、より気を良くする。

あー、マジですげー可愛い。
どうやら、レンは、上あごの歯茎の境目あたりと、舌の裏の歯茎あたりが気持ちがいいらしい。
どちらの唾液ともわからないような、深い、甘い口づけに酔いそうだ。
感じ入るように上下する小さな胸の突起を摘まみ上げる。
撫でて、摘まんで、優しく押すように指の腹で押し付けることを繰り返すうちに、柔らかかった胸の突起がだんだんと固くなってきた。

「……っ、ん……、っんん……っ」

可愛い声が不規則に漏れ、息がだんだんと上がってくる。
レンの甘い香りが濃くなる。
くるくると胸の突起を撫で回した後に、手の甲で確かめるように胸の中心をゆっくりと撫でおろすと、ぴくぴくと感じ入るように肌を震わせる。
可愛すぎだ。
臍の窪みをたどり、立ち上がった中央を避けて、二つの丸いふくらみを手に取り、感触を確かめるように包み込んで撫でる。
丸く、つやつやとふくらんで、中心と同じように主張している。
太腿の内側を撫で上げ、足の付け根を確かめるように指で指圧すると、可愛い鼻息が漏れる。
「んんっ」

レンが、立ち上がった自分自身を俺に摺り寄せてきた。
素直で、可愛いくて、愛おしくて、思わず笑ってしまう。

「…触って」
「すげー可愛い」

可愛くねだられたら、抗うすべはない。
一度、了解の口づけを落としてから、優しく中央に指を絡めた。

「んん…っ、あっ……あ、んん……」

とたん、レンから甘美な声が上がる。
風呂場だから声が響き渡った。

既に知ったレンのいい場所を撫でてやる。
亀頭をゆるりと撫であげ、先端の割れ目を伝って境目を指の節で刺激していくと、より可愛い声が上がった。
石鹸と、レンの中央からたらたらと流れる甘い蜂蜜の香りのカウパーが混ざり合い、ぐちゅぐちゅと音を立てていく。
気持ちがいいらしい。

「っ……」

すっかり立ち上がる己自身もわかってはいたが、一緒に扱くなんていう考えは及ばなかった。
なのに。
レンの綺麗な手が俺自身を包みこみ、上下に扱きあげる。
あー、やばい。
そんなことをしてくれるなんて思わなかったし、素手で他人に扱かれるのも初めてだ。
はっきりいって、動きは拙いものがあるが、それがまたすげー感じる。

ぐちゅぐちゅとお互いの性器から卑猥な音が風呂場に響き渡る。
気持ちが良すぎてどうにかなりそうだ。

「ああ、ああ、ふうう、気持ちいい……、アレックス、気持ちい……」
速度をあげて扱きあげていくと、レンから可愛い声が上がる。

「はー…俺も気持ちいい……っ」

レンの感じるさまを見ながら、レンの手でいくのか…やばい。
俺の方が余裕がなくなる。
荒くなる息をなんとか抑えながら、レンの中心をこれでもかと可愛がると膝と腰が可愛く小刻みに揺れ始める。
この上なく、みだらで、可愛い。

「ああ、あ、あ、あ、もう、イク、イク…っ、気持ちいい……ふうう、あああ、あ、ああっ!!」
一度吐出した後、再度搾り上げると、もう一度ぴゅっと可愛く精を吐き出す。
吐き出したあとも、手を休めないで動かしてくれる。
レンの潤んだ瞳と、目が合う……あー、やばい。
奥歯を噛んで息をつめると、どばっとレンの手の中に精液をぶちまけるのが分かった。
汚したくなかったが、無理だった。
気持ちが良すぎて、なにより、すげーくるもんがあった。
このままレンを両腕で抱き込み、一緒に賢者タイムといきたい……が。
思い出せ、俺は何のために風呂に誘ったのか、を。

自分の右手を浄化し、レンの手も浄化しようと目を落とすと、あろうことか握ったり開いたりを繰り返した後、匂いを嗅ごうとしてる。

「こら、なにやってんだ」

慌てて人差し指で、トンと額をつついてから、浄化する。
浄化した後の、ちょっと不満げなその可愛い顔は無視してやった。
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