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本編

-35- 胴慾を隠す アレックス視点**

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「……っん」
レンの様子を注視しながら、ゆっくりと引き出していく。
時折眉を顰めて唇を震わせ、耐えるように鼻から小さく息を漏らしている。
必要なこととはいえ、神聖なものを壊しているような背徳感にかられる。
やっぱ、うつ伏せにしないで正解だったようだ。
けっして可愛い顔が見えるからじゃないからな?…可愛いのは否定しないが。

1つ、2つ…ああ、やっぱ思っていたとおり、少しずつ玉の大きさは小さくなっていく。
これなら、残りの負担も少なくすむだろう。
そう思っていると、3つ目がでたところでレンの様子に変化があった。
双丘の狭間にある小さくて可愛い尻の穴がぱくぱくと開閉を繰り返している。
まるで向かい入れてるかのようなその律動に思わず手が止まる。
このまま手を離したら、逆に引き込みそうだ。
意志とは別なんだろうし、やりたくてやってるわけじゃなさそうだ。
現に、レンの双眼は、酷く戸惑いの色を浮かべている。

「…っ続けて大丈夫か?もうちょっとだから頑張れ」
「うん……っんーーー!!」

小さく頷くレンを確認してから、再度手を進めると、予想に反してずるっとひも状の細い連環が出てきた。
玉が出てくる様子もない、なんだこれ、こんなん腹の中に入ってて本当に何ともないのか?
びっしりと術式が施してあり、青白く発光する気色悪い紐は、引っ張っれど引っ張れど顔を出す。
マジでグロい魔道具だ。
表面の刺激が強いのか、レンが辛そうな、それでも何か感じるところがあるのか、先とは違う可愛い声があがる。
紐は……まだ続く。

「っ?なんだこれ……まだ出てくるのか?」
「ふううう……、アレックス?まだ?もう、やだ……っあっ!」
ようやくといったような、引っ掛かりがあった。
レンも、中でなにか感じ取ったんだろう。小さく声をあげると同時、綺麗なつま先を丸めた。
吐精するときの様な可愛いその様子に、思わず息が詰まる。
あー、すげー可愛い。
……わかってる、レンが辛いときになに阿保なこと思い出してるんだってわかってる。
けど、しかたないだろ?
『アレックス?まだ?もう、やだ』とか、可愛い顔で言われてみろ?くるもんもあるんだ。
表に出さないだけ、及第点…、や、合格点だろ。

「っ…あとひとつみたいだな、出してくぞ」
ゆっくりと引っ張ると、かなり抵抗感がある。
大丈夫か?これ……、レンは?と白く艶やかな尻から視線をはずし再び様子を伺う。
痛がったりはしてないが、ずいぶんと戸惑った表情を載せている。

ふ、と花の芳香を含む甘い蜂蜜の匂いが広がった。
手元に視線を向ければ、てらりと蜜をこぼしている。
あー、すげーな、こんなになんのか。
『神器の穴は、居心地もその濡れ具合も、女の穴よりずっと素晴らしい』
クソみたいな感想を聞いてはいたが……そうか。
女の穴ってのが俺にはどれほどのもんだかは知らない。
だが、あのクソみたいな感想に共感している低劣な俺がいる。

白く滑らかな肌を滑って、あふれ出てくる透明な蜜が、夕日に照らされて黄金色に光って見える。
ああ、蜜に群がる蜂ってのは、こんな気分なのだろうか。
口づけたい衝動を抑えて、手元に集中する。

「ま、待って!アレックス、汚い、汚いから!」

急にレンから焦ったような声が聞こえてきてその手を止める。
?どうしたんだ、汚くはないだろ?

「汚くないだろ?」
「うそつかないでよ、汚いよ!」

?うーん…なんだ、可愛いが、すげー泣きそうな顔だ。
レンにとっては、射精したもんより蜜のほうが汚いのか?
そういや、汚しちゃったとかいって謝ってきたな。
基準がわからんが、すごい抗いようだ。
別に暴れてるわけじゃないし、今も体勢はちゃんと膝の裏に手を回してちゃんと足を抱えてはいるが、
このまま進めるわけにはいかなくなった。
俺がしっかり否定すれば、わかってくれるだろうか?
汚くないし、むしろ、綺麗でそそる。
口づけ、残らず味わいたいほどに、ぶっとんだ考えをさせられるくらいに綺麗で、、、魅力的だ。
そんな変態じみたことは口が裂けても言えないが。

「汚くない」
レンの大きくて黒い瞳をしっかりととらえて言葉にすると、みるみると顔がゆがんでいく。
おいおい、マジでどうした?

「だってっ……うんち流れてる……っふ……、汚いから、、、」

そうきたか。
こうなることも知らされていないのか。

「あー…これは、うんこじゃない」
「うそ、だってお尻から出てる」

知らされていないようだ。

「尻から出ててもうんこじゃない。ペリエの実食ったんだろ?だからだ」
「え……?うんちじゃないの?」

きょとんとした表情がまた可愛い。
てか、うんち、か。
そんな言い方するやつ周りにいなかったな、やっぱ可愛い。

「違う。俺もそこまで詳しく知らないけど、ペリエの実を食べた神器様ってのは1時間もすれば尻の穴が産道にもなる。
腹の中に膜が出来て、その産道の入り口は閉じたり開いたりするらしい。
だから、これは…うんちじゃなくてその膜から出てる、ゼリーみたいなもんだ」

俺がうんち言っても全くもって可愛くないな。
当たり前だが。
だが、まぁ、うんちうんこ言い直すのもあれだ。
それに、レンが言った言葉をちゃんと否定するならば、ここは合わせたほうが効果的だろう。

「そ、うなの?うんちじゃない?」
「うんちじゃないし、汚くない。臭くないだろ?」

むしろ、すげーそそる良い匂いなんだが、そんなことは言えない。

「あ……そっか、うん、臭くない」
「な?だから汚くない」

よし、納得したみたいだ。
まだ戸惑いはあるものの、それは自分の体の変化に対する戸惑いに思えた。

「じゃ、続けるぞ」
「最後の、すごくおっきい気がする」

たしかに、レンが言うように抵抗感があるし、デカそうだ。
けど、だからこそ体ん中に入れたままってわけにはいかない。
大きさが大きいからっていう理由だけじゃない。
通常、術式や魔法の付与っていうのは、質の良さと大きさに比例する。
デカいものなら多くの量の術式が施せるし、質が良けりゃ強いもんが付与できる。
ここは、とにかく安心させて、出来る限り早めに取り除かないとだめだろ。

「…っ、でかくても抜くぞ。それとも痛いのか?」
「ううん、痛くない」
「今なら産道が開いてるから、多少でかくとも抜けるはずだ。大丈夫だから、力抜け」

出来る限り優しく言い聞かせるように、慎重に言葉に乗せる。
ふだん、こんなに気を配ったためしなんてない。

「わかった。アレックスを信じる」

あーやばい。語源が阿呆みたいに欠落してるが、やばい、の一言だ。
全面的に信頼を寄せる瞳でそう応えられて、舞い上がり歓喜する。
脳内で、俺に向かって数人の小さな天使が、良かったね良かったねと、拍手を送っている。

あーくっそ、マジで可愛い。
これがレンの通常運転なんだろうが、こんなあけすけで大丈夫なのか?
や、もう、それひっくるめて、可愛い、に尽きるんだが。

「っ…そうしてくれ」

俺は、現実に戻れと己を叱咤し、なんとか返事をした。
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