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本編

-28- 貞操具の破壊**

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「……っん」
さっきと同じ、言葉にどうやって表せばいいのかわからない変な感覚が僕を襲う。
ひとつ、ふたつ、と出ていくたびにお腹の中にあるボールが壁を擦っていくのがわかる。

みっつ目がでたところで、きゅっとお尻の穴が閉じたと思ったら、僕の意志とは関係なく閉じたり開いたりを繰り返してる。
アレックスの手が止まった。

変だ。まだ、お腹の中には玉が残ってるのはわかるし、その玉は入口付近まで来てなくて、しっかり中に納まってると思う。
なのに、お尻の穴だけヒクヒクするなんて。
さっきはもう少し我慢できたのに、なんか、もう限界に近い気がする。
こんな出される感覚は、慣れない。
アレックスの手が離れてもう一度はまちゃったら、またこれをやらなくちゃならないのか…色んないみで無理だよ。
あと、何個だろう?3個出たから、あと1個?うー早く終わってほしい。

「…っ続けて大丈夫か?もうちょっとだから頑張れ」
「うん……っんーーー!!」

アレックスの手が再び動き始めると、玉じゃなくて細い紐みたいなのがお尻の出口をずるずると擦っていくのがわかる。
気持ちいいのか気持ち悪いのか……気持ちいい?
わかんない。でも、細い紐みたいなのは凹凸があるのかお尻の穴の刺激が強い。

「っ?なんだこれ……まだ出てくるのか?」
「ふううう……、アレックス?まだ?もう、やだ……っあっ!」
ズ、とお腹の中、下の方にある玉が動いた。え?なんか、これ、今までよりずっと大きくない?

「っ…あとひとつみたいだな、出してくぞ」
アレックスがゆっくりと引っ張ると、お腹の中を少しずつ少しずつ出口に向かっているのがわかる。
腸壁がこれでもかと広げられて、めりめりと進んでいく。
でも、不思議と痛くない、痛くないけれど、なにこれ、、、あ、れ、、、??

お尻から液体が僕の背中に伝っていくのがわかった。
「っ?!」
えーうそ!漏れてるの?!下痢ってこと?!汚い汚い、無理無理無理!!!

「ま、待って!アレックス、汚い、汚いから!」
「汚くないだろ?」
「うそつかないでよ、汚いよ!」

そりゃ人間だからうんちはする。でも、うんちは汚い、汚物だ。
なんで不思議そうに言うんだよ。
恥ずかしいのと、情けないのが両方襲ってくる。

「汚くない」
「だってっ……うんち流れてる……っふ……、汚いから、、、」
「あー…これは、うんこじゃない」
「うそ、だってお尻から出てる」

そりゃ、液体だからうんちっていうより、お腹の中、腸内の水分なのかもしれないけれど、
けど、お尻から出てるだもん、うんちには変わりないじゃないか。
それに、下痢ってお腹を壊した時にでるんだから、悪いものを早く外にだそうってことだよね?
そう考えるとふつうのうんちより汚い気がする!

「尻から出ててもうんこじゃない。ペリエの実食ったんだろ?だからだ」
「え……?うんちじゃないの?」
「違う。俺もそこまで詳しく知らないけど、ペリエの実を食べた神器様ってのは1時間もすれば尻の穴が産道にもなる。腹の中に膜が出来て、その産道の入り口は閉じたり開いたりするらしい。
だから、これは…うんちじゃなくてその膜から出てる、ゼリーみたいなもんだ」
「そ、うなの?うんちじゃない?」
「うんちじゃないし、汚くない。臭くないだろ?」
「あ……そっか、うん、臭くない」
「な?だから汚くない」

そっか、うんちじゃないんだ。じゃあ、アレックスが言うように、本当に汚くないんだ。
えー、でも……ペリエの実を食べて、赤ちゃんが出来たら、お尻の穴から生まれるの?
そりゃあ、男の人とえっちするんだし、どこ使うって言ったらお尻になるんだってことくらい知ってる。
ってことは、えっちするときは、胃じゃなくてそっちと繋がるってことなのかな?
開いたり閉じたりするってことは、弁みたいなのがあって、そっちが開いたり、胃とつながったりするのかな。
もう、人間の身体じゃないみたい。
あーだから、人じゃなくて、神器、なのかな?
でもさすが、異世界だよ。未知すぎる。

「じゃ、続けるぞ」
「最後の、すごくおっきい気がする」
「…っ、でかくても抜くぞ。それとも痛いのか?」
「ううん、痛くない」
「今なら産道が開いてるから、多少でかくとも抜けるはずだ。大丈夫だから、力抜け」
「わかった。アレックスを信じる」
「っ…そうしてくれ」

お尻の穴の近くまでくるのは、不思議と痛くはなかったんだけれど、流石にお尻の穴までくると、
今までにない大きさで、お尻の穴に痛みが走る。
めりってしてる気がする!痛い痛い!!お尻の穴がさけちゃうよ!

「アレックス、痛い……っ無理」
「力抜いて、ゆっくり息吐け……」
「ふう……っ、痛いー」
「あー、痛いよな、もうちょいだから……、っ悪い、ナイトポーションがあったら良かったんだが、さっき使った1本しかなくて。けど、ちゃんと出るようになってるはずだ。それに、少しずつ出てる。一番太いとこ出るまでもう少しだ。それにさけたりしないから」

さけたりしないっていうけど、さけそうなくらい痛い!
痔になったことなんてないけれど、これじゃ痔になっちゃうよ。
あー、前に母さんが言っていた痔になって痛いーっていってたの、こんな感じかな?
外じゃ絶対言えないわーなんて言ってたけど、さけちゃったらどうしよう!

「……っふっ、……助けて、アレックス」
「っわかった。ほら、あとちょっとだから……っ、よし」
直径まで達したのか、後半はすぐだった。急速にお尻の穴が閉じていって、押し出されるのが自分でも分かった。
「ふうっ……、、、?おしまい?」
「ああ、おしまいだ。全部出た。頑張ったな、レン、もう楽にしていいぞ」
そう言って、アレックスは腰の下にあったクッションをとってくれた。
膝の後ろで抱えていた両腕を解く。
ああ、僕が思っていたより体勢もちょっと無理をしたのかもしれない。
それとも慣れない体勢とことで、変に力が入っていたのかも。
たぶんどっちもだろうな。腿の内側と腕が弛緩して、じんわりする。
どんなのがお尻から出てきたのか見ようとしたけれど、アレックスに隠れて見えなかった。
アレックスが隠したのかもしれない、僕のために。

「うん、…ありがとう、アレックス」
「礼を言うのは、これが取れてからだ。こっからは俺が頑張るから、レンはそのまま休んでろ」
「うん」

アレックスが腰にある鎖の一つを中指と親指と人差し指で摘まみあげて、真剣な顔して何か呟いていく。
声になってはいないんだ。
けれど、浅く息を吸ったり吐いたりしながら、口先は早口言葉みたいに早くて休みがなく途切れない。
魔法、呪文なのかな?浄化のときは指を振ってただけだったはず。

アレックスが簡単に、壊しちまうか、なんて言っていたからお願いしちゃったけど、もしかして、ううん、もしかしなくてもこれを壊すのって結構大変だったりするのかもしれない。

アレックスの唇から奏でる音にならない魔法は、細かやかに淀みなく続く。
僕は、それを黙って見守ることしかできなかった。
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