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本編
-22- 八つ当たりと誤解
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「…レン様、本当に大丈夫でございますか?」
アレックスさんがその場をさって、すぐ、セバスさんが心配そうに聞いてくる。
「あ、はい……でも、コレ、結局元に戻っちゃってとれなくて……」
僕が下半身に目を向けてから、そっとセバスさんを伺うと、セバスさんの申し訳なさそうな顔とかち合う。
「もう一度、失礼いたしますね」
そういって、再度腰にある鎖部分をじっと確認してくる。
「ご状態が、貞操保護、となっていらっしゃいましたが、まさか、教会の貞操保護具がこんなひどいものとは思いませんでした。
きちんと確認するべきでしたね、申し訳ありません。……やはり、私では読み取れませんね。教会の術式は独自のものとお聞きします。
すぐに、ハーマン司祭に取り次ぎましょう。彼なら解除が可能かもしれません」
「司祭さま、ですか?」
また、サミュエルのようなことになったらどうしようかな。もう、なんだか教会とか神殿とかそういうのにかかわりたくない。
「ハーマン司祭はこのエリソン領にある教会の神父様です。彼は教団との派閥争いとは無縁ですから帝都にある神殿とは距離を置いております。ご安心ください」
「え、あの、エリソン領?ここは、前に僕がいた場所と違うんですか?」
「レン様が最初にいらしたのは、帝都の宮殿でございます。そこから神殿へ移動されそのままエリソン領まで連れてきた、と宰相であるルーカス…私の甥から聞いております」
ルーカス…そうだ、彼が、責任をもってくれるというから信じてしまった。
変な実をたべさせられて、こんなものまでつけられて、気絶してる間に知らない土地の知らない人のところに勝手に連れられたんだ。
信用した僕がいけないんだけれど、けど、他のみんなは大丈夫かな。
「……勝手に、連れてきたんですね、何も聞かずに。他のみんなはどうしてるか知ってますか?……ここは、帝都からどれくらい離れてますか?
みんなには、会えますか?」
「あなたたちには悪いことしてしまったと、言っていました。目の届かなかった隙に、実を口にされて貞操保護具を身につけられてしまったと、それから」
「都合がいい言い訳ですね」
最初からそうするつもりだったのだろう。都合のいい言い訳なんて聞きたくもなかった。
セバスさんの言葉をさえぎって出た僕の言葉に、彼の瞳が真意を見抜くように僕を見る。
なんだか、叱られているような気分になってくる。
「本当に、そう、思いますか?」
「……信じろっていうんですか?最初から彼は僕らのことを神器とかいうものとして扱っていたのに?神殿に連れいていったのも彼の指示でした」
僕はもっと怒っていいと思うんだ。望んできたわけじゃないのに。
勝手に送られて、そのあと説明も何もないままだ。
「…ここから帝都までは馬車で丁度1日ほどかかります」
「え?!そんなに?じゃぁ、僕がこっちの世界にきてから、もう1日も経ってるんですか?!」
「ええ。他の方々も、出来るだけ大切にしてくださる方にお送りし、最後にレン様がこちらに来られたと聞きましたが…、他の方々の居場所をお調べしましょう。
少なくともまだ帝都のどこかにいらっしゃるはずですよ。帝都へは馬車で1日かかりますが、アレックス様とご一緒でしたらすぐに行ける場所ですから。
あまりご心配されなくとも大丈夫です」
心配しなくても大丈夫?なんの根拠があって言うんだろう。無理言わないでほしい。
少しずつ僕の怒りがたまっていくのがわかった。
「…心配、するよ、するに決まってる……、なんでそんなこといえるんですか!」
「レン様……」
「だって!理不尽にもよくわからない世界にいきなり引き込まれて、変な実をたべさせられて身体は妊娠できるようになっちゃうし…、え、なってるんだよね?
そんなわけわからない体に勝手に変えられて、こんなのつけられて、知らな土地の知らない人の所有物にされて、これからその人と望んでもいないのにえっちして、子供を作って、取り上げられて、
……それで、心配しなくても大丈夫?!心配するに決まってるじゃんか!!」
「レン様っ落ち着いてくださいませ」
こんなの落ち着いてられるわけない。あんまりだ。
僕たちの存在をなんだと思ってるんだ。
ああ、帰りたい。
無性に元の世界に帰りたいなって思った。
役者としてもこれからって時だった。
ようやく、、、、
「…帰りたい」
言葉にしたら、もっと帰りたくなった。
ここには、みんなもいない。
「帰りたい……元の世界に帰りたい、っ帰して!!」
「レン様、、」
目の前がどんどん滲んでいく。ボロボロと両目から涙がこぼれていくのが分かった。
アレックスさんがその場をさって、すぐ、セバスさんが心配そうに聞いてくる。
「あ、はい……でも、コレ、結局元に戻っちゃってとれなくて……」
僕が下半身に目を向けてから、そっとセバスさんを伺うと、セバスさんの申し訳なさそうな顔とかち合う。
「もう一度、失礼いたしますね」
そういって、再度腰にある鎖部分をじっと確認してくる。
「ご状態が、貞操保護、となっていらっしゃいましたが、まさか、教会の貞操保護具がこんなひどいものとは思いませんでした。
きちんと確認するべきでしたね、申し訳ありません。……やはり、私では読み取れませんね。教会の術式は独自のものとお聞きします。
すぐに、ハーマン司祭に取り次ぎましょう。彼なら解除が可能かもしれません」
「司祭さま、ですか?」
また、サミュエルのようなことになったらどうしようかな。もう、なんだか教会とか神殿とかそういうのにかかわりたくない。
「ハーマン司祭はこのエリソン領にある教会の神父様です。彼は教団との派閥争いとは無縁ですから帝都にある神殿とは距離を置いております。ご安心ください」
「え、あの、エリソン領?ここは、前に僕がいた場所と違うんですか?」
「レン様が最初にいらしたのは、帝都の宮殿でございます。そこから神殿へ移動されそのままエリソン領まで連れてきた、と宰相であるルーカス…私の甥から聞いております」
ルーカス…そうだ、彼が、責任をもってくれるというから信じてしまった。
変な実をたべさせられて、こんなものまでつけられて、気絶してる間に知らない土地の知らない人のところに勝手に連れられたんだ。
信用した僕がいけないんだけれど、けど、他のみんなは大丈夫かな。
「……勝手に、連れてきたんですね、何も聞かずに。他のみんなはどうしてるか知ってますか?……ここは、帝都からどれくらい離れてますか?
みんなには、会えますか?」
「あなたたちには悪いことしてしまったと、言っていました。目の届かなかった隙に、実を口にされて貞操保護具を身につけられてしまったと、それから」
「都合がいい言い訳ですね」
最初からそうするつもりだったのだろう。都合のいい言い訳なんて聞きたくもなかった。
セバスさんの言葉をさえぎって出た僕の言葉に、彼の瞳が真意を見抜くように僕を見る。
なんだか、叱られているような気分になってくる。
「本当に、そう、思いますか?」
「……信じろっていうんですか?最初から彼は僕らのことを神器とかいうものとして扱っていたのに?神殿に連れいていったのも彼の指示でした」
僕はもっと怒っていいと思うんだ。望んできたわけじゃないのに。
勝手に送られて、そのあと説明も何もないままだ。
「…ここから帝都までは馬車で丁度1日ほどかかります」
「え?!そんなに?じゃぁ、僕がこっちの世界にきてから、もう1日も経ってるんですか?!」
「ええ。他の方々も、出来るだけ大切にしてくださる方にお送りし、最後にレン様がこちらに来られたと聞きましたが…、他の方々の居場所をお調べしましょう。
少なくともまだ帝都のどこかにいらっしゃるはずですよ。帝都へは馬車で1日かかりますが、アレックス様とご一緒でしたらすぐに行ける場所ですから。
あまりご心配されなくとも大丈夫です」
心配しなくても大丈夫?なんの根拠があって言うんだろう。無理言わないでほしい。
少しずつ僕の怒りがたまっていくのがわかった。
「…心配、するよ、するに決まってる……、なんでそんなこといえるんですか!」
「レン様……」
「だって!理不尽にもよくわからない世界にいきなり引き込まれて、変な実をたべさせられて身体は妊娠できるようになっちゃうし…、え、なってるんだよね?
そんなわけわからない体に勝手に変えられて、こんなのつけられて、知らな土地の知らない人の所有物にされて、これからその人と望んでもいないのにえっちして、子供を作って、取り上げられて、
……それで、心配しなくても大丈夫?!心配するに決まってるじゃんか!!」
「レン様っ落ち着いてくださいませ」
こんなの落ち着いてられるわけない。あんまりだ。
僕たちの存在をなんだと思ってるんだ。
ああ、帰りたい。
無性に元の世界に帰りたいなって思った。
役者としてもこれからって時だった。
ようやく、、、、
「…帰りたい」
言葉にしたら、もっと帰りたくなった。
ここには、みんなもいない。
「帰りたい……元の世界に帰りたい、っ帰して!!」
「レン様、、」
目の前がどんどん滲んでいく。ボロボロと両目から涙がこぼれていくのが分かった。
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