12 / 440
本編
-12- 貞操具 **
しおりを挟む
お爺さんの声で我に返ったアレックスさんが、僕との距離を詰めてくる。
柑橘系の香りがさっきより少しだけ濃くなった。やっぱりこの香りはアレックスさんからするみたいだ。
なんだか尿意の他に、別の何かうずいてくる。なんで?!
内心焦っている僕をよそに、アレックスさんが僕のほうに屈みこんできた。
「あ、ああ、悪い……で?どうやるんだ?」
「貞操具の腹当部にアレックス様の魔力を流せば、連環が緩むはずでございます」
「わかった」
アレックスさんは、そのままうわかけを払い、再び目の前にさらされた貞操具とやらに眉を顰める。
一気に羞恥心に襲われ、思わず下半身を手で隠した。
お爺さんの時とは違って、恥ずかしすぎるよ。
どこを見たらいいのかもわからなくて、思わずアレックスさんの斜め後ろ、お爺さんのほうに視線を移すと心配そうな瞳とかち合った。
「手どけろ、コレに触れればいいのか?」
そういって、アレックスさんが僕の手を払いのけて、お腹の部分に触れようとする。
わー、無理無理!!とってほしいけど、今ここで外したら確実に漏れる!!
その腕を僕は両手で必死につかんで距離をとった。
「おい」
とたん機嫌の悪そうなアレックスさんの声が返ってきて、少しだけ怯む。
でも、ここは引けない。
怖気ずく自分に内心で叱咤しながら、僕は意を決してアレックスさんの目を合わせる。
「だ、駄目!」
「は?」
「だって、今ここでとったら、漏れちゃうよっ!」
アレックスさんのエメラルド色の瞳が一度大きくなると、すぐにまた不快感を露わにした表情で舌打ちする。
うー、めちゃくちゃ怒ってる。
瞳が切れ長で視線が鋭い上に、顔が整ってるから余計に怖い!
でもだって、こんなところで漏らしたら大変なことになっちゃう!
「…アレックス様」
お爺さんの咎めるような声に、アレックスさんははっとした顔を僕に向けた。
「あー、悪い。おまえに怒ったわけじゃない、つかまれ。んで、目、閉じてろ」
そう言って、僕をまるで子供をかかえるように抱き上げた。
言われる通りぎゅっと目を閉じてから、ほんの2,3秒ほどだった。
眩暈のように頭がくらりとしたけれど、それはほんの一瞬。
ついたぞ、という声に目を開けると、すでにトイレの個室内だった。
地に足がつく。つるりとした床は、磨かれた赤茶色の大理石みたいだけれど、足元は温かかった。
トイレの個室といっても、広い。
装飾は美しいアンティーク調だけれど、トイレ自体は僕のいた世界の最新の水洗トイレと見た目は変わらなかった。
「ほら、ちゃんと前向け、はずすぞ」
アレックスさんは、背後から抱くように僕の左肩に右掌を押しやって、トイレの前に向かせてくる。
そのまま左手で、僕のお腹の下にある未だ鈍く光ってるゴム版みたいなものに手をあてた。
少しあたたかい感じがして、うん、ちょっとだけ気持ちがいい。
でも、見た目は変わらない。
「連環が緩むっつってたけど、変わんないな……、外せるか?」
言われて、僕は自身の先端部分の金属をひっぱってみたけれど取れない。
中も埋まってるから少しでも動いたらわかるはずだけど、まったくといっていいほど動かない。
強力磁石みたいにぴったりと合わさってる。
「とれないよ」
「ちょっと触るぞ」
アレックスさんが、右手で僕の先端についている金属に触れると先端部分だけ急に鎖が緩んだ。
緩んだというか、鎖が長くなった。鎖の輪の数が増えてる。
「外れそうだな、とるぞ」
そういって、アレックスさんは、先端を前にスライドする。
ほんの少し動かしただけで、尿道の奥から先端へと波打つようにゾクゾクと尿意と疼きが襲ってきた。
「んんっ、あっ、待って、ゆっくりやって」
「なんだこれ、中も埋まってんのか?!」
のぞき込むようにしてくるから、その反動で、先端が少し回った。
内側からの新たな刺激で、背中がのけ反る。
「あっ、やだ、回さないで!変になっちゃう!」
「っ、悪い……」
「ゆっくりやって、前に抜いて」
涙声になっちゃうのは演技じゃないし、態とじゃない。
こんなの今までに知らない、未知の領域だ。
「わかった」
アレックスさんがゆっくりと引き抜いてくる。
先端の中心から金属製の小さな玉の連なりが、ひとつ、またひとつと顔を出してくる。
そのたびに強い刺激が走る。
尿意なのか射精の疼きなのかどっちかわからなくなってきた。
「アッ、ゆっくりやって、お願いだから」
「…ゆっくりやってる。ッ、結構長いな」
小さな玉が顔を出すたび、快感が奥から背中を走り抜けて、解放の時への期待がまだかまだかと押し寄せてくる。
体全身が小刻みに震えそうで、腰にまわってるアレックスさんの腕を掴む。
「危ないから動くな」
「ふっ……っ、あ、で、出ちゃうっ出ちゃう、漏れちゃうよっ」
先端が引っ掛かり、最後の球が抜けようとしてるのが分かった。
今までよりちょっと大きいのか、出口がみっちり膨れてる。
これで抜けるぞ、と主張してくる。
抜いたら確実にどっちかが出るっ!
「いいから、大丈夫だから出せ、ほら、抜けたぞ」
言われるや否や、自由になった先端からじょぼじょぼと黄色く半透明な液体が勢いよく流れ出た。
壊れた蛇口みたいに、なかなか止まらない。
はち切れそうだった膀胱がどんどんしぼんでいくのがわかる。
「ああ、おしっこ…いっぱい出てる、っ見ないで、目閉じて」
「わかったわかった、見てないから、全部だせ」
ああ、どうしよう、とんでもなく恥ずかしいのに、なんだか凄く――――
凄く、気持ちがいい。
柑橘系の香りがさっきより少しだけ濃くなった。やっぱりこの香りはアレックスさんからするみたいだ。
なんだか尿意の他に、別の何かうずいてくる。なんで?!
内心焦っている僕をよそに、アレックスさんが僕のほうに屈みこんできた。
「あ、ああ、悪い……で?どうやるんだ?」
「貞操具の腹当部にアレックス様の魔力を流せば、連環が緩むはずでございます」
「わかった」
アレックスさんは、そのままうわかけを払い、再び目の前にさらされた貞操具とやらに眉を顰める。
一気に羞恥心に襲われ、思わず下半身を手で隠した。
お爺さんの時とは違って、恥ずかしすぎるよ。
どこを見たらいいのかもわからなくて、思わずアレックスさんの斜め後ろ、お爺さんのほうに視線を移すと心配そうな瞳とかち合った。
「手どけろ、コレに触れればいいのか?」
そういって、アレックスさんが僕の手を払いのけて、お腹の部分に触れようとする。
わー、無理無理!!とってほしいけど、今ここで外したら確実に漏れる!!
その腕を僕は両手で必死につかんで距離をとった。
「おい」
とたん機嫌の悪そうなアレックスさんの声が返ってきて、少しだけ怯む。
でも、ここは引けない。
怖気ずく自分に内心で叱咤しながら、僕は意を決してアレックスさんの目を合わせる。
「だ、駄目!」
「は?」
「だって、今ここでとったら、漏れちゃうよっ!」
アレックスさんのエメラルド色の瞳が一度大きくなると、すぐにまた不快感を露わにした表情で舌打ちする。
うー、めちゃくちゃ怒ってる。
瞳が切れ長で視線が鋭い上に、顔が整ってるから余計に怖い!
でもだって、こんなところで漏らしたら大変なことになっちゃう!
「…アレックス様」
お爺さんの咎めるような声に、アレックスさんははっとした顔を僕に向けた。
「あー、悪い。おまえに怒ったわけじゃない、つかまれ。んで、目、閉じてろ」
そう言って、僕をまるで子供をかかえるように抱き上げた。
言われる通りぎゅっと目を閉じてから、ほんの2,3秒ほどだった。
眩暈のように頭がくらりとしたけれど、それはほんの一瞬。
ついたぞ、という声に目を開けると、すでにトイレの個室内だった。
地に足がつく。つるりとした床は、磨かれた赤茶色の大理石みたいだけれど、足元は温かかった。
トイレの個室といっても、広い。
装飾は美しいアンティーク調だけれど、トイレ自体は僕のいた世界の最新の水洗トイレと見た目は変わらなかった。
「ほら、ちゃんと前向け、はずすぞ」
アレックスさんは、背後から抱くように僕の左肩に右掌を押しやって、トイレの前に向かせてくる。
そのまま左手で、僕のお腹の下にある未だ鈍く光ってるゴム版みたいなものに手をあてた。
少しあたたかい感じがして、うん、ちょっとだけ気持ちがいい。
でも、見た目は変わらない。
「連環が緩むっつってたけど、変わんないな……、外せるか?」
言われて、僕は自身の先端部分の金属をひっぱってみたけれど取れない。
中も埋まってるから少しでも動いたらわかるはずだけど、まったくといっていいほど動かない。
強力磁石みたいにぴったりと合わさってる。
「とれないよ」
「ちょっと触るぞ」
アレックスさんが、右手で僕の先端についている金属に触れると先端部分だけ急に鎖が緩んだ。
緩んだというか、鎖が長くなった。鎖の輪の数が増えてる。
「外れそうだな、とるぞ」
そういって、アレックスさんは、先端を前にスライドする。
ほんの少し動かしただけで、尿道の奥から先端へと波打つようにゾクゾクと尿意と疼きが襲ってきた。
「んんっ、あっ、待って、ゆっくりやって」
「なんだこれ、中も埋まってんのか?!」
のぞき込むようにしてくるから、その反動で、先端が少し回った。
内側からの新たな刺激で、背中がのけ反る。
「あっ、やだ、回さないで!変になっちゃう!」
「っ、悪い……」
「ゆっくりやって、前に抜いて」
涙声になっちゃうのは演技じゃないし、態とじゃない。
こんなの今までに知らない、未知の領域だ。
「わかった」
アレックスさんがゆっくりと引き抜いてくる。
先端の中心から金属製の小さな玉の連なりが、ひとつ、またひとつと顔を出してくる。
そのたびに強い刺激が走る。
尿意なのか射精の疼きなのかどっちかわからなくなってきた。
「アッ、ゆっくりやって、お願いだから」
「…ゆっくりやってる。ッ、結構長いな」
小さな玉が顔を出すたび、快感が奥から背中を走り抜けて、解放の時への期待がまだかまだかと押し寄せてくる。
体全身が小刻みに震えそうで、腰にまわってるアレックスさんの腕を掴む。
「危ないから動くな」
「ふっ……っ、あ、で、出ちゃうっ出ちゃう、漏れちゃうよっ」
先端が引っ掛かり、最後の球が抜けようとしてるのが分かった。
今までよりちょっと大きいのか、出口がみっちり膨れてる。
これで抜けるぞ、と主張してくる。
抜いたら確実にどっちかが出るっ!
「いいから、大丈夫だから出せ、ほら、抜けたぞ」
言われるや否や、自由になった先端からじょぼじょぼと黄色く半透明な液体が勢いよく流れ出た。
壊れた蛇口みたいに、なかなか止まらない。
はち切れそうだった膀胱がどんどんしぼんでいくのがわかる。
「ああ、おしっこ…いっぱい出てる、っ見ないで、目閉じて」
「わかったわかった、見てないから、全部だせ」
ああ、どうしよう、とんでもなく恥ずかしいのに、なんだか凄く――――
凄く、気持ちがいい。
33
お気に入りに追加
1,079
あなたにおすすめの小説
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。
柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。
頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。
誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。
さくっと読める短編です。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜
Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、……
「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」
この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。
流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。
もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。
誤字脱字の指摘ありがとうございます
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる