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本編
-58- 初夜*
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夕食後、蓮君とアレックス様は共に帰っていった。
これからも10日に1度のペースで蓮君と顔を出すようだ。
来るときは今度からちゃんと連絡する、とも言っていた。
や、今回だってオリバーが言い忘れていただけで連絡はしていたんだろうが。
貴族間の連絡っていうのが、本来なら約束まで長いらしいが、そこは2人の中で明日明後日であっても気にしない。
そういうところは庶民的考えもある侯爵様らしい。
穴や侵入者問題はどうしたのかって思ったが、俺と蓮君がエロ話してる間に全て解決していたようだ。
悟られもしなかったな、仕事が早すぎる。
オリバーはついていったが役に立ったんだろうかと思ったら、おはぎの持つ枝に夢中だったというから、流石だと思った。
あの枝はただの棒切れじゃなくて、世界樹の枝だそうだ。
世界樹ってのがこっちの世界でどんだけすごいのか分からないが、魔力の源と言われている伝説の木、のようだ。
目を輝かせて枝を眺めていたらしく、おはぎが返してというまでずーっと飽きもあせず眺めていたという。
うん、ブレないな。
まあ、宮廷薬師の件で沈んでいないならいい。
なんせ今夜は、初夜だ。
初、夜。
やばい、妄想だけでにやける。
『一緒に入りますか?』とのオリバーの問いに、『冗談、ちゃんと待ってベッドで抱いてくれ』と返して先に風呂に入らせてもらった。
『ちゃんとあったまってきてくださいね』そう言われて、柔らかな笑みで送り出された。
オリバーの癖に。
そんなのでまたときめくどうしようもない俺。
風呂は、主人と夫人、それぞれの部屋の間に1つあり、風呂を挟んで続き扉で重なっている。
まあ、俺はオリバーと主人部屋で寝ているんだが、向こう側に夫人部屋もある。
中も出来る限り洗ったし、しっかり浄化もした。
温かい湯の湯船は猫足で洒落ていて、薔薇の良い香りがしている。
これ、特別なんだろうな、ソフィアかタイラーか……タイラーか?
いつもは薔薇の香りなんかしない。
うーん……そろそろ上がるべきか。
こういう時の湯船から出るタイミングにすら迷う。
今までどうしていたっけ?
大抵風呂場でやって、ベッドでやって……あー、シャワーだけで済ますことが多かったわ。
湯船につかってから出たことってあったか?
ねー気がする。
湯船につかってイチャイチャなんて経験は……あーそれもねーな、そういや。
ほんと、ろくな経験してねえのかもしれない。
シャワー浴びながらバックとか、ラブホのローション大量に使いながらこすりつけ合ったりとかはあったが。
のぼせる前に上がろうと、湯船を出て適当に身体を拭いてバスローブを身に着ける。
どうせ脱ぐんだし、パジャマは今はいらない。
部屋に戻るとオリバーが驚いた顔をして、ちゃんと髪を乾かすように言われてしまった。
「私も入ってきます」
「ん……」
甘いキスを一つ落として、相変わらずいい匂いを振りまきながら扉の向こうに消えていった。
風呂に入っちまったら、あのウッディアンバーないい匂いが薄れる気がしてもったいない。
なんて思っちまった。
ドライヤーのような魔法具で髪がすっかり乾いたころ、オリバーがあがってきた。
ちゃんとあったまったのか?って思ったが、同じ薔薇の匂いがするので入ったは入ったのだろう。
奴の長い髪の毛もしっかり乾いている。
「早くね?」
「ちゃんと洗いましたよ」
「や、まあそうなんだろうけど、しっかり乾いてる」
「調合の乾燥魔法を自分にかけました」
よくもまあ干からびなかったもんだ、髪や肌が痛まないんだろうか。
しっかし、ローブが似合う男だ。
中央のゆるやかな合わせ目から見える綺麗な筋の鎖骨に、鍛えられた胸板。
目に入れるだけで、期待しちまう。
あ、やばい。
今、目をそらすのはわざとらしかった、あからさまだったかもしれない。
柔らかな笑みを浮かべたオリバーが、横からやってきては、ふんわり背後から抱きしめてくる。
しっかりとした骨格と、頼りがいのありそうな腕。
あくまでも優しい抱擁。
同じ薔薇の匂いがする。
や、かすかに香るウッディアンバーな甘い香りもする。
「同じ香りがしますね」
首元に顔をうずめて、耳元で喋られる。
すん、と香りを嗅いでから嬉しそうに口にした。
「ああ、でも…アサヒの甘い香りもします」
「んっ……」
ちゅっと首筋を吸われて、すぐ上の耳たぶを食まれたかと思えば舌で弄ばれる。
それだけで、中心がうずき、甘い鼻息が漏れちまう。
バスローブの合わせから、オリバーの温かな手がゆっくりと侵入してきた。
+++++++++++++++++
明日12日(月)と13日(火)の更新はお休みします。
次の更新は、14日(水)になります。
詳細は、近況ボードにて。
よろしくお願いします!
これからも10日に1度のペースで蓮君と顔を出すようだ。
来るときは今度からちゃんと連絡する、とも言っていた。
や、今回だってオリバーが言い忘れていただけで連絡はしていたんだろうが。
貴族間の連絡っていうのが、本来なら約束まで長いらしいが、そこは2人の中で明日明後日であっても気にしない。
そういうところは庶民的考えもある侯爵様らしい。
穴や侵入者問題はどうしたのかって思ったが、俺と蓮君がエロ話してる間に全て解決していたようだ。
悟られもしなかったな、仕事が早すぎる。
オリバーはついていったが役に立ったんだろうかと思ったら、おはぎの持つ枝に夢中だったというから、流石だと思った。
あの枝はただの棒切れじゃなくて、世界樹の枝だそうだ。
世界樹ってのがこっちの世界でどんだけすごいのか分からないが、魔力の源と言われている伝説の木、のようだ。
目を輝かせて枝を眺めていたらしく、おはぎが返してというまでずーっと飽きもあせず眺めていたという。
うん、ブレないな。
まあ、宮廷薬師の件で沈んでいないならいい。
なんせ今夜は、初夜だ。
初、夜。
やばい、妄想だけでにやける。
『一緒に入りますか?』とのオリバーの問いに、『冗談、ちゃんと待ってベッドで抱いてくれ』と返して先に風呂に入らせてもらった。
『ちゃんとあったまってきてくださいね』そう言われて、柔らかな笑みで送り出された。
オリバーの癖に。
そんなのでまたときめくどうしようもない俺。
風呂は、主人と夫人、それぞれの部屋の間に1つあり、風呂を挟んで続き扉で重なっている。
まあ、俺はオリバーと主人部屋で寝ているんだが、向こう側に夫人部屋もある。
中も出来る限り洗ったし、しっかり浄化もした。
温かい湯の湯船は猫足で洒落ていて、薔薇の良い香りがしている。
これ、特別なんだろうな、ソフィアかタイラーか……タイラーか?
いつもは薔薇の香りなんかしない。
うーん……そろそろ上がるべきか。
こういう時の湯船から出るタイミングにすら迷う。
今までどうしていたっけ?
大抵風呂場でやって、ベッドでやって……あー、シャワーだけで済ますことが多かったわ。
湯船につかってから出たことってあったか?
ねー気がする。
湯船につかってイチャイチャなんて経験は……あーそれもねーな、そういや。
ほんと、ろくな経験してねえのかもしれない。
シャワー浴びながらバックとか、ラブホのローション大量に使いながらこすりつけ合ったりとかはあったが。
のぼせる前に上がろうと、湯船を出て適当に身体を拭いてバスローブを身に着ける。
どうせ脱ぐんだし、パジャマは今はいらない。
部屋に戻るとオリバーが驚いた顔をして、ちゃんと髪を乾かすように言われてしまった。
「私も入ってきます」
「ん……」
甘いキスを一つ落として、相変わらずいい匂いを振りまきながら扉の向こうに消えていった。
風呂に入っちまったら、あのウッディアンバーないい匂いが薄れる気がしてもったいない。
なんて思っちまった。
ドライヤーのような魔法具で髪がすっかり乾いたころ、オリバーがあがってきた。
ちゃんとあったまったのか?って思ったが、同じ薔薇の匂いがするので入ったは入ったのだろう。
奴の長い髪の毛もしっかり乾いている。
「早くね?」
「ちゃんと洗いましたよ」
「や、まあそうなんだろうけど、しっかり乾いてる」
「調合の乾燥魔法を自分にかけました」
よくもまあ干からびなかったもんだ、髪や肌が痛まないんだろうか。
しっかし、ローブが似合う男だ。
中央のゆるやかな合わせ目から見える綺麗な筋の鎖骨に、鍛えられた胸板。
目に入れるだけで、期待しちまう。
あ、やばい。
今、目をそらすのはわざとらしかった、あからさまだったかもしれない。
柔らかな笑みを浮かべたオリバーが、横からやってきては、ふんわり背後から抱きしめてくる。
しっかりとした骨格と、頼りがいのありそうな腕。
あくまでも優しい抱擁。
同じ薔薇の匂いがする。
や、かすかに香るウッディアンバーな甘い香りもする。
「同じ香りがしますね」
首元に顔をうずめて、耳元で喋られる。
すん、と香りを嗅いでから嬉しそうに口にした。
「ああ、でも…アサヒの甘い香りもします」
「んっ……」
ちゅっと首筋を吸われて、すぐ上の耳たぶを食まれたかと思えば舌で弄ばれる。
それだけで、中心がうずき、甘い鼻息が漏れちまう。
バスローブの合わせから、オリバーの温かな手がゆっくりと侵入してきた。
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明日12日(月)と13日(火)の更新はお休みします。
次の更新は、14日(水)になります。
詳細は、近況ボードにて。
よろしくお願いします!
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