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本編

-13- 貞操具**

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え……や、え?……はあ?
それじゃ、こいつにちんこのプラグを外してもらうだけじゃなくて、俺が小便している間、こいつは俺に触れてんのか?
そんな、失禁プレイを目の前で見せるのか?こいつに?

俺がこの後のことを悶々と考えている間に、目の前の男はせっせと俺のズボンの紐を結ぶ。
背をそっと押すように促すも、俺の足元をみて裸足なことに気が付いて、抱きかかえてくる。
いわゆるお姫様抱っこだ。
そんなことされたこともなければ、したこともない。
慣れてない扱いに、当然受け入れ態勢はない。

「ちょ、自分で歩ける」
「やけどしますよ。温室から一度外に出ると今の時間まだ地面の温度が高いですから。
落とされたくなければ、おとなしくしててください」

そう言われて、暴れるのをやめる。
あーそれにしても、マジでこいつ、すげーいい匂いがする、なんだこれ。
ウッディーな…サンダルウッドよりきつくなくてまろやかな香りに、アンバーな…でも、それより癖のない、嫌みのない深い甘さがある。
解析してもわかんねえが、とにかくずっと嗅いでいたいくらい心地がいい。

それに。
見た目より、がっしりしている。
抱き上げる腕も目の前にある胸板も厚みがある。
着やせするタイプのようだ。
これは……本格的にまずい。
まだ名前も知らないうちから惚れそうになっている……というか、もう片足どころか両足首くらいまでは浸かっている気がする。

あー、これ、どうしたらいいよ?
誰か……誰でもいい…、要……、蓮君、助けてくれ。



俺の心の叫びも虚しく、トイレに到着してしまう。
外云々言ってたが、部屋の中に入ってもそのままお姫様抱っこでトイレに直行だ。
男の俺がお姫様だっこなんて望んだって一生ありえないと思っていたが、ありえるらしい。

ロビーも通り過ぎる部屋もものすごい高級なアンティークだったが、トイレもアンティークだ。
だが、ほっとした。
俺らのいたところの最新式と見た目は変わらずの便器だし、同じように水洗らしい。
そっと便器の前で降ろされて、そのまま背後に立たれる。

「………っ」
ほっとしたのもつかの間。
パンツの隙間に右手をつっこまれ、躊躇なく俺のちんこを取り出しすと、やつは左手をその隙間に入れ、俺の腹の下を抑えてくる。
待て待て、なんでこんな躊躇なく手際がいいんだ。

「じゃ、外していきますね」
「ちょ……っ」
「危ないから動かないでください」
「っけど!」

俺が腹をくくる時間を少しくれ、そう言おうとしたが、相手がしまった、みたいな顔をし、手を止めてから口を閉ざす。
次の瞬間、やつはとんでもないことを口にした。

「もしかして、おしっこじゃなくて、うんこでしたか?」
「…っおしっこだ、馬鹿!」
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