18禁乙女ゲーム…ハードだ(色んな意味で)

本編

５２ チャイム

キーンコーンカーンコーン

おっと、ここで授業の終わりのチャイムがなりました。やっとこの空気から解放されますね。

｢…他の生徒に可愛いリリィを見られる前に移動しようか｡｣

あ、まだ終わってなかった。どうしましょうか。魔法を使ってその隙に逃げ…

｢リリィ？逃げちゃダメだよ？僕、途中で邪魔が入ってまだ満足してないからね｡｣

あう。ダメだ。ハルト様からは逃げられない。

｢待ってください。俺は殿下達と一緒にリリィを楽しむとは言ってません｡｣

お！お兄様もっと言ってください！
レイク様とハルト様を諦めさせてください！

｢リリィは俺一人で可愛がります｡｣

ちがーう！！お兄様間違ってます！
そんな私をペットみたいな言い方……あ、今猫の耳としっぽ生えてる…。

ざわざわと廊下の向こうが騒がしくなってきました。

｢とにかく、ここを移動しようか｡｣



そう言って連れられたのはレイク様の寮の部屋でした。
王族なだけあってすごく部屋が大きいです。前に来たときはお酒に酔っていてあまり部屋を見ていませんでしたが、落ち着いていて大人な雰囲気がある部屋です。

部屋の奥には大きなベッドが…。
レイク様との初めての夜を思い出して顔が熱くなります。
酔っていた私がレイク様を襲って…ああぁ！

レイク様もあの時のことを思い出しているのか顔を手で覆っていて耳が真っ赤です。
はぁ、最推しが可愛い…。生きててよかった。

ていうか！ここにいる攻略対象、全員私の好きなキャラクターじゃないですか！
案外、複数プレイもいいのかも…。


｢…ハルト様、何でリリィはこんな可愛い姿に？｣

｢ああ、半獣人の魔法薬の実験をしていたら、ヒスイ嬢が躓いてリリィにそれをかけてしまってねー｡｣

｢ヒスイ嬢、ね。(あのリリィにつきまとってる女か…｡)｣

何だかお兄様から不穏な空気が。

｢お兄様、ヒスイは悪くありません！｣

誤解させてはいけません！ヒロインと攻略対象の仲はよくないと！

｢よりによって猫か…。いや、普通に好きだけど。ハルトが壊れるんだよな…。(それにリリィが合わさると…｡)｣

確かに…ハルト様の猫好きは周知の事実ですね。
でも、こんな追いかけ回すほど好きなんでしょうか？ハルト様ってすごいですね。


｢ほら、レイク兄様とアルトも分かったでしょ。…リリィ、続きしよっか｡｣


みゃぁぁぁー？！！