魔術の歴史

エリファス1810

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第5巻 第1章 魔術の罪で非難された(無実の)祭司と法王

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第5巻 達道者と祭司

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第5巻 第1章 魔術の罪で非難された(無実の)祭司と法王

 すでに話した様に、偽のグノーシス主義による神への冒涜と不信心のせいで、教会は魔術を弾圧した。
 神殿騎士団への弾圧によって、教会と魔術の決裂は決定的に成ってしまった。
 神殿騎士団への弾圧以降、身を隠す事を余儀無くされた異端者、悪人の霊の魔術師は、闇の中で報復を計画し、(罪をなすりつけて)教会を社会的に葬ろうとした。
 教会という祭壇に異端という祭壇を公に敵対させて弾圧と処刑を招いた大異端者より抜け目が無かった当時の異端者は、異端の教えと教会への敵意を隠した。
 異端者は、恐るべき誓いによって、団結した。
 そして、異端者、悪人の霊の魔術師は、世論という裁判所で優勢を確保するのが最重要である事に気づき、黒魔術を自らおとしめてから、教会を黒魔術の一派として大衆に告発して、黒魔術への悪い噂を、黒魔術の告発者であり裁判官である教会になすりつけた。
 確信と信心を論理という不動の基礎に根づかせない限り、人は熱狂的に無差別に真理だけではなく虚偽をも望んでしまう。
 双方とも厳しい反発に会った。
 誰が争いを終わらせられるのか?
 ローマの信徒への手紙12章17節「悪で悪に報復するなかれ」、ローマの信徒への手紙12章21節「善で悪に勝利しなさい」と話したイエスの使徒パウロの精神だけが、争いを終わらせられる。
 カトリックの祭司は、迫害者として非難されている。
 けれども、カトリックの祭司の使命は、「善きサマリア人」である。
 そのため、カトリックの祭司は、盗賊に襲われた人を思いやらずに通り過ぎた思いやりが無いレビ族から祭司の役目を引き継いだ。
 思いやりを発揮する事によって、祭司は、神が神性を祭司に授けている事を証明する。
 そのため、聖職者に不適切に成った一部の人が犯した罪を、祭司全体になすりつけるのは、最悪な不正である。
 常に、全ての人は、邪悪に成り得る。
 常に、全ての人は、悪事を犯す可能性が有る。
 しかし、常に、真の祭司には、思いやりがある。
 偽の聖職者、異端者は、聖職者に不適切に成った一部の人が犯した罪を、祭司全体になすりつけて、祭司全体を見る。
 グノーシス主義を禁止してから、キリスト教の聖職者が、知を無くして、知という権利の根拠が無いにもかかわらず力を不正利用している、と異端者は話している。
 最早、善悪の知が統治していない位階制に何の意味が有るか? 善悪の知が統治していない位階制は無意味である! と異端者は話している。
 聖所の聖職者の最高指導者が、末端の聖職者と同じく、神秘についての無知と盲信によって、狂信や見せかけだけの偽善に走っている。
 聖職者という盲人が盲人を導いている。
 (マタイによる福音15章14節「もし盲人が盲人を導けば、盲人は諸共に穴に堕ちるであろう」)
 同程度の聖職者における上の位階への昇進は、最早、運任せや不正な策略の結果でしか無い。
 司祭の位階の聖職者は、下品な乱雑な信心によって、パンと赤ワインを神聖化しようとする。
 司祭の位階の聖職者は、パンによる詐欺師である。
 司祭の位階の聖職者は、人の肉を食い物にする人である。
 司祭の位階の聖職者は、最早、奇跡を起こす人ではなく、悪人の霊の魔術師である。
 前記が、異端者の決めつけである。
 異端者は、祭司への誹謗中傷を強化するために、作り話を考えた。
 例えば、10世紀から法王達は闇の霊に身を委ねていると異端者は嘘をついた。

 中略

 エリファス レヴィは、プロテスタントの歴史家による実在しない女性の法王ヨハンナの嘘の伝記に目を通して2つの非常に興味深い絵に気づいて注目した。
 プロテスタントの歴史家は実在しない女性の法王ヨハンナの絵であると誤解しているが、実際は、法王の三重冠をかぶったイシスが描かれている古代のタロットである。
 未だに「女性の法王ヨハンナ」と呼ばれている、タロットの2ページ目の象徴的な絵として良く知られている。
 タロットの2ページ目には、法王の三重冠をかぶっている女性が描かれている。
 タロットの2ページ目には、法王の三重冠の直上に、三日月かイシスの角が描かれている。
 プロテスタントが著書で実在しない女性の法王ヨハンナであると誤解していた2つの絵のうち一方に、より注目するべきである。
 タロットの2ページ目には、薄く長い髪の女性が描かれている。
 女性の胸には太陽の十字がある。
 女性は「ヘラクレスの柱」という2つの柱の間に座っている。
 女性の背後には海が流れていて、海面の上には蓮華が咲いている。
 タロットの2ページ目には、法王の特徴を備えた、女神イシスが描かれている。
 女神イシスは、息子のホルスを腕に抱いている。
 カバラの資料として、2つの絵には比類無き価値が有る。

 中略

 偽の魔術書「ホノリウスの魔術書」の話に進む。
 不信心な偽の魔術書「ホノリウスの魔術書」の作者は、13世紀の熱意ある法王ホノリウス3世であると誤解されている。
 異端者と降霊術師は、法王ホノリウス3世を確かに憎んでいた。
 異端者と降霊術師は、法王ホノリウス3世を共犯者に仕立て上げて名誉を汚そうとした。
 1216年に法王ホノリウス3世に成った、チェンツィオ サヴェッリは、ドミニコ会を承認した。
 ドミニコ会は、マニ教と悪人の霊の魔術師の子孫であるアルビジョア派と呼ばれたカタリ派とヴァルド派にとって恐るべき修道会であった。
 法王ホノリウス3世は、フランシスコ会とカルメル会を承認し、十字軍の結成を説き、教会を賢明に統治し、多数の法王の教令を残した。
 カトリックである法王ホノリウス3世に黒魔術の罪を着せる事は、法王ホノリウス3世が承認した大いなる修道会を疑う事と同じである。
 法王ホノリウス3世を疑う事と、法王ホノリウス3世が承認した修道会を疑う事で、利益を得るのは悪魔(と言える悪人)である。
 いくつかの偽の魔術書「ホノリウスの魔術書」の古い写本には作者は(対立教皇)ホノリウス2世であると記されている。
 しかし、法王ホノリウス2世に成った優雅なランベルト司教枢機卿を悪人の霊の魔術師に仕立て上げるのは不可能である。
 法王の位階へ昇進後、法王ホノリウス2世は、詩人に囲まれてフランスの都市ル マンの司教Hildebertの様に哀歌のために詩人に司教の位階を与えた、また、サン ヴィクトルのフーゴーの様な学の有る神学者に囲まれていた。
 ただ、偽の魔術書「ホノリウスの魔術書」の古い写本に作者は(対立教皇)ホノリウス2世であると記されている事は、恐るべき偽の魔術書「ホノリウスの魔術書」の真の作者に一筋の光を当てる。

 中略

 イタリアのロンバルディア州の司教たちはイタリアのパルマの陰謀を企んでいる司教カダルスを対立教皇として選んだ。
 パルマの司教カダルスは、あらゆる犯罪をやりかねない男であった。
 また、パルマの司教カダルスは、聖職位を売買し内縁の妻を持っている醜聞が公に成っている男であった。
 パルマの司教カダルスは、(対立教皇)ホノリウス2世を名乗った。

 中略

 パルマの司教カダルスは、闇に隠れに舞い戻った。
 そして、十中八九、パルマの司教カダルスは、(対立教皇)ホノリウス2世という名前、位階で、悪人の霊の魔術師と背教者の大祭司に成ろうと決意した。
 そして、パルマの司教カダルスは、(対立教皇)ホノリウス2世という名前で偽の魔術書「ホノリウスの魔術書」を書いた。

 中略

 隠された知を学んだ人は皆、古代の魔術師が考えを記さずにpantacleの象徴的な文字で表現した事を知っているはずである。

 中略

 「エヘイエ ヤハウェ アドナイ アグラ」という4つの神の言葉は「絶対の存在は、ヤハウェであり、三位一体の主である神であり、教会の神であり位階制である」を意味する。
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