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第6章 新しい国
136.神様が謝罪にくるみたいです
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おやつの時間頃まで料理を作っていたが後は焼くだけである。あとはいつ神々が来るかだが、ハジメにとって都合のいい時間に来るだろうから、取り敢えず放置しておいて、職業学校をどういうイメージで建てるのかということを考えることにする。
「まず考えるのは『対象者』『学科』『施設』だよなぁ。確かウィリアムとパトリシアと一緒に来た子供で一番若い子が5歳で、最年長が12歳だったはずだから・・・。うーん。前の世界の小学校入学と同じ、6歳入学にしてっと。そこで初等教育を始めて、10歳から1年で全部の仕事を一通り体験してもらうことにしよう。そして11歳から15歳までは専門的な訓練って感じかな。やっぱり合わなかったら変更してもいいし。5年あれば自分がしたい事が見つけられるだろうしね」
ハジメは一人で呟いて頷く。
「父上・・・独り言怖いですよ」
世界樹のオーダがぼそっと呟く。
「あぁ、ごめんね。自分の考えを纏めるときの癖なんだよ。もうしばらく呟くから、気にしないでくれると有難いかな」
オーダに苦笑いで伝える。このことを知っている妖精たちは既に遊びに行っている。
「そうなんだね。じゃぁ僕も妖精たちと遊んできますね。土妖精の白は狩りしてるだろうし、ゼニーは港で浮いてるでしょうし。たっつんはこの家の屋根にただ浮かんでるだけだろうから、紅と一緒に空を飛んでみようかな。じゃぁ父上、行ってきます」
オーダはそう言って家を出て行った。ハジメはいってらっしゃいと見送ってから再び『学校』について考えを纏め始める。
「じゃぁ次は学科。初等教育は算数と掃除、国語、社会ってところで、算数はスムスとコンにお願い出来るし、掃除はドリーさんにお願いして、国語はウィリアムさんで、社会はパトリシアさんてとこかな・・・あぁ、この島を出た時用に礼儀作法も必要か、男子はウィリアムさんで女子はパトリシアさんが適当だよなぁ。二人の負担増えちゃって申し訳ないけど・・・」
ハジメはそう呟いて手元の紙に今仮決定したことを箇条書きで書いていった。
「11歳からの専門的な訓練は教えられる人を考えると『冒険者』『鍛冶』『調剤』『農業』『裁縫』『商人』『料理』ってところかな。じゃぁ必要な設備は・・・・」
そう言ってさらに箇条書きで記していった。
『初等教育
担当教師: 算 数 セツ・スムス(補助)
国 語 ウィリアム・スムス(補助)
社 会 パトリシア・スムス(補助)
掃 除 ドリー
礼儀作法 ウィリアム・パトリシア
必要施設: 教室5つ
冒険者コース
担当教師: アセナ・ミミ・バニー
必要施設:運動場・体育館・教室3つ
鍛冶師コース
担当教師:カカ
必要施設:鍛冶場(既に作業場所があるため不要)
調剤師コース
担当教師:ハジメ
必要施設:調剤室
農業人コース
担当教師:手の空いている人(ドナ・ジェイ・ケイト)
必要施設:教室1つ
裁縫師コース
担当教師:エイミー
必要施設:裁縫室(住宅の最奥にスペースがあるからそこに建てる)
商人コース
担当教師:キツネ族
必要施設:教室4つ
料理人コース
担当教師:ハロルド・アイリス・アイザック・セロ
必要施設:調理室4つ 食堂1つ 』
となった。そして色々考えた挙句、1Fに調理室と食堂を作り、学校に所属している者はここで料理人コースの学生が作ったものを給食として食べれるようにした。2Fは全ての教室が入り、3Fは調剤室にした。調剤中はやはり独特の臭いがするためである。
『よし、大体決まった』そう思ってハジメが窓の外を見ると既に夕暮れが近い時間になっていた。慌てて裏庭に出るとその窯に木を詰めて灯火で火をつける。もくもくと昇っていく煙に誘われたのか、たっつんがふよふよと屋根から降りてハジメの髪の毛に尻尾を絡ませ止まり、紅とオーダも帰ってくる。それに遅れてゼニーもハジメの所へ戻ってきた。白は土で作った槍に20匹くらいの魔物を刺して天高く掲げて戻ってきた。そのため土槍を伝って流れた血が白虎を赤と白の斑模様に変えていたのを見たハジメは若干引いたが、ゼニーによって綺麗に洗われ脱水されて元のもこもこに戻った時は安心した。ハジメは彼の獲物をしっかりとマジックバッグに仕舞った。
窯が熱くなったので、炭を脇に避け、カルツォーネから焼いて行く。数分で香ばしさが周囲に溢れてくると4人の妖精とオーダが爛々と輝かせた瞳でハジメを見てくるため、
「味見ね」
とハジメは笑顔で言い、1つを6等分にした。紅は問題なく食べれたが、ゼニーと白とオーダは冷めるのを少し待って食べていた。たっつんは出来立てを口で一気に吸いこみ、あまりの熱さに目を白黒させていた。
それを笑顔で見ながらパイ包み、ミートローフ、焼きプリンを作ってはアイテムボックスに仕舞った。因みに妖精たちとオーダは全種類を1つずつ味見をし、目を輝かせていた。
「父上、これおいしいです。また食べたい」
オーダは空になったパイ包みのカップを眺めながら興奮気味にハジメに詰め寄ってくるほどだった。口元に付いたホワイトソースがなんとも言えず可愛かった。
ピザ窯の中はほぼ火は消えていたがかなり熱い。ハジメは大きな炭壺に灰や炭を掻き入れ、空っぽになった窯の中に水生成、思考読み取りで水球状態を維持しつつ入れ、熱湯になったら水球を作り変えるという作業を10数回繰り返し1時間ほどで窯の温度は下がった。それを確認して家に戻ると玄関からハジメを呼ぶ声がした。
玄関の扉を開けるとそこにはスクナヒコが最前で、その後ろでワーデンとスクラドが土下座をしていた。それを見てハジメは絶句してしまった。
「やっぱり土下座はやり過ぎだって言ったのに・・・」
スクナヒコが土下座している2人組の後ろに立っていたシャプシェとアーシラトを見た。
「いえ、アマテラス様から始さんの住んでたところでの最上のお詫びの姿と聞きましたので」
とアーシラトはきっぱりと言い放った。
「ですから、土下座の意味は・・・・」
「えぇ。それも教えていただきましたので、こうするのが妥当だと私は判断しました」
『おぉ。知ったうえでの謝罪なのか』とハジメがさらに困っていると、
「でも、私たち側の気持ちはそれで晴れるでしょうけど、ハジメ君の性格を考えたら困ると思いますよ。現に困っているでしょう?」
スクナヒコはめげずに言った。『ナイスです、スクナヒコ様』とハジメは思った。
「このくらいにしておきましょう、アーシラト様。それにこのままでは話も進みませんし」
太陽神のシャプシェがアーシラトを宥めながらハジメにウインクをしてきた。
「え、えぇ、人の身であり、恐れ多いですが、謝罪は受け入れました。折角いらっしゃったのですから、どうぞこちらへ。食事の準備も出来ていますので」
とハジメが告げると、
「まぁ、ハジメさんは本当にお優しいですわ。2人ともハジメさんに感謝なさい」
と彼女が告げると土下座2人組は立ち上がった。それを見てハジメは食堂へ案内しようとすると、オーダが、
「あれ?もう一人謝罪しないといけない人がいるんじゃないんですか?」
と言う。
「えぇ。本来ならそうなんですが、少し事情がありまして・・・。そのことも含めて説明させて頂けたらと」
土下座から復帰したワーデンが言った。そうして神々はハジメの家の食堂へと歩みを進めたのだった。そしてハジメが食堂の扉を開くと、そこには水の神ナハルと豊穣の神アシュタロテ、工芸神ハシスが既に座っていた。
「やっほー、ハジメー。きちゃったー」
ハジメの姿を見つけたナハルが手を振りながら言う。
「何故にナハル様たちが?」
困惑気味ハジメが言うと、
「実はの、あまり時間がないんじゃよ。ほれハジメ、手を貸せ」
と言うとハジメの腕を握り外へと連れ出そうとする。困惑してアーシラトを見ると、
「ハジメさん、事は急ぎます。申し訳ありませんが、一緒に世界樹の元へ」
と焦ったように言った。その場にいた全員で世界樹の木の下に来るとその根元には黒く鈍い光を放つ玉を抱きしめ倒れている精霊王ユドルが居たのだった。
「まず考えるのは『対象者』『学科』『施設』だよなぁ。確かウィリアムとパトリシアと一緒に来た子供で一番若い子が5歳で、最年長が12歳だったはずだから・・・。うーん。前の世界の小学校入学と同じ、6歳入学にしてっと。そこで初等教育を始めて、10歳から1年で全部の仕事を一通り体験してもらうことにしよう。そして11歳から15歳までは専門的な訓練って感じかな。やっぱり合わなかったら変更してもいいし。5年あれば自分がしたい事が見つけられるだろうしね」
ハジメは一人で呟いて頷く。
「父上・・・独り言怖いですよ」
世界樹のオーダがぼそっと呟く。
「あぁ、ごめんね。自分の考えを纏めるときの癖なんだよ。もうしばらく呟くから、気にしないでくれると有難いかな」
オーダに苦笑いで伝える。このことを知っている妖精たちは既に遊びに行っている。
「そうなんだね。じゃぁ僕も妖精たちと遊んできますね。土妖精の白は狩りしてるだろうし、ゼニーは港で浮いてるでしょうし。たっつんはこの家の屋根にただ浮かんでるだけだろうから、紅と一緒に空を飛んでみようかな。じゃぁ父上、行ってきます」
オーダはそう言って家を出て行った。ハジメはいってらっしゃいと見送ってから再び『学校』について考えを纏め始める。
「じゃぁ次は学科。初等教育は算数と掃除、国語、社会ってところで、算数はスムスとコンにお願い出来るし、掃除はドリーさんにお願いして、国語はウィリアムさんで、社会はパトリシアさんてとこかな・・・あぁ、この島を出た時用に礼儀作法も必要か、男子はウィリアムさんで女子はパトリシアさんが適当だよなぁ。二人の負担増えちゃって申し訳ないけど・・・」
ハジメはそう呟いて手元の紙に今仮決定したことを箇条書きで書いていった。
「11歳からの専門的な訓練は教えられる人を考えると『冒険者』『鍛冶』『調剤』『農業』『裁縫』『商人』『料理』ってところかな。じゃぁ必要な設備は・・・・」
そう言ってさらに箇条書きで記していった。
『初等教育
担当教師: 算 数 セツ・スムス(補助)
国 語 ウィリアム・スムス(補助)
社 会 パトリシア・スムス(補助)
掃 除 ドリー
礼儀作法 ウィリアム・パトリシア
必要施設: 教室5つ
冒険者コース
担当教師: アセナ・ミミ・バニー
必要施設:運動場・体育館・教室3つ
鍛冶師コース
担当教師:カカ
必要施設:鍛冶場(既に作業場所があるため不要)
調剤師コース
担当教師:ハジメ
必要施設:調剤室
農業人コース
担当教師:手の空いている人(ドナ・ジェイ・ケイト)
必要施設:教室1つ
裁縫師コース
担当教師:エイミー
必要施設:裁縫室(住宅の最奥にスペースがあるからそこに建てる)
商人コース
担当教師:キツネ族
必要施設:教室4つ
料理人コース
担当教師:ハロルド・アイリス・アイザック・セロ
必要施設:調理室4つ 食堂1つ 』
となった。そして色々考えた挙句、1Fに調理室と食堂を作り、学校に所属している者はここで料理人コースの学生が作ったものを給食として食べれるようにした。2Fは全ての教室が入り、3Fは調剤室にした。調剤中はやはり独特の臭いがするためである。
『よし、大体決まった』そう思ってハジメが窓の外を見ると既に夕暮れが近い時間になっていた。慌てて裏庭に出るとその窯に木を詰めて灯火で火をつける。もくもくと昇っていく煙に誘われたのか、たっつんがふよふよと屋根から降りてハジメの髪の毛に尻尾を絡ませ止まり、紅とオーダも帰ってくる。それに遅れてゼニーもハジメの所へ戻ってきた。白は土で作った槍に20匹くらいの魔物を刺して天高く掲げて戻ってきた。そのため土槍を伝って流れた血が白虎を赤と白の斑模様に変えていたのを見たハジメは若干引いたが、ゼニーによって綺麗に洗われ脱水されて元のもこもこに戻った時は安心した。ハジメは彼の獲物をしっかりとマジックバッグに仕舞った。
窯が熱くなったので、炭を脇に避け、カルツォーネから焼いて行く。数分で香ばしさが周囲に溢れてくると4人の妖精とオーダが爛々と輝かせた瞳でハジメを見てくるため、
「味見ね」
とハジメは笑顔で言い、1つを6等分にした。紅は問題なく食べれたが、ゼニーと白とオーダは冷めるのを少し待って食べていた。たっつんは出来立てを口で一気に吸いこみ、あまりの熱さに目を白黒させていた。
それを笑顔で見ながらパイ包み、ミートローフ、焼きプリンを作ってはアイテムボックスに仕舞った。因みに妖精たちとオーダは全種類を1つずつ味見をし、目を輝かせていた。
「父上、これおいしいです。また食べたい」
オーダは空になったパイ包みのカップを眺めながら興奮気味にハジメに詰め寄ってくるほどだった。口元に付いたホワイトソースがなんとも言えず可愛かった。
ピザ窯の中はほぼ火は消えていたがかなり熱い。ハジメは大きな炭壺に灰や炭を掻き入れ、空っぽになった窯の中に水生成、思考読み取りで水球状態を維持しつつ入れ、熱湯になったら水球を作り変えるという作業を10数回繰り返し1時間ほどで窯の温度は下がった。それを確認して家に戻ると玄関からハジメを呼ぶ声がした。
玄関の扉を開けるとそこにはスクナヒコが最前で、その後ろでワーデンとスクラドが土下座をしていた。それを見てハジメは絶句してしまった。
「やっぱり土下座はやり過ぎだって言ったのに・・・」
スクナヒコが土下座している2人組の後ろに立っていたシャプシェとアーシラトを見た。
「いえ、アマテラス様から始さんの住んでたところでの最上のお詫びの姿と聞きましたので」
とアーシラトはきっぱりと言い放った。
「ですから、土下座の意味は・・・・」
「えぇ。それも教えていただきましたので、こうするのが妥当だと私は判断しました」
『おぉ。知ったうえでの謝罪なのか』とハジメがさらに困っていると、
「でも、私たち側の気持ちはそれで晴れるでしょうけど、ハジメ君の性格を考えたら困ると思いますよ。現に困っているでしょう?」
スクナヒコはめげずに言った。『ナイスです、スクナヒコ様』とハジメは思った。
「このくらいにしておきましょう、アーシラト様。それにこのままでは話も進みませんし」
太陽神のシャプシェがアーシラトを宥めながらハジメにウインクをしてきた。
「え、えぇ、人の身であり、恐れ多いですが、謝罪は受け入れました。折角いらっしゃったのですから、どうぞこちらへ。食事の準備も出来ていますので」
とハジメが告げると、
「まぁ、ハジメさんは本当にお優しいですわ。2人ともハジメさんに感謝なさい」
と彼女が告げると土下座2人組は立ち上がった。それを見てハジメは食堂へ案内しようとすると、オーダが、
「あれ?もう一人謝罪しないといけない人がいるんじゃないんですか?」
と言う。
「えぇ。本来ならそうなんですが、少し事情がありまして・・・。そのことも含めて説明させて頂けたらと」
土下座から復帰したワーデンが言った。そうして神々はハジメの家の食堂へと歩みを進めたのだった。そしてハジメが食堂の扉を開くと、そこには水の神ナハルと豊穣の神アシュタロテ、工芸神ハシスが既に座っていた。
「やっほー、ハジメー。きちゃったー」
ハジメの姿を見つけたナハルが手を振りながら言う。
「何故にナハル様たちが?」
困惑気味ハジメが言うと、
「実はの、あまり時間がないんじゃよ。ほれハジメ、手を貸せ」
と言うとハジメの腕を握り外へと連れ出そうとする。困惑してアーシラトを見ると、
「ハジメさん、事は急ぎます。申し訳ありませんが、一緒に世界樹の元へ」
と焦ったように言った。その場にいた全員で世界樹の木の下に来るとその根元には黒く鈍い光を放つ玉を抱きしめ倒れている精霊王ユドルが居たのだった。
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