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第5章 塔
93.知ることから始めるみたいです
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まだ季節は年が移ったばかりで肌寒いというのに、ここは湿気が多く蒸し暑い。鳥の声と言うよりは猛禽類の攻撃的な鳴き声が響き、虫と言うよりは毒虫のような羽音が聞こえてくる。生い茂る木々でまだ陽は高いというのに薄暗く、臭いも毒々しいほど刺激的である。そんな森の中を黒の修道服を着た女は聖女の様な笑顔で森の道を奥へと向かって歩いていった。
そうして彼女が一人で歩き初めて10分程経った頃、彼女が歩んでいた道は袋小路へ突き当たる。道の左側には紫色した沼が禍々しくある。修道女が突き当りにある幅10cm程の木と木の間に両手を差し込み左右へ広げると不動の木は左右に分かれ、その奥にあった灰色の教会を露わにした。修道女はその道を教会へ向かって今までと同じ歩調で歩き出した。広場に続くにつれて周囲の木々は枯れ、地面に生えていた苔やシダもその色を茶色にしていった。彼女が小道を通り抜けるとそれは瞬く間に元の森へと戻った。教会の周辺は全て枯れた植物たちで覆われている。修道女は気にする様子もなく、教会の中へと入って行ったのだった。彼女を飲み込んだそれは灰色の壁に黒い屋根のその佇まいはなんとも言えず不気味な雰囲気を持っていた。
教会の中は窓がないため外光は差し込まず、仄かな光を揺蕩える蝋燭に包まれてうすぼんやりとしており、その光景は神秘的であり、背徳的であり、どことなく自虐的な雰囲気だった。入口からまっすぐ進んだところにある祭壇の前まで来ると、そこには黒いローブの人物が立っている。
「・・・・うふふ。こんにちは」
「おやおや、今日は予見者様はご機嫌のようですね」
黒いローブの人物は男のようであった。
「えぇ。有難いことに、復活の儀開催への寄付をしてくださった方がおられたのでございます、黒魔術師様」
「・・・有難いことですな。それでどうされるのですか?」
2人の声は静かに閉ざされた教会に響いている。
「・・・そうですございますわね。まずはNO.13を・・・」
「・・・ほぉ。カラスですか・・・。預言者様は慎重ですな。限られたカードをお使いになられるとは・・・・」
預言者の言葉に目を細めて黒魔術師が言った。
「・・・えぇ。私のカミの前で失態を演じる訳にはいきませんので・・・。これは必要なカードでございますわ」
そう言って、男に笑顔を向けた後、カラスの絵が描かれたカードを口元に近づけ、何事か呟くと真上に放り投げた。するとその用紙は煙のように静かに空に消えって行ったのだった。
黒魔術師と呼ばれた男はその光景を見ながら
「では、私は貴方様の公演を楽しみに待っていることにしましょう」
フードから僅かに見える口元を釣りあげて言ったのだった。
外からはカラスの鳴き声が1つ聞こえ、預言者が視線を戻すとそこにはもう誰も居らず、ただただ静寂があるだけだった。
「・・・さて、私は脚本でも考えることに致しましょう」
そう修道女の恰好をした女は呟き祭壇の前で静かに膝を折り、祈りを捧げるのだった。自分の奉仕すべき神に・・・。
~帝国との国境沿いの山あたりの上空~
飛んでいる大鷲の背に立ったまま乗っているローブの男は大きな声で笑っていた。
「くっくっくっく。本当に馬鹿な女だぜ。面倒くさいことせずとも良かろうに。自分が策略家とでも思っているのか。なんとも・・・なんとも哀れな迷える子羊ちゃん。そうだ。戦士にも教えてやろう。いい肴になるだろうしな。くっくっくっく」
心底可笑しそうに笑う男のフードが風でめくれ、そこからは狂気じみた目と暗褐色の髪が現れていた。そして大鷲はその方向を南へと変えたのだった。
~王都西の森内部~
草陰に身を隠し気配を絶つ。狩人の彼女にとってはいつも慣れている行為だった。目の前には小さな川が流れていて、森に住む動物の水飲み場となっている。彼女が風下の茂みに身を置いてから30分程すると1匹の鹿が現れた。彼女は静かに矢を番え、弓を引く。間髪入れず解き放った矢は鹿の側頭部を貫通していた。
「よしっ」
彼女は呟くと狩った獲物を背中に担いでその場を後にした。必要以上の獲物は捕らない、これが師匠の狩人の教えだった。彼女はこれから急いで村に帰って血抜きをし、皮は商人へ卸し、調味料や必要な物を買うのだ。
彼女の住む村は、若い人々は森での生活を嫌ったり、少しでも収入の多い職を求めて村から出て行った。そうなると高齢化によって村民は徐々に減り、既にそこに暮らすのは5人となっていた。
「あぁあ、私も村から出たいなぁ」
彼女は村で一番若く、洗礼式を迎えた時は既に村民は7人となっていた。彼女の次に若い人は既に60歳を超えていた。彼女の両親は既に他界しており、村民に育てられたこともあり、なかなか村を捨てる事は出来なかった。冒険者になりたいという夢が大きかった彼女は、ある日こっそりと村から出ようとした。しかしその決行日、村長が老衰のため亡くなってしまい、村を出ることを延期してしまった。以後ずるずると村に住み続け、村民は彼女を入れても5人となったのだった。この村は既に限界を迎えていた。
そしていつも通りの1日を過ごしたある夜のこと。不意に彼女の家の灯りを漏らさないように木で出来た跳ね上げ窓がカタカタと音を立てた。
「今日は動物避けを炊いたばかりなんだけど・・・」
と不思議に思いながら窓へ近づく。
この世界で城壁を持たない小さな村では2-3日毎に弱い魔物にも効果のある動物避けを炊くことで強襲されることを予防することが常識だった。定期的に炊くことで嫌な場所として認知させるのである。この動物避けが聞かない魔物に襲われたら、命は諦めるしかないのだ。
彼女が近づくと窓から1枚の紙が室内へ入ってきた。彼女は無意識にそのカードを拾った。そこには茂みに隠れ弦を引いている、緑の帽子に緑の服の男が描かれている。何を狙っているのかは描かれていはいなかったが彼女は瞬間的にそう思ったのだ。
「・・・狩人・・・?」
そしてその夜のうちにその名も知らない村の住民は命を終えたのだった。
そうして彼女が一人で歩き初めて10分程経った頃、彼女が歩んでいた道は袋小路へ突き当たる。道の左側には紫色した沼が禍々しくある。修道女が突き当りにある幅10cm程の木と木の間に両手を差し込み左右へ広げると不動の木は左右に分かれ、その奥にあった灰色の教会を露わにした。修道女はその道を教会へ向かって今までと同じ歩調で歩き出した。広場に続くにつれて周囲の木々は枯れ、地面に生えていた苔やシダもその色を茶色にしていった。彼女が小道を通り抜けるとそれは瞬く間に元の森へと戻った。教会の周辺は全て枯れた植物たちで覆われている。修道女は気にする様子もなく、教会の中へと入って行ったのだった。彼女を飲み込んだそれは灰色の壁に黒い屋根のその佇まいはなんとも言えず不気味な雰囲気を持っていた。
教会の中は窓がないため外光は差し込まず、仄かな光を揺蕩える蝋燭に包まれてうすぼんやりとしており、その光景は神秘的であり、背徳的であり、どことなく自虐的な雰囲気だった。入口からまっすぐ進んだところにある祭壇の前まで来ると、そこには黒いローブの人物が立っている。
「・・・・うふふ。こんにちは」
「おやおや、今日は予見者様はご機嫌のようですね」
黒いローブの人物は男のようであった。
「えぇ。有難いことに、復活の儀開催への寄付をしてくださった方がおられたのでございます、黒魔術師様」
「・・・有難いことですな。それでどうされるのですか?」
2人の声は静かに閉ざされた教会に響いている。
「・・・そうですございますわね。まずはNO.13を・・・」
「・・・ほぉ。カラスですか・・・。預言者様は慎重ですな。限られたカードをお使いになられるとは・・・・」
預言者の言葉に目を細めて黒魔術師が言った。
「・・・えぇ。私のカミの前で失態を演じる訳にはいきませんので・・・。これは必要なカードでございますわ」
そう言って、男に笑顔を向けた後、カラスの絵が描かれたカードを口元に近づけ、何事か呟くと真上に放り投げた。するとその用紙は煙のように静かに空に消えって行ったのだった。
黒魔術師と呼ばれた男はその光景を見ながら
「では、私は貴方様の公演を楽しみに待っていることにしましょう」
フードから僅かに見える口元を釣りあげて言ったのだった。
外からはカラスの鳴き声が1つ聞こえ、預言者が視線を戻すとそこにはもう誰も居らず、ただただ静寂があるだけだった。
「・・・さて、私は脚本でも考えることに致しましょう」
そう修道女の恰好をした女は呟き祭壇の前で静かに膝を折り、祈りを捧げるのだった。自分の奉仕すべき神に・・・。
~帝国との国境沿いの山あたりの上空~
飛んでいる大鷲の背に立ったまま乗っているローブの男は大きな声で笑っていた。
「くっくっくっく。本当に馬鹿な女だぜ。面倒くさいことせずとも良かろうに。自分が策略家とでも思っているのか。なんとも・・・なんとも哀れな迷える子羊ちゃん。そうだ。戦士にも教えてやろう。いい肴になるだろうしな。くっくっくっく」
心底可笑しそうに笑う男のフードが風でめくれ、そこからは狂気じみた目と暗褐色の髪が現れていた。そして大鷲はその方向を南へと変えたのだった。
~王都西の森内部~
草陰に身を隠し気配を絶つ。狩人の彼女にとってはいつも慣れている行為だった。目の前には小さな川が流れていて、森に住む動物の水飲み場となっている。彼女が風下の茂みに身を置いてから30分程すると1匹の鹿が現れた。彼女は静かに矢を番え、弓を引く。間髪入れず解き放った矢は鹿の側頭部を貫通していた。
「よしっ」
彼女は呟くと狩った獲物を背中に担いでその場を後にした。必要以上の獲物は捕らない、これが師匠の狩人の教えだった。彼女はこれから急いで村に帰って血抜きをし、皮は商人へ卸し、調味料や必要な物を買うのだ。
彼女の住む村は、若い人々は森での生活を嫌ったり、少しでも収入の多い職を求めて村から出て行った。そうなると高齢化によって村民は徐々に減り、既にそこに暮らすのは5人となっていた。
「あぁあ、私も村から出たいなぁ」
彼女は村で一番若く、洗礼式を迎えた時は既に村民は7人となっていた。彼女の次に若い人は既に60歳を超えていた。彼女の両親は既に他界しており、村民に育てられたこともあり、なかなか村を捨てる事は出来なかった。冒険者になりたいという夢が大きかった彼女は、ある日こっそりと村から出ようとした。しかしその決行日、村長が老衰のため亡くなってしまい、村を出ることを延期してしまった。以後ずるずると村に住み続け、村民は彼女を入れても5人となったのだった。この村は既に限界を迎えていた。
そしていつも通りの1日を過ごしたある夜のこと。不意に彼女の家の灯りを漏らさないように木で出来た跳ね上げ窓がカタカタと音を立てた。
「今日は動物避けを炊いたばかりなんだけど・・・」
と不思議に思いながら窓へ近づく。
この世界で城壁を持たない小さな村では2-3日毎に弱い魔物にも効果のある動物避けを炊くことで強襲されることを予防することが常識だった。定期的に炊くことで嫌な場所として認知させるのである。この動物避けが聞かない魔物に襲われたら、命は諦めるしかないのだ。
彼女が近づくと窓から1枚の紙が室内へ入ってきた。彼女は無意識にそのカードを拾った。そこには茂みに隠れ弦を引いている、緑の帽子に緑の服の男が描かれている。何を狙っているのかは描かれていはいなかったが彼女は瞬間的にそう思ったのだ。
「・・・狩人・・・?」
そしてその夜のうちにその名も知らない村の住民は命を終えたのだった。
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