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第4章 人材
83.領地を広げるみたいです
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ハジメはクーラの街に帰ると料理人の女性2人を女子棟で朝昼夕と食事を作って貰うようにし、男性棟では男性料理人2人が作ることになった。基本的には各性別の料理人が食事を作るが、休みの日は男性料理人が女子棟に入ることもあるがそれは仕方ないところである。
そしてエイダとベッキー、トムは馬車置場の横の休憩所でレストランを開くことになった。建築家のエルムに相談したところ、建物の構造上2階にキッチンを作ることは出来ないと言われたのだ。そこで馬車置場の横に作った御者の休憩所にレストランを作ってはどうかという事になったのだ。
大工のソラにリノベーションを依頼するとちょちょいと半日で完成してしまった。バーナードから明後日から開店できると言われた。料理人としてトムとベッキーの未来夫婦とバーナードが、エイダがウェイトレスとして働くことになった。エイダの夫バーナードは料理人が休みの時はそこの穴埋めとして棟の食事担当となっていている。
そして2週間ほど経過したころ、マーサの夫のジェフから弟のチャドから連絡があり明後日にはクーラの街へ到着できると言われた。既に男女棟、家族棟共に準備は整っている。到着後1週間はゆっくり街に慣れて貰い、その後はホウ砂の採取に向かって貰うことにした。これでようやく耐熱ガラスが作れる。美味しい紅茶の為に散在してしまったが領地が出来たことにより、ポーション類の販売数は限定しなくなった。その販売額はうなぎのぼりであり、月に白金貨5枚、5億sの売り上げがあるのだ。イブの街のポーション販売窓口であるコウの雑貨屋には売りの半額で体力ポーションは3500s、魔力ポーションは5000sで買い取って貰う形にした。販売数は固定していないが、月に白金貨1枚弱の売り上げがあるようである。ハジメは無料でいいと思ったのだが、コウの店の実績にするためにこのような方法を取ったのである。商売にとって大切なコネクションがあるということは大きなアドバンテージなのである。またコウのバックにはハジメが居るという事実を広めることによって、コウに降りかかる害悪をある程度防ぐことが出来るとハジメ専属のギルド員のスムスに教えて貰ったこともある。
今現在執事長ウィリアムとメイド長パトリシアはハジメの家の1階に住んでおり、2人の連れて来た孤児たち12人は孤児院で生活をしている。そして2人の教師たちは彼ら彼女らの希望で独身寮から孤児院で生活するようになった。裁縫師リーダーのエイミーの母親は自宅からの通いとなっている。
「ここで暮らす人が随分と増えたなぁ・・・」
とハジメが午前中に2階の客間のベランダから私有地を見ながら呟く。
「本当に、増えましたね」
と陽も同意する。そこにウィリアムが
「ハジメ様。農家のドナさんとジェイさんからこれ以上人が増えるなら農地が足りなくなるとの申し出がありました」
と告げる。当初、陽かハジメに直接言っていた要望はウィリアムが来てからは彼がまとめてくれている。領民もその方が幾分相談しやすいようである。ハジメはそれを知った時少し凹んでいたが。それにしてもウィリアムの仕事量は日に日に増える一方であるため、近々執事が2人増える予定である。これはウィリアムのコネクションのお陰である。そして最近は事務方としてキツネ族の男女各1名が配属されており、商人との交渉や書類の作成などは2人がしてくれ、ハジメの事務仕事は一番最初の商人面接だけとなっている。それも陽と舞によって情報収集が行われるため、返事をするだけとなっている。因みに航は薬草畑の管理とハジメの家の前の庭の整備をしており、季節に応じた草花や木は商談にくる商人に羨ましがられている。
「・・・そうか・・・農地は絶対に要るよなぁ。飢えさせることはできないし」
とハジメが考え込む。
「旦那様、空間魔法で広げたらいいのでは?」
と藍がさらりと言う。ハジメはぎょっとする。
「左様でございますね・・・。畑に使うというのは聞いたことがありませんが、使える魔法使いを探しましょう。少し値は張ると思いますが」
とウィリアムはさらっと言う。メジャーではないが、お金があるなら可能らしい。ハジメの領地の常識人のツートップがそういうなら問題はないだろう。
「じゃぁ皆行こうか。2家族とも今は・・・」
とハジメは常識人の執事を見ると
「今でしたら、2家族とも畑にいると思います」
と告げる。そうしてハジメと人外執事とメイド、常識人執事、事務方の男性のキツネ族の6人は公衆浴場裏のドナの畑に向かった。まるで某ご隠居一行みたいである。ハジメの姿を見たドナ一家は
「ご主人様」
と言って頭を下げる。来たばかりの頃は土下座をして頭を土に擦り付けていたのだが、ハジメはそれを嫌ったため今のような挨拶になっている。この挨拶に慣れるまでに1か月を要したのは懐かしい思い出である。
「ドナさんこんにちは。畑の件だけど、どれくらい広げたらいいかな?ご家族で世話出来る範囲を教えて貰いたいんだけど」
と言うとウィリアムが
「この広さの5倍くらいが希望のようです」
と言う。
「ご、5倍ですか??そんなに広げて大丈夫なんですか?かなり負担が増えると思うんだけど」
と驚く。この畑だけで今住んでいる80人ほどの領民は賄えるのである。単純計算すれば400人分の野菜が取れるということである。しかしドナは
「この命に変えましてもしっかり働かせていただきますので、大丈夫でございます」
と言う。ウィリアムは
「以前一家が所持していた畑と同じ大きさみたいでございますので、大丈夫かと」
と言う。
「命に代えられると困るので、やめてくださいね。体は大切ですよ」
とハジメは心配そうな顔をしてドナ一家を見る。
「・・・ご主人様・・・」
とドナが瞳に涙を浮かべている。ハジメは視線を逸らすと畑の中央に歩く。不思議そうにウィリアムとドナ一家はそれを見ている。
『我は願う、この地の広がりを。理を曲げ在ることを』
畑の大きさを5倍の大きさになるようにイメージし祝詞を神に捧げる。一瞬にしてその広さは以前の畑の5倍ほどの大きさになっていた。
「・・・ご主人様は空間魔法もお使いになられるのですか・・・。優しくもあり、魔法も使える・・・・。なんという好待遇の方にお仕えすることが出来たのだろう・・・・」
ドナ一家は更に涙ぐんでいる。ハジメの家の常識人ウィリアムは驚きつつもコメカミに指をあてて俯いている。
「・・・旦那様、領民以外の前で空間魔法は使わないようにしてくださいね。貴族様に目を付けられたら大変でございますよ・・・」
と注意してくれたのだった。ハジメは有能な執事を雇えたことを有難いと思っていた。その後ジェイ一家の畑へも行き、同じように5倍の広さに広げたら、同じような反応をされたのだった。帰りに通り掛かった畜産場ではカプリン、ブリント共に子供が生まれておりすくすくと育っていた。トニーとトビーの優秀さが伺える。カプリンはトニーが、ブリントはトビーがメインで世話をしており、毎朝大量の卵を産むコッコンは2人で世話をしている感じになっている。因みにコッコンは1日に20個の卵を産むが雛が生まれるのそのうちの2個である。
初めは10頭10羽で始めた畜産が2か月弱でその数を3倍近くまで増やしていた。割と大きめで作っていたが手狭になっていた。ハジメはついでにと言い、それぞれの飼育場を10倍にまで増やしておく。そうしてハジメたちご一行は家に帰って行くのだった。
「・・・・旦那様は規格外・・・旦那様は規格外・・・・」
ウィリアムはそう繰り返しいたが、そこはスルー力を発揮しておいた。
そしてエイダとベッキー、トムは馬車置場の横の休憩所でレストランを開くことになった。建築家のエルムに相談したところ、建物の構造上2階にキッチンを作ることは出来ないと言われたのだ。そこで馬車置場の横に作った御者の休憩所にレストランを作ってはどうかという事になったのだ。
大工のソラにリノベーションを依頼するとちょちょいと半日で完成してしまった。バーナードから明後日から開店できると言われた。料理人としてトムとベッキーの未来夫婦とバーナードが、エイダがウェイトレスとして働くことになった。エイダの夫バーナードは料理人が休みの時はそこの穴埋めとして棟の食事担当となっていている。
そして2週間ほど経過したころ、マーサの夫のジェフから弟のチャドから連絡があり明後日にはクーラの街へ到着できると言われた。既に男女棟、家族棟共に準備は整っている。到着後1週間はゆっくり街に慣れて貰い、その後はホウ砂の採取に向かって貰うことにした。これでようやく耐熱ガラスが作れる。美味しい紅茶の為に散在してしまったが領地が出来たことにより、ポーション類の販売数は限定しなくなった。その販売額はうなぎのぼりであり、月に白金貨5枚、5億sの売り上げがあるのだ。イブの街のポーション販売窓口であるコウの雑貨屋には売りの半額で体力ポーションは3500s、魔力ポーションは5000sで買い取って貰う形にした。販売数は固定していないが、月に白金貨1枚弱の売り上げがあるようである。ハジメは無料でいいと思ったのだが、コウの店の実績にするためにこのような方法を取ったのである。商売にとって大切なコネクションがあるということは大きなアドバンテージなのである。またコウのバックにはハジメが居るという事実を広めることによって、コウに降りかかる害悪をある程度防ぐことが出来るとハジメ専属のギルド員のスムスに教えて貰ったこともある。
今現在執事長ウィリアムとメイド長パトリシアはハジメの家の1階に住んでおり、2人の連れて来た孤児たち12人は孤児院で生活をしている。そして2人の教師たちは彼ら彼女らの希望で独身寮から孤児院で生活するようになった。裁縫師リーダーのエイミーの母親は自宅からの通いとなっている。
「ここで暮らす人が随分と増えたなぁ・・・」
とハジメが午前中に2階の客間のベランダから私有地を見ながら呟く。
「本当に、増えましたね」
と陽も同意する。そこにウィリアムが
「ハジメ様。農家のドナさんとジェイさんからこれ以上人が増えるなら農地が足りなくなるとの申し出がありました」
と告げる。当初、陽かハジメに直接言っていた要望はウィリアムが来てからは彼がまとめてくれている。領民もその方が幾分相談しやすいようである。ハジメはそれを知った時少し凹んでいたが。それにしてもウィリアムの仕事量は日に日に増える一方であるため、近々執事が2人増える予定である。これはウィリアムのコネクションのお陰である。そして最近は事務方としてキツネ族の男女各1名が配属されており、商人との交渉や書類の作成などは2人がしてくれ、ハジメの事務仕事は一番最初の商人面接だけとなっている。それも陽と舞によって情報収集が行われるため、返事をするだけとなっている。因みに航は薬草畑の管理とハジメの家の前の庭の整備をしており、季節に応じた草花や木は商談にくる商人に羨ましがられている。
「・・・そうか・・・農地は絶対に要るよなぁ。飢えさせることはできないし」
とハジメが考え込む。
「旦那様、空間魔法で広げたらいいのでは?」
と藍がさらりと言う。ハジメはぎょっとする。
「左様でございますね・・・。畑に使うというのは聞いたことがありませんが、使える魔法使いを探しましょう。少し値は張ると思いますが」
とウィリアムはさらっと言う。メジャーではないが、お金があるなら可能らしい。ハジメの領地の常識人のツートップがそういうなら問題はないだろう。
「じゃぁ皆行こうか。2家族とも今は・・・」
とハジメは常識人の執事を見ると
「今でしたら、2家族とも畑にいると思います」
と告げる。そうしてハジメと人外執事とメイド、常識人執事、事務方の男性のキツネ族の6人は公衆浴場裏のドナの畑に向かった。まるで某ご隠居一行みたいである。ハジメの姿を見たドナ一家は
「ご主人様」
と言って頭を下げる。来たばかりの頃は土下座をして頭を土に擦り付けていたのだが、ハジメはそれを嫌ったため今のような挨拶になっている。この挨拶に慣れるまでに1か月を要したのは懐かしい思い出である。
「ドナさんこんにちは。畑の件だけど、どれくらい広げたらいいかな?ご家族で世話出来る範囲を教えて貰いたいんだけど」
と言うとウィリアムが
「この広さの5倍くらいが希望のようです」
と言う。
「ご、5倍ですか??そんなに広げて大丈夫なんですか?かなり負担が増えると思うんだけど」
と驚く。この畑だけで今住んでいる80人ほどの領民は賄えるのである。単純計算すれば400人分の野菜が取れるということである。しかしドナは
「この命に変えましてもしっかり働かせていただきますので、大丈夫でございます」
と言う。ウィリアムは
「以前一家が所持していた畑と同じ大きさみたいでございますので、大丈夫かと」
と言う。
「命に代えられると困るので、やめてくださいね。体は大切ですよ」
とハジメは心配そうな顔をしてドナ一家を見る。
「・・・ご主人様・・・」
とドナが瞳に涙を浮かべている。ハジメは視線を逸らすと畑の中央に歩く。不思議そうにウィリアムとドナ一家はそれを見ている。
『我は願う、この地の広がりを。理を曲げ在ることを』
畑の大きさを5倍の大きさになるようにイメージし祝詞を神に捧げる。一瞬にしてその広さは以前の畑の5倍ほどの大きさになっていた。
「・・・ご主人様は空間魔法もお使いになられるのですか・・・。優しくもあり、魔法も使える・・・・。なんという好待遇の方にお仕えすることが出来たのだろう・・・・」
ドナ一家は更に涙ぐんでいる。ハジメの家の常識人ウィリアムは驚きつつもコメカミに指をあてて俯いている。
「・・・旦那様、領民以外の前で空間魔法は使わないようにしてくださいね。貴族様に目を付けられたら大変でございますよ・・・」
と注意してくれたのだった。ハジメは有能な執事を雇えたことを有難いと思っていた。その後ジェイ一家の畑へも行き、同じように5倍の広さに広げたら、同じような反応をされたのだった。帰りに通り掛かった畜産場ではカプリン、ブリント共に子供が生まれておりすくすくと育っていた。トニーとトビーの優秀さが伺える。カプリンはトニーが、ブリントはトビーがメインで世話をしており、毎朝大量の卵を産むコッコンは2人で世話をしている感じになっている。因みにコッコンは1日に20個の卵を産むが雛が生まれるのそのうちの2個である。
初めは10頭10羽で始めた畜産が2か月弱でその数を3倍近くまで増やしていた。割と大きめで作っていたが手狭になっていた。ハジメはついでにと言い、それぞれの飼育場を10倍にまで増やしておく。そうしてハジメたちご一行は家に帰って行くのだった。
「・・・・旦那様は規格外・・・旦那様は規格外・・・・」
ウィリアムはそう繰り返しいたが、そこはスルー力を発揮しておいた。
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