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狂犬Subは根こそぎ貪る

●命令を強要するSub

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 唇を貪りながら守流を壁に追い詰め、震える脚の間に膝を割り入れて弱い所を刺激してやる。

「……ン……ッ……んん、ぅ……っ……」

 もどかしそうな声を上げながら守流が腰を揺らす。淫らなことなど知らぬ聖女みたいな清純さを漂わせているクセに、一度俺を知ってからは快楽に貪欲だ。もう雄の証が硬くなっている。

 素直に俺からの刺激を受け取る姿が、なんとも哀れで可愛らしい。
 思わずフッと笑いを零してから、俺は守流に耳打ちした。

「俺にどうして欲しい? 命令しろ、守流」

「えっ……ぁ……」

「ずっとここで待っていたんだ……本能が飢えている。だから……」

 こうして契約のことを匂わせながら、耳を吐息で刺激してやれば守流は抗えなくなる。

 羞恥に頬を染めて目を潤ませ、守流は消え入りそうな声で俺に命じる。

「アグ……あの、手で……触って……ここ、を……」

 そっと俺の手を取って守流が自分の雄へと導く。

 ……まだ支配が足らないが、今はそんなものだ。
 これからしっかりと仕込んでやる。Subに逆らえない、淫らで哀れなDomに。

「分かった。命令なら聞いてやる……あとで褒美、忘れるなよ?」

 望まれるままに俺は守流の雄を服の上から触ってやる。
 ビクッと守流が跳ねる。より一層息が乱れ、俺がくれてやる刺激に呑まれていく。

 もっと夢中にさせてやりたくて下穿きの中へ手を入れ、直接握って扱いてやれば、守流は小さく唸りながら首を振り乱す。

「……ッ……ぁ……い、イ……よぉ……あぁ……ン……っ……」

 否定の言葉を口にしかけて、守流が咄嗟に漏らす言葉を変える。

 上手く修正できていると守流は思っているかもしれないが、Domの否定の気配にSubは敏感だ。一瞬、俺の頭に鋭い痛みが走る。

 しかし、すぐに消える痛みだ。守流の咄嗟の言い換えでも、心底望んでいない言葉なら肯定でも効果はない。

 だが今は胸が心地いい。言葉通り悦んでいる証だ。

 俺は口元を笑いで歪めながら守流を扱き、口付けで思考も堪え性も奪っていく。

 限界を迎えた時にはもう守流は弾けるのを我慢できなかった。

「んンン――……ッッ! ……ン……ぅ……」

 下履きの中に粘った熱が広がる。
 肩で何度も息して、少し呼吸が落ち着いてから守流は「うう……」と嘆きに呻いた。

「ご、ごめんなさい、アグ……我慢できなくて……手、汚しちゃった……」

 ここであれこれされるのは好かないハズなのに、守流は俺に出させられて怒るどころか謝る。その感覚が本気で分からない。

 汚すなんて、と仕置きしてもいいくらいだが……。
 いつまで経っても俺に甘すぎる言動をやめない守流へ、俺は小さく笑いながら口付けてやった。
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