清純Domの献身~純潔は狂犬Subに貪られて~

天岸 あおい

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狂犬Subは根こそぎ貪る

●待てなくて

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   ◆ ◆ ◆

 日が沈む頃になり、俺は玄関に座って扉が開くのを待つ。

 耳を澄ませば早足でこっちへ向かっている音が聞こえる。

 重さが足らない軽い音。
 俺に早く会いたい一心なのか、少し息を切らせている。

 近づくにつれて俺の胸奥が高揚してくる。

 早く来い。お前を喰わせろ、守流。
 がっつきたい衝動に思わず口元が緩む。

 そんな自分に気づいて俺は慌てて首を横に振る。

 確かに俺は守流と契約したが、飼い犬になったワケじゃねえ。
 なのに帰宅したら尻尾振って喜ぶって……。

 Subの本能が恨めしくて仕方がない。主人になったDomがすべてだなんて生き方、絶対にやりたくないのに反射で喜んでしまう。

 嬉しさと苛立ち。相反する感情に俺は指をまばらに動かし、歯ぎしりし、守流が間もなく開けるドアを睨みつける。

 俺ばっかりが落ち着かない。腹が立つ。守流も俺と同じようになればいいのに――。

「ただいま、アグ。一人にしてごめんなさ――」

 扉が開いて守流が入ってきた瞬間、俺は立ち上がって小走りに駆け出す。

 そして今までいなかった分を補充するかのように、守流の唇を喰らう。

「んン……っ……」

 苦しげに呻きながらも、俺に応えようと守流が抱き締めてくる。
 小柄な体だ。俺の背中に腕を回そうとするが、すべてを巻くことができない。

 俺と比べれば大人と子供の差はあるだろうと思ってしまう。力はなく、顔も童顔で、喘ぎ声も高めであどけなさすらある。

 俺がその気になれば、一瞬で始末することもできる。そんな儚い存在だ。
 だが無知ながらDomという資質を持つ男。それだけで俺にとっては利用価値がある男だ。

 腕を回して守流を閉じ込めると、俺は舌を絡ませながら腰を撫でてやる。
 たったそれだけでもピクンッとと守流の体が跳ね、全身で俺を感じてくれる。

 小動物のような可愛さは、俺の心をとことん煽ってくる。
 このまま夢中で貪ることができたら――なんて、俺ばっかり求めているような気がして面白くない。

 守流も俺を求めろ。俺が欲しくて欲しくてたまらない体になってしまえ。

 モゾモゾと下穿きの中へと手を挿し入れ、直に腰を撫で回してやる。
 愉快なほどに守流の体は頻繁に跳ねて、俺に早く食べてとアピールしてくる。

 もっと煽ってやろうと指先を双丘の割れ目へ挟み、孔をつついでやれば守流から力が抜けて、俺の成すがままになっていく。

 挿入したいところだが、順序にこだわる守流の意思を守らなければいけない。

 お前も俺と一緒に悶々としてしまえ。
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