30 / 40
狂犬Subは根こそぎ貪る
●待てなくて
しおりを挟む
◆ ◆ ◆
日が沈む頃になり、俺は玄関に座って扉が開くのを待つ。
耳を澄ませば早足でこっちへ向かっている音が聞こえる。
重さが足らない軽い音。
俺に早く会いたい一心なのか、少し息を切らせている。
近づくにつれて俺の胸奥が高揚してくる。
早く来い。お前を喰わせろ、守流。
がっつきたい衝動に思わず口元が緩む。
そんな自分に気づいて俺は慌てて首を横に振る。
確かに俺は守流と契約したが、飼い犬になったワケじゃねえ。
なのに帰宅したら尻尾振って喜ぶって……。
Subの本能が恨めしくて仕方がない。主人になったDomがすべてだなんて生き方、絶対にやりたくないのに反射で喜んでしまう。
嬉しさと苛立ち。相反する感情に俺は指をまばらに動かし、歯ぎしりし、守流が間もなく開けるドアを睨みつける。
俺ばっかりが落ち着かない。腹が立つ。守流も俺と同じようになればいいのに――。
「ただいま、アグ。一人にしてごめんなさ――」
扉が開いて守流が入ってきた瞬間、俺は立ち上がって小走りに駆け出す。
そして今までいなかった分を補充するかのように、守流の唇を喰らう。
「んン……っ……」
苦しげに呻きながらも、俺に応えようと守流が抱き締めてくる。
小柄な体だ。俺の背中に腕を回そうとするが、すべてを巻くことができない。
俺と比べれば大人と子供の差はあるだろうと思ってしまう。力はなく、顔も童顔で、喘ぎ声も高めであどけなさすらある。
俺がその気になれば、一瞬で始末することもできる。そんな儚い存在だ。
だが無知ながらDomという資質を持つ男。それだけで俺にとっては利用価値がある男だ。
腕を回して守流を閉じ込めると、俺は舌を絡ませながら腰を撫でてやる。
たったそれだけでもピクンッとと守流の体が跳ね、全身で俺を感じてくれる。
小動物のような可愛さは、俺の心をとことん煽ってくる。
このまま夢中で貪ることができたら――なんて、俺ばっかり求めているような気がして面白くない。
守流も俺を求めろ。俺が欲しくて欲しくてたまらない体になってしまえ。
モゾモゾと下穿きの中へと手を挿し入れ、直に腰を撫で回してやる。
愉快なほどに守流の体は頻繁に跳ねて、俺に早く食べてとアピールしてくる。
もっと煽ってやろうと指先を双丘の割れ目へ挟み、孔をつついでやれば守流から力が抜けて、俺の成すがままになっていく。
挿入したいところだが、順序にこだわる守流の意思を守らなければいけない。
お前も俺と一緒に悶々としてしまえ。
日が沈む頃になり、俺は玄関に座って扉が開くのを待つ。
耳を澄ませば早足でこっちへ向かっている音が聞こえる。
重さが足らない軽い音。
俺に早く会いたい一心なのか、少し息を切らせている。
近づくにつれて俺の胸奥が高揚してくる。
早く来い。お前を喰わせろ、守流。
がっつきたい衝動に思わず口元が緩む。
そんな自分に気づいて俺は慌てて首を横に振る。
確かに俺は守流と契約したが、飼い犬になったワケじゃねえ。
なのに帰宅したら尻尾振って喜ぶって……。
Subの本能が恨めしくて仕方がない。主人になったDomがすべてだなんて生き方、絶対にやりたくないのに反射で喜んでしまう。
嬉しさと苛立ち。相反する感情に俺は指をまばらに動かし、歯ぎしりし、守流が間もなく開けるドアを睨みつける。
俺ばっかりが落ち着かない。腹が立つ。守流も俺と同じようになればいいのに――。
「ただいま、アグ。一人にしてごめんなさ――」
扉が開いて守流が入ってきた瞬間、俺は立ち上がって小走りに駆け出す。
そして今までいなかった分を補充するかのように、守流の唇を喰らう。
「んン……っ……」
苦しげに呻きながらも、俺に応えようと守流が抱き締めてくる。
小柄な体だ。俺の背中に腕を回そうとするが、すべてを巻くことができない。
俺と比べれば大人と子供の差はあるだろうと思ってしまう。力はなく、顔も童顔で、喘ぎ声も高めであどけなさすらある。
俺がその気になれば、一瞬で始末することもできる。そんな儚い存在だ。
だが無知ながらDomという資質を持つ男。それだけで俺にとっては利用価値がある男だ。
腕を回して守流を閉じ込めると、俺は舌を絡ませながら腰を撫でてやる。
たったそれだけでもピクンッとと守流の体が跳ね、全身で俺を感じてくれる。
小動物のような可愛さは、俺の心をとことん煽ってくる。
このまま夢中で貪ることができたら――なんて、俺ばっかり求めているような気がして面白くない。
守流も俺を求めろ。俺が欲しくて欲しくてたまらない体になってしまえ。
モゾモゾと下穿きの中へと手を挿し入れ、直に腰を撫で回してやる。
愉快なほどに守流の体は頻繁に跳ねて、俺に早く食べてとアピールしてくる。
もっと煽ってやろうと指先を双丘の割れ目へ挟み、孔をつついでやれば守流から力が抜けて、俺の成すがままになっていく。
挿入したいところだが、順序にこだわる守流の意思を守らなければいけない。
お前も俺と一緒に悶々としてしまえ。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
偏食の吸血鬼は人狼の血を好む
琥狗ハヤテ
BL
人類が未曽有の大災害により絶滅に瀕したとき救済の手を差し伸べたのは、不老不死として人間の文明の影で生きていた吸血鬼の一族だった。その現筆頭である吸血鬼の真祖・レオニス。彼は生き残った人類と協力し、長い時間をかけて文明の再建を果たした。
そして新たな世界を築き上げた頃、レオニスにはひとつ大きな悩みが生まれていた。
それは――吸血鬼であるのに、人の血にアレルギー反応を引き起こすということ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる