清純Domの献身~純潔は狂犬Subに貪られて~

天岸 あおい

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清純Domはすべてを捧げる

●不思議な感覚2

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 ふと視界に入るアグの顔は、大人なのに子供が無邪気にはしゃぐような、幸せを疑わない顔をしている。
 この二人しかいない中で、幸せをどこまでも噛み締め、飽きることなく僕を喰らっている。

 きっとアグにここまで幸せを与えられるのは僕しかいない。

 その手応えと確信が、僕を絶頂の先へ行けと背中を押した。

「――……ッッ……アァ……ッ……!」

 体の奥が弾けて、僕が真っ白な膜になる。
 自分の体から半分離れたような感覚。もしかして魂が抜けてるのかも、と思ったけれど怖くはなかった。

 この膜でアグを包んであげたいと望んだ瞬間、ふわりと包めたような手応えを感じる。

 アグが悦んでる。心から僕を望んで、全身で感じて、欲しくてたまらない衝動のまま腰を振っている。

 でもアグの体の奥のほうが――心のざらつきを感じる。
 
 もっと癒してあげたい。
 喜んでいるはずなのに、アグが本当に満たされていないのが分かってしまう。

 どれだけ僕の体をあげれば癒えてくれるんだろう?

 ずっと体を貪られて絶頂が止まらなくて、苦しさすら覚えているのに、まだ足らないと感じてしまう。

 僕がもっと気持ち良くなれば、アグも気持ち良くなる?
 深く溺れてもがき続ける僕を見せれば、アグは喜んでくれる?

 半分の意識がフワフワとしている中、アグが僕を一層深く貫く。

 アレが始まる。
 気づいた瞬間、力が抜け切っていたはずなのに僕の体は弾かれたように動き、強くアグの背にしがみついていた。

 その直後だった。アグが熱を放つ。

 一瞬で終わらない熱情の吐露。ただでさえ大きくて僕の中を詰めているのに、さらに詰められて胸が内側から詰まっていく。

「ぁ……ァ、ぁぁ……ぁ……」

 顎を上げ、小さく短い声で喘ぎながら僕はアグの精を味わう。
 かろうじて鼻先だけでできる息。それすらアグは腰を揺らして奪ってくる。

 息が奪われて気が遠のきそうになる。

 でも、意識が途切れそうで途切れない。
 アグも僕を抱き締めて、勝手に行くなと請われているような気がした。



 何かを取られている訳じゃないのに、アグに奪われていくのが分かる。

 見えない何かをアグに与えているんだと思う。
 いったい僕は何を与えているんだろう。この体以外に、何を――。
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