上 下
14 / 40
清純Domはすべてを捧げる

●否定を飲み込んで2

しおりを挟む
 心から不快がっているのが伝わってきて、僕の胸が痛む。
 恥ずかしくても、怖くても、本当に嫌なこと以外は『ダメ』って言っちゃいけないんだ。

 今は絶対にアグに苦しんで欲しくない。
 だから今までの僕なら絶対に言えないことを、羞恥で目を潤ませながらでも口にできた。

「ごめん、アグ……続けて。いい子だから……」

 催促しながら頭を撫でてあげると、アグの顔からフッと力が抜ける。
 すぐに悦びの笑みを浮かべ、僕の後孔をベタベタに舐め、尻肉やまた勃ち始めた陰茎をからかうように食む。

 何度も「ヤダ」と言いそうになり、僕は必死に声を飲み込む。
 でも声を出さないと苦しくて、体の芯が疼いてたまらなくて、湧き上がるままの快感を素直に零す。

「ぁ……い、いよ……アグ……ん……っ……ぅ……」

 自分でも信じられないほどの甘い声。
 不意にアグの粘ついた唾液でぬかるんだ双丘へ、太くて硬い指が埋まった瞬間、「あぁ、ン」と淫らに叫んでしまった。

 グニグニと入り口を解しながら、奥のほうまでアグの指が沈んでいく。

 息が思うようにできない。苦しい。でも、アグが望んでいるのは――。
 僕は浅い息を繰り返しながら、両腕を広げてアグへ告げる。

「アグ……キス、して……ぁ……おね、がい……」

「命令するなら、褒美は上乗せでもらうからな」

 笑いながらアグは指はそのままに、僕の願い通りにキスをしてくれる。

 グヂュ、グヂュ。口と後孔の交わりの音が重なって聞こえる。
 苦しさよりもアグにご褒美をあげられている喜びが勝り、慣れない異物感も息のし辛さも快感に変わっていく。

 もっと喜んでもらいたくて、浴場からずっと昂り続けているアグのものに触れ、優しく握って扱いていくと、

「もう褒美をもらっていいのか、守流?」

 熱い声でアグに尋ねられ、僕は一瞬固まる。

 この大きなものを体の中に……。
 怖い。でも、アグが求めているのは――。

 僕の思考が巡る。声を出すよりも先に、体は頷いていた。

「いいよ……きて、アグ……ご褒美……あっ――」

 許しを得たアグに遠慮なんてなかった。

 僕の脚を高く持ち上げ、赤黒く脈打つ昂りを僕の中へと突き立てた。

「あぁァ……ッッ……っ……ぁ……ん、くぅ……」

 熱の塊が僕の中を焼いていく。
 押し出すように肉壁が脈打つのが分かる。でもアグの唾液は粘りが強すぎて、昂りを奥へ滑り込むのを手伝ってしまう。

 埋まるほどに息ができなくなり、僕という人間が体から追い出されていくような気になる。
 でもそれは、僕の体をアグに与えられているということ。

 苦しくて仕方ないのに、僕は歓喜に喘いでいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

おだやかDomは一途なSubの腕の中

phyr
BL
リユネルヴェニア王国北の砦で働く魔術師レーネは、ぽやぽやした性格で魔術以外は今ひとつ頼りない。世話をするよりもされるほうが得意なのだが、ある日所属する小隊に新人が配属され、そのうち一人を受け持つことになった。 担当することになった新人騎士ティノールトは、書類上のダイナミクスはNormalだがどうやらSubらしい。Domに頼れず倒れかけたティノールトのためのPlay をきっかけに、レーネも徐々にDomとしての性質を目覚めさせ、二人は惹かれ合っていく。 しかしティノールトの異動によって離れ離れになってしまい、またぼんやりと日々を過ごしていたレーネのもとに、一通の書類が届く。 『貴殿を、西方将軍補佐官に任命する』 ------------------------ ※10/5-10/27, 11/1-11/23の間、毎日更新です。 ※この作品はDom/Subユニバースの設定に基づいて創作しています。一部独自の解釈、設定があります。 表紙は祭崎飯代様に描いていただきました。ありがとうございました。 第11回BL小説大賞にエントリーしております。

待てって言われたから…

ふみ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

処理中です...