上 下
13 / 40
清純Domはすべてを捧げる

●否定を飲み込んで1

しおりを挟む



 フラフラになりながら浴室を出て体を拭いていると、

「わぁ……っ!」

 突然アグに持ち上げられて、そのまま二階の僕の部屋へ運ばれてしまう。
 ばふっ、とベッドの上に乱雑に僕を寝かせ、すかさずアグは体を被せてくる。

「ぁ……ぅぅ……」

 風呂場でされたことの余韻をまだ引きずっていて、影が重なるだけで肌が甘く疼く。

 でも息を荒くしながら僕を見下ろしてくるアグの目がギラついていて、今にも喉元に噛み付いて食い千切りたそうな獣に見えて、思わず身を縮めてしまう。

 怯えてしまう僕を眺め、アグが不敵に笑う。

「Subを支配できるDomが、俺を怖がるのか……クク、いい光景だ」

 顔を近づけながら、ベロリと僕の首筋を舐める。
 何度も何度も同じ所を舌でなぞり、その度にビクッと肩を跳ねさせる僕を笑う。

 時折甘くかじられ「アッ……」と声を漏らせば、アグの顔が愉悦に緩んだ。

 アグが喜んでる。
 顔だけじゃなく、全身から歓喜の気配が漂っているのが分かって、僕の頭が浮かれていく。

 むしろ目のギラつきは強くなっていて、何をされるのか怖くて仕方ないという気持ちはあるのに。
 これからもっとアグを喜ばせることができると思うと、嬉しくて何もかも与えたくなる。

 ふとアグと目が合い、僕から小さな吐息が零れる。
 熱を含んだそれを欲しがるように、アグは首を伸ばして僕の唇を奪った。

「ん、む……っ……ン……」

 すぐさま分厚い舌が差し込まれ、僕の口を掻き乱す。
 ねっとりとした唾液が絡まりあって、舌も口内もヌルヌルとひどい粘りがまとわりついていく。

 こんなキスを誰かとするのは初めてだけれど、粘りが強い気がする。
 唇と舌が離れても粘りは強く残ったままで、自分の舌がわずかに動くだけでも、その粘りで口の中がゾクゾクと疼く。

 アグが僕の胸元や腹部に舌を這わせば、唾液の粘りがそこにもまとわりつき、指で弄られるとよく滑って甘い刺激を与えてくる。

 人の唾液よりも粘ったそれは、何よりも僕を淫らに変える潤滑剤だ。
 強引に脚を広げられ、曝け出された秘所にアグは顔を近づけると、熱い息をかけながら双丘の奥を舐めた。

「あっ、や、ダメ……っ、そこ、きたない、からぁ……ッ」

 首を振りながら力の入らない手でアグの頭を押すと、ピタリと動きが止まる。

 そして息を荒くしながら、恨めしげな上目遣いで僕を睨んだ。

「俺を、止めるな……っ、頭が、痛くなる……」

「え……?」

「Subは、契約したDomの命令に背けない。否定されると、苦しい……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

おだやかDomは一途なSubの腕の中

phyr
BL
リユネルヴェニア王国北の砦で働く魔術師レーネは、ぽやぽやした性格で魔術以外は今ひとつ頼りない。世話をするよりもされるほうが得意なのだが、ある日所属する小隊に新人が配属され、そのうち一人を受け持つことになった。 担当することになった新人騎士ティノールトは、書類上のダイナミクスはNormalだがどうやらSubらしい。Domに頼れず倒れかけたティノールトのためのPlay をきっかけに、レーネも徐々にDomとしての性質を目覚めさせ、二人は惹かれ合っていく。 しかしティノールトの異動によって離れ離れになってしまい、またぼんやりと日々を過ごしていたレーネのもとに、一通の書類が届く。 『貴殿を、西方将軍補佐官に任命する』 ------------------------ ※10/5-10/27, 11/1-11/23の間、毎日更新です。 ※この作品はDom/Subユニバースの設定に基づいて創作しています。一部独自の解釈、設定があります。 表紙は祭崎飯代様に描いていただきました。ありがとうございました。 第11回BL小説大賞にエントリーしております。

待てって言われたから…

ふみ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

処理中です...