清純Domの献身~純潔は狂犬Subに貪られて~

天岸 あおい

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清純Domはすべてを捧げる

●待てない褒美

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「まだ終わらないのか?」

「あ、も、もう終わりです。流しますね」

 アグの声にハッとして、僕は慌ててシャワーの湯で泡を洗い流す。
 なるべく股間は見ないように……でも視界の脇にどうしても赤黒く脈打つものが入ってしまう。

 早くお風呂に浸かってもらおう。
 お湯を止めようと、身を屈めてコックに手を伸ばす。

 キュッと締めてシャワーを手放したその時、

「守流……褒美が欲しい」

 背後からアグが僕を抱き締め、熱い声で囁いてくる。

「えっ、あ、ここを出てから――」

「待てない。今、欲しい」

 僕を絡め取る腕に力がこもる。
 荒い息に、熱い体。お風呂に入ったからじゃないことぐらい、あの昂りを見ていれば分かる。

 返事ができない僕のうなじを、アグが大きく舐める。
 ビクンッ、と跳ねた体を力強く押さえられ、思わず僕は「ン……っ」と声を漏らした。

「アグ、待って……っ」

 僕の制止なんて効かないと思っていたけれど、アグが止まってくれる。

 でも、フーッ、フーッ、と息の荒さが酷くなる。苦しげな気配に僕の胸が痛み、咄嗟にアグの頭を撫でていた。

「まだ僕の体はきれいじゃないから。アグが出てから、僕も入ってきれいにするから……」

 アグが首を小さく横に振る。嫌だと訴えているようにも、甘えようと手に擦りつけているようにも感じて、心がぐらついてしまう。

 応えてあげたい。
 アグが僕に出会えて良かったと心から思えるほど、欲しがるままに応えて満たしたい。

 そんな衝動を覚えていると――グイッ。
 僕の体が持ち上がったかと思えば、アグは椅子に腰かけ、僕の体を開きながら自分の膝へ座らせてきた。

「じゃあ俺が洗ってやる。やらせろ」

 濡れて体に張り付いた僕のシャツとトランクスを剥ぎ取ると、アグはボディーソープの泡を手の平に出し、僕の体を洗い出す。

 雑に全身へ手を滑らせてから、念入りに首や胸を弄り、下半身へと手を這わせていく。
 そして僕のものも、後ろの割れ目も、しっかりと指を絡めたり挟めたりしてきれいにしてくれる。

「あっ……ぁ……ん……ッ……」

「悦んでいるな? どうだ、上手くできているだろ?」

 アグが嬉しそうに尋ねてくる。
 恥ずかしさで違うと首を横に振りかけ、心の中で僕が間違っていると自分に言い聞かせる。

 してくれたことを褒めないと、アグが辛い思いをする。
 褒めて、褒めて、どこまでもアグを認めることが僕の役目。

 アグの首へ後ろ手を回し、さらに体を曝け出す。

「え、え……上手、です……っ、あとは、湯をかけて……」

 僕が言い終わらない内にアグは手桶でお風呂の湯をすくい、僕の体の泡を流してしまう。

 そしてきれいになった僕の首元を、味見するように舐めた。

「これできれいになった……褒美をくれ、守流」

 小さく許諾の頷きをすれば、アグは僕の両脚を持って大きく開かせてくる。
 刺激されて興奮してしまったものが僕の真ん中で立ち上がり、欲情している現実を突きつけてくる。

 どうなってしまうのか分からない僕を置いて、アグはやりたいように動き出す。

 ヌッ、と僕の間からアグの大きな昂りが現れ、下から腰を突き上げ、僕の臀部や陰嚢ごと擦り上げていく。
 初めて与えられる感触に、僕は目が潤んだ。

「アっ、ぁ……アグ……っ……ぁぁ……」

「どうだ? 上手くできているか? いい所があれば教えろ。もっと悦ばせてやる」

 何か言わなきゃ、と思うのに言葉が出てこない。
 アグの熱が僕のものの裏を滑る度に頭がチカチカして、真っ白になってしまう。

 こんなこと、したこともなければ考えたこともなかった。

 自分で慰めることですら慣れなくて、洗ったり用を足したりすること以外では滅多に触らなかったもの。
 あまりに刺激が強すぎて、僕は込み上げてくるものを堪えることはできなかった。

「はっ、ぁ、ぁァ……んン……ッッ!」

 呆気なく僕のものから白い液が放たれ、浴室がほのかに青臭さが漂ってしまう。

 はぁ、はぁ、と呼吸を整えながら脱力する僕の耳元へ、アグが嬉しそうに囁く。

「こんなに悦んでくれたんだ……いっぱいもらえるんだろ、褒美?」

 終わりじゃない。まだ僕はアグに、何もあげられていない。
 まだ声を出すことができない代わりに、僕はゆっくりと大きく頷いた。
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