EDから始まる新世界!

天岸 あおい

文字の大きさ
上 下
5 / 8

寝た子が起きた?

しおりを挟む
 枕元に置いてあったコンドームを手に取り、指に被せてからローションを垂らし、俺は隆幸さんの割れ目へと手を伸ばす。にちゃっ、とローションを奥まった所へなすりつけると、隆幸さんの顔が歪んだ。

「ぁ……な、なあ……やっぱり、初めて挿れる時って痛い……か?」

 緊張と怯えが伝わってきて、俺は隆幸さんに顔を近づけて微笑んで見せる。

「ちょっとだけ痛かった。お互い初めてだったし、加減もよく分からなかったからな。でも隆幸さんが優しくしてくれたから、そんな酷い痛みじゃなかったし、繋がれて嬉しかったっていうのが大きかったけど」

「そ、そうだったのか……それなら、その……良かった……」

 隆幸さんの目が照れて泳ぐ。いっぱいいっぱいで語彙が普段よりも少なくて、わずかな反応が可愛くてたまらない。

 ……欲しい。
 今まで抱かれる側でも不満はなかったけれど。

 俺が自分のすべてを捧げたいと望んだ人を、隅々まで愛することができる。
 今まで見たことのない反応や表情を堪能することができる。
 もっとこの人の深いところまで手にすることができる――。

 逸る心を抑えながら、俺は隆幸さんの硬く閉じた所を優しく解しながら耳元で囁く。

「安心して隆幸さん。どうすれば気持ち良くなれるか、俺は貴方にいっぱい教えてもらったから……俺を信じて」

「ぅ……ん……ッ」

「体に力が入ってるとそれで痛くなるから。だから俺に集中して。いっぱい可愛がって溶かしてあげるから」

 言いながら耳に息を吹きかけ、甘くかじると、隆幸さんが俺の下でビクビクと体を跳ねさせる。そして瞳を潤ませながら俺を睨んできた。

「ちょ、ちょっと待て……なんかお前、手慣れてないか? もしかして、本当はずっと俺に挿れたいって思ってた?」

「いいや、まったく考えてなかったけど……でも、いざ逆転したら、隆幸さんを抱けるのが嬉し過ぎて、頭おかしくなりそうになってる」

「……もしかして俺、寝た子を起こした?」

「そうかも。萎えるどころか、今すぐ挿れたくてたまらないし……だから安心して感じてよがりまくって大丈夫」

「言い切られると逆に怖いからっ……ぁ……」

 動揺している隆幸さんも可愛いな、と思いながら俺は指先を中へ埋める。女々しさの欠片もない人なのに、入り口を軽く弄られるだけでもか弱さが覗くとたまらない。普段の隆幸さんを剥いだらどんな風になるのか知りたくて、胸の奥がウズウズしてくる。

 ゴム越しに隆幸さんの熱が指へ伝わり、ドクンと俺の鼓動が弾ける。
 この中を味わえるなんて……と考えただけで、自分の目がギラつくのが分かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

真面目な部下に開発されました

佐久間たけのこ
BL
社会人BL、年下攻め。甘め。完結までは毎日更新。 ※お仕事の描写など、厳密には正しくない箇所もございます。フィクションとしてお楽しみいただける方のみ読まれることをお勧めします。 救急隊で働く高槻隼人は、真面目だが人と打ち解けない部下、長尾旭を気にかけていた。 日頃の努力の甲斐あって、隼人には心を開きかけている様子の長尾。 ある日の飲み会帰り、隼人を部屋まで送った長尾は、いきなり隼人に「好きです」と告白してくる。

陰間茶屋の散る花さん。男に抱かれながら告られる!

月歌(ツキウタ)
BL
陰間茶屋の年増の陰間。散る花がお客に抱かれながら告られる話。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。 彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。 ……あ。 音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。 しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。 やばい、どうしよう。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

俺の彼氏は真面目だから

西を向いたらね
BL
受けが攻めと恋人同士だと思って「俺の彼氏は真面目だからなぁ」って言ったら、攻めの様子が急におかしくなった話。

悪役Ωは高嶺に咲く

菫城 珪
BL
溺愛α×悪役Ωの創作BL短編です。1話読切。

ミリしら作品の悪役令息に転生した。BL作品なんて聞いてない!

宵のうさぎ
BL
 転生したけど、オタク御用達の青い店でポスターか店頭販促動画か何かで見たことがあるだけのミリしら作品の世界だった。  記憶が確かならば、ポスターの立ち位置からしてたぶん自分は悪役キャラっぽい。  内容は全然知らないけど、死んだりするのも嫌なので目立たないように生きていたのに、パーティーでなぜか断罪が始まった。  え、ここBL作品の世界なの!?  もしかしたら続けるかも  続いたら、原作受け(スパダリ/ソフトヤンデレ)×原作悪役(主人公)です  BL習作なのであたたかい目で見てください

第二王子の僕は総受けってやつらしい

もずく
BL
ファンタジーな世界で第二王子が総受けな話。 ボーイズラブ BL 趣味詰め込みました。 苦手な方はブラウザバックでお願いします。

処理中です...