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五章 嫌われ将軍、ママになる

●繋がってエリクを知る

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 中を解す指が二本、三本と増やされていくと、ガイの口から不規則に吐息が溢れ、息が詰まる。

「く……ぅぅ……」

 エリクの背中にしがみつきながら身を捩らせる。逃げたい訳ではないのに、増していく熱や疼きを散らすように、体が勝手に動いてしまう。

 早くエリクが欲しい。
 思わずエリクの頭を抱き寄せ、ガイから強請るようにキスすれば、分かっていますと返事代わりの口づけが返ってくる。

 そうしてガイの中から指を抜き、自らのシャツをめくり上げ、エリクは若く瑞々しい鍛えられた裸体を晒す。そして下着を脱いで己の昂りを解放した。

 腹部にひっつきそうなほど反り立つそれは、今にも弾けそうで、ガイを激しく奪いたがっている気配を漂わせていた。

「ガイ様、耐えられないと思ったら、すぐに言って下さいね……どうにか止まるように善処しますから」

 絶対に止めると断言しないあたりが正直で、ガイの胸奥をくすぐってくる。

 口端を緩く引き上げ、ガイはエリクの頬をそっと撫でた。

「頑丈が取り柄の体だ、気にしなくていい……あまり気遣われるほうが、もどかしくて……辛い」

 どうしても感じていることを口に出すと、羞恥で全身が熱くなる。
 視線を合わせるのも恥ずかしくて目が泳ぎそうになるが、我慢している訳じゃないことを知って欲しくて、ガイは揺らぎたがる瞳を堪えた。

 エリクが長く息を吐き出すと、前に身を傾けてガイに寄せてくる。
 見下ろしてくる顔が切なげで余裕がない。それでも嬉しげな笑みが浮かんでいた。

「じゃあ、もう我慢しません……ガイ様」

 後孔にエリクの熱の塊が押し当てられる。
 グッ、と力が入れられた瞬間――先端がガイの中に滑り入っていく。

「……ッ……ぁ……」

 指とは違う圧迫感に息が殺される。
 今まで積み重ねてきた心地よさが消え、エリクによって中を拓かれ、暴かれていく苦しさに汗が滲んでしまう。

 ああ、やっぱりこれはこんなに辛いことなのだとガイは実感する。それでも――。

「ガイ様……キツく、ないですか?」

 心配げに覗き込んでくるエリクの顔が、やけに愛おしく見える。
 細長く息を吐き出して苦しさを逃がすと、ガイはわずかに首を横に振った。

「……問題、ない……キツくないとは言えないが、気分は、いい」

 意識も、感覚も、命すらも内側からエリクに握られていくのが分かる。
 そうして体の中から自分を追い出され分だけ、エリクという人間を全身で理解していく。

 ジワジワとエリクを呑み込んでいく感触が、ガイの胸を満たしていった。
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