99 / 111
七章 決着
異変
しおりを挟む
みなもがナウムの屋敷に戻ったのは、山際がほんのり白ばみ始めた頃。
自室へ戻った後、少しでも眠らなければとベッドへ潜り込んだ。
目を閉じてすぐ意識は遠のき、眠りの底へと落ちていく。
が、それはほんの一瞬だけ。あっと言う間に意識が浮上した。
うまく寝付けないと心で唸り、みなもはうっすらと目を開ける。
あまり時間は経っていないだろうと思っていたが、部屋は明るくなっており、窓から眩しい光が入り込んでいた。
(思ったよりも眠れたのか。……あんまり寝た気がしない)
みなもは気だるい体を起こすと、横目で時計を見やる。
いつも目覚める時間よりも、針は少し遅い時間を指していた。
……やばい。
まだ半分眠っていた頭が、完全に目覚める。
朝食を終えたらナウムの執務を手伝うことが日課なのだが、ほんの少し寝過ごしただけで、「お仕置きだ」と言って人の体にイタズラしてくる。
今日、ナウムから離れることができるのに、最後の最後まで弄ばれるのは嫌だった。
みなもはベッドから抜け出すと、慌ただしく着替えを始める。
男物に着替えるなら楽なのだが、ナウムからはドレスを着るよう命じられている。
まだ意思を取り戻したことを悟られる訳にはいかない。
不本意ながらも、みなもは衣装棚を開けてドレスを手に取った。
慣れない手つきで下着を身につけ、ドレスに袖を通す。
それから背中のボタンをとめにかかっていると――。
――バンッ! 荒々しく扉を開ける音がした。
この屋敷で、人の部屋へノックもせず勝手に入ってくる人間は一人しかいない。
みなもは一瞬顔をしかめるが、すぐに平然とした表情で待ち構える。
コツ、コツ、と鋭い足音を鳴らしながら、ナウムが姿を現した。
その顔にいつものような軽薄さはなく、苛立ちを隠さない鋭い眼光をこちらに向けていた。
「おはようナウム。どうしたの? そんな怖い顔して」
二人きりの時は敬語を使わず、今まで通りに接しろと命令されている。
しかしナウムからの返事はなく、その場に立ち尽くして睨みつけてきた。
しばらくして大きな舌打ちをすると、ナウムは「今のコイツにできる訳がないか」と呟き、みなもとの間を詰めてきた。
「……今、城内が大変なことになっているらしい」
「大変なこと?」
「オレもついさっき、城から駆け込んできた部下から聞いたばかりで、詳しい状況までは分からねぇ。ただ、城内の人間が次々に倒れて、街のほうにも被害が出始めているようだ」
乏しい表情を演じたまま、みなもは小さく息を引き、驚いてみせる。
しかし頭の中は、冷静かつ俊敏に働き出す。
これはきっと浪司の仕業だ。
少しやりすぎの感もあるが、目的を果たして生き延びるには必要だと判断したのだろう。
巻き添えを食らった市民や、城で働く人々のことを思うと気が重たくなる。だが、恐らく人が死ぬような代物は使っていないだろう。
それなら腹をくくって、一刻も早く事を終わらせたほうが良いように思えた。
みなもはナウムの目を真っ直ぐに見据える。
「もし毒が使われていても、俺ならどんな毒でも耐性がある。原因を突き止めるために、俺を城へ連れて行って欲しい」
「元からそのつもりだ。今すぐ準備して――ああ、そうだ。可能な限り、耐毒の薬を用意しろ。オレの部下たちは多少の耐性はあるが、念のために飲ませたい」
手短にみなもが「分かった」と返事をすると、ナウムは踵を返して足早に部屋を出て行く。
ナウムの足音が遠ざかるのを確かめてから、みなもは着替え途中のドレスを脱ぎ捨て、着慣れた男物の服を身にまとう。
そして素早く荷袋を開けると、中からいくつかの小瓶と、粉末入りの包み紙を取り出した。
(さて、と。じゃあ作るとするか……毒の耐性を消す薬を)
すうっ、と目を細めてみなもは手元を見つめる。
久しぶりに扱う毒と薬。自然と集中力が高まり、心の焦りと緊張が薄れていった。
半刻ですべてを準備すると、みなもはナウムや集まった部下たち十余名と共に、馬を走らせて城へと向かう。
近づくにつれ、道の脇に倒れた者を何人も見かけるようになった。
みなもはそんな人々を横目で見やり、顔をしかめる。
(ひどい状況だ……これを浪司がやったのか)
あくまで体を痺れさせる程度の毒。
しかしこの状況から言えることは、毒性の強い物を使えば、多くの人命を奪うこともできてしまうという事実。
頭では分かっていたことだが、実際に目の当たりにすると肝が冷えてくる。
毒を容易に使えば、取り返しのつかないことになるかもしれない。
ふと、浪司がそう釘を刺しているような気がした。
城の門まであと少しという所で、どの馬の足も止まっていく。
ナウムや部下たちがどうにか前へ進ませようと足で腹を蹴っても、馬たちは頭を振るばかりで、言うことを聞いてくれなかった。
真っ先にみなもは馬から降りると、ナウムの元へ駆け寄った。
「もうここまで毒が流れていますから、これ以上は馬で進めません」
「そうか、分かったぜ。……全員馬から降りて、こっちに集まれ!」
馬を降りながらナウムが大声を張り上げると、部下たちは一秒を争うように機敏な動きで集まってきた。
ナウムに目配せされ、みなもは腰に下げた小さな袋の中から、準備してきた丸薬を取り出した。
「みなさん、これは耐毒の薬です。まったく毒が効かなくなる訳ではありませんが、濃い毒が充満する中でも長く動くことができます」
みなもは一人一人に丸薬を配った後、ナウムにも「どうぞ」と差し出す。
だがナウムは小さく首を横に振った。
「オレはいつも飲んでいる物があるから大丈夫だ。もし城の中で動ける人間がいたら、そいつに渡してくれ」
飲んでくれれば、こっちも楽に動けるのに。
心の中で舌打ちをしてから、みなもは「分かりました」と素直に引き下がる。
部下たちが丸薬を飲み込んだことを見計らい、ナウムは口を開いた。
「今から二手に分かれて行動する。みなも、お前に部下を五人ほど貸してやるから、城の西側を調べてくれ。もし不審者を見つけたら即座に始末しろ」
ナウムの目から離れられるのはありがたい。この好機、逃す訳にはいかない。
無言で頷いたみなもの目へ、わずかに力が入る。
その刹那、ナウムが訝しそうな表情を浮かべる。
しかしそれは一瞬だけで、すぐにみなもから部下たちへと視線を移した。
視線を外されて、みなもは密かに胸を撫で下ろす。
(……本当にコイツは目ざといから、油断ならないよ)
あともう少しの辛抱だと自分に言い聞かせ、ナウムの指示を待つ。
部下とのやり取りを終えた直後、ナウムが「行くぞ」と駆け出す。
それに合わせて、みなもと部下たちは彼の後ろをついていった。
自室へ戻った後、少しでも眠らなければとベッドへ潜り込んだ。
目を閉じてすぐ意識は遠のき、眠りの底へと落ちていく。
が、それはほんの一瞬だけ。あっと言う間に意識が浮上した。
うまく寝付けないと心で唸り、みなもはうっすらと目を開ける。
あまり時間は経っていないだろうと思っていたが、部屋は明るくなっており、窓から眩しい光が入り込んでいた。
(思ったよりも眠れたのか。……あんまり寝た気がしない)
みなもは気だるい体を起こすと、横目で時計を見やる。
いつも目覚める時間よりも、針は少し遅い時間を指していた。
……やばい。
まだ半分眠っていた頭が、完全に目覚める。
朝食を終えたらナウムの執務を手伝うことが日課なのだが、ほんの少し寝過ごしただけで、「お仕置きだ」と言って人の体にイタズラしてくる。
今日、ナウムから離れることができるのに、最後の最後まで弄ばれるのは嫌だった。
みなもはベッドから抜け出すと、慌ただしく着替えを始める。
男物に着替えるなら楽なのだが、ナウムからはドレスを着るよう命じられている。
まだ意思を取り戻したことを悟られる訳にはいかない。
不本意ながらも、みなもは衣装棚を開けてドレスを手に取った。
慣れない手つきで下着を身につけ、ドレスに袖を通す。
それから背中のボタンをとめにかかっていると――。
――バンッ! 荒々しく扉を開ける音がした。
この屋敷で、人の部屋へノックもせず勝手に入ってくる人間は一人しかいない。
みなもは一瞬顔をしかめるが、すぐに平然とした表情で待ち構える。
コツ、コツ、と鋭い足音を鳴らしながら、ナウムが姿を現した。
その顔にいつものような軽薄さはなく、苛立ちを隠さない鋭い眼光をこちらに向けていた。
「おはようナウム。どうしたの? そんな怖い顔して」
二人きりの時は敬語を使わず、今まで通りに接しろと命令されている。
しかしナウムからの返事はなく、その場に立ち尽くして睨みつけてきた。
しばらくして大きな舌打ちをすると、ナウムは「今のコイツにできる訳がないか」と呟き、みなもとの間を詰めてきた。
「……今、城内が大変なことになっているらしい」
「大変なこと?」
「オレもついさっき、城から駆け込んできた部下から聞いたばかりで、詳しい状況までは分からねぇ。ただ、城内の人間が次々に倒れて、街のほうにも被害が出始めているようだ」
乏しい表情を演じたまま、みなもは小さく息を引き、驚いてみせる。
しかし頭の中は、冷静かつ俊敏に働き出す。
これはきっと浪司の仕業だ。
少しやりすぎの感もあるが、目的を果たして生き延びるには必要だと判断したのだろう。
巻き添えを食らった市民や、城で働く人々のことを思うと気が重たくなる。だが、恐らく人が死ぬような代物は使っていないだろう。
それなら腹をくくって、一刻も早く事を終わらせたほうが良いように思えた。
みなもはナウムの目を真っ直ぐに見据える。
「もし毒が使われていても、俺ならどんな毒でも耐性がある。原因を突き止めるために、俺を城へ連れて行って欲しい」
「元からそのつもりだ。今すぐ準備して――ああ、そうだ。可能な限り、耐毒の薬を用意しろ。オレの部下たちは多少の耐性はあるが、念のために飲ませたい」
手短にみなもが「分かった」と返事をすると、ナウムは踵を返して足早に部屋を出て行く。
ナウムの足音が遠ざかるのを確かめてから、みなもは着替え途中のドレスを脱ぎ捨て、着慣れた男物の服を身にまとう。
そして素早く荷袋を開けると、中からいくつかの小瓶と、粉末入りの包み紙を取り出した。
(さて、と。じゃあ作るとするか……毒の耐性を消す薬を)
すうっ、と目を細めてみなもは手元を見つめる。
久しぶりに扱う毒と薬。自然と集中力が高まり、心の焦りと緊張が薄れていった。
半刻ですべてを準備すると、みなもはナウムや集まった部下たち十余名と共に、馬を走らせて城へと向かう。
近づくにつれ、道の脇に倒れた者を何人も見かけるようになった。
みなもはそんな人々を横目で見やり、顔をしかめる。
(ひどい状況だ……これを浪司がやったのか)
あくまで体を痺れさせる程度の毒。
しかしこの状況から言えることは、毒性の強い物を使えば、多くの人命を奪うこともできてしまうという事実。
頭では分かっていたことだが、実際に目の当たりにすると肝が冷えてくる。
毒を容易に使えば、取り返しのつかないことになるかもしれない。
ふと、浪司がそう釘を刺しているような気がした。
城の門まであと少しという所で、どの馬の足も止まっていく。
ナウムや部下たちがどうにか前へ進ませようと足で腹を蹴っても、馬たちは頭を振るばかりで、言うことを聞いてくれなかった。
真っ先にみなもは馬から降りると、ナウムの元へ駆け寄った。
「もうここまで毒が流れていますから、これ以上は馬で進めません」
「そうか、分かったぜ。……全員馬から降りて、こっちに集まれ!」
馬を降りながらナウムが大声を張り上げると、部下たちは一秒を争うように機敏な動きで集まってきた。
ナウムに目配せされ、みなもは腰に下げた小さな袋の中から、準備してきた丸薬を取り出した。
「みなさん、これは耐毒の薬です。まったく毒が効かなくなる訳ではありませんが、濃い毒が充満する中でも長く動くことができます」
みなもは一人一人に丸薬を配った後、ナウムにも「どうぞ」と差し出す。
だがナウムは小さく首を横に振った。
「オレはいつも飲んでいる物があるから大丈夫だ。もし城の中で動ける人間がいたら、そいつに渡してくれ」
飲んでくれれば、こっちも楽に動けるのに。
心の中で舌打ちをしてから、みなもは「分かりました」と素直に引き下がる。
部下たちが丸薬を飲み込んだことを見計らい、ナウムは口を開いた。
「今から二手に分かれて行動する。みなも、お前に部下を五人ほど貸してやるから、城の西側を調べてくれ。もし不審者を見つけたら即座に始末しろ」
ナウムの目から離れられるのはありがたい。この好機、逃す訳にはいかない。
無言で頷いたみなもの目へ、わずかに力が入る。
その刹那、ナウムが訝しそうな表情を浮かべる。
しかしそれは一瞬だけで、すぐにみなもから部下たちへと視線を移した。
視線を外されて、みなもは密かに胸を撫で下ろす。
(……本当にコイツは目ざといから、油断ならないよ)
あともう少しの辛抱だと自分に言い聞かせ、ナウムの指示を待つ。
部下とのやり取りを終えた直後、ナウムが「行くぞ」と駆け出す。
それに合わせて、みなもと部下たちは彼の後ろをついていった。
0
お気に入りに追加
468
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
刻の短刀クロノダガー ~悪役にされた令嬢の人生を取り戻せ~
玄未マオ
ファンタジー
三名の婚約者候補。
彼らは前の時間軸において、一人は敵、もう一人は彼女のために命を落とした騎士。
そして、最後の一人は前の時間軸では面識すらなかったが、彼女を助けるためにやって来た魂の依り代。
過去の過ちを記憶の隅に押しやり孫の誕生を喜ぶ国王に、かつて地獄へと追いやった公爵令嬢セシルの恨みを語る青年が現れる。
それはかつてセシルを嵌めた自分たち夫婦の息子だった。
非道が明るみになり処刑された王太子妃リジェンナ。
無傷だった自分に『幻の王子』にされた息子が語りかけ、王家の秘術が発動される。
巻き戻りファンタジー。
ヒーローは、ごめん、生きている人間ですらない。
ヒロインは悪役令嬢ポジのセシルお嬢様ではなく、彼女の筆頭侍女のアンジュ。
楽しんでくれたらうれしいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
毒はお好きですか? 浸毒の令嬢と公爵様の結婚まで
屋月 トム伽
恋愛
産まれる前から、ライアス・ノルディス公爵との結婚が決まっていたローズ・ベラルド男爵令嬢。
結婚式には、いつも死んでしまい、何度も繰り返されるループを終わらせたくて、薬作りに没頭していた今回のループ。
それなのに、いつもと違いライアス様が毎日森の薬屋に通ってくる。その上、自分が婚約者だと知らないはずなのに、何故かデートに誘ってくる始末。
いつもと違うループに、戸惑いながらも、結婚式は近づいていき……。
※あらすじは書き直すことがあります。
※小説家になろう様にも投稿してます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
蓮華
釜瑪 秋摩
ファンタジー
小さな島国。 荒廃した大陸の四国はその豊かさを欲して幾度となく侵略を試みて来る。 国の平和を守るために戦う戦士たち、その一人は古より語られている伝承の血筋を受け継いだ一人だった。 守る思いの強さと迷い、悩み。揺れる感情の向かう先に待っていたのは――
公爵令嬢の私に騎士も誰も敵わないのですか?
海野幻創
ファンタジー
公爵令嬢であるエマ・ヴァロワは、最高の結婚をするために幼いころから努力を続けてきた。
そんなエマの婚約者となったのは、多くの人から尊敬を集め、立派な方だと口々に評される名門貴族の跡取り息子、コンティ公爵だった。
夢が叶いそうだと期待に胸を膨らませ、結婚準備をしていたのだが──
「おそろしい女……」
助けてあげたのにも関わらず、お礼をして抱きしめてくれるどころか、コンティ公爵は化け物を見るような目つきで逃げ去っていった。
なんて男!
最高の結婚相手だなんて間違いだったわ!
自国でも隣国でも結婚相手に恵まれず、結婚相手を探すだけの社交界から離れたくなった私は、遠い北の地に住む母の元へ行くことに決めた。
遠い2000キロの旅路を執事のシュヴァリエと共に行く。
仕える者に対する態度がなっていない最低の執事だけど、必死になって私を守るし、どうやらとても強いらしい──
しかし、シュヴァリエは私の方がもっと強いのだという。まさかとは思ったが、それには理由があったのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
恋愛小説「聖女の七日間」 婚約破棄、爵位失墜にめげず、愛する貴方のため、聖女の力に目覚め……え! 聖女は誰なの?
甘い秋空
恋愛
王国のために政略結婚を決意した侯爵令嬢が、婚約破棄、爵位失墜にめげず、前世のネコ知識は役に立たないかもだけど、親友と力を合わせ、大人の淑女を目指し、愛する貴方のため、聖女の力に目覚める物語……え! 聖女は誰なの? (全80話完結)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる