285 / 345
十三話 裏切りの常習犯
●両方で裏切られているのに
しおりを挟む
◇ ◇ ◇
目覚めても俺は、快楽の底に沈められたままだった。
「ぁぁ……ん、む……っ……ッッ、あっ、ぅ、あぁぁ――」
ゲームを始める直前は、東郷さんに組み敷かれて喘がされていた途中だった。
だからセーブをして現実に戻れば、散々あっちの世界で抱き潰された身体を、東郷さんによって暴かれてしまう。
すぐにローションを後孔に塗られ、柔らかいままの中へ東郷さんの昂りを捩じ込まれ、目覚めて数分も経たずに絶頂を叩きつけられる。
それで終わるはずもなく、東郷さんの唇は俺の口を執拗に舐めながら、抑えられない嬌声を垂れ流しにしながら奥を揺さぶり続ける。
あっちのものは現実に来る時に消えてしまう。だから催淫効果のある軟膏や、華侯焔にだされたものは、俺の中には残っていない。
だが、身体の状態はそのままだ。
度重なる絶頂で快感しか感じられない、淫らな獣と化した身体。
東郷さんに四つん這いにされて責められても、力が入らずうつ伏せた状態で深く揺らされても、悦びの声を力尽きるまで漏らす。
何もかもが緩く、強さの欠片もない者に成り果ている俺を、東郷さんは中を責め続けながらも甘い声をかけ続ける。
「誠人……その姿を、ずっと見たかった……手に入れたかった……愛してる。どれだけ変わり果てても、誠人は、誠人のままだ……」
俺をこんな身体にした、ひどい人。
なのに想いは痛いほど伝わってきて、嬉しくて、何をされても悦んでしまう。
いつしか互いの汗が身体を滑らせ、全身で快楽を掻き集めていく。
気づくと俺は東郷さんと向き合いながら身体を起こされ、対面で座りながら繋がり合っていた。
ビクン、ビクン、と突かれる度に中を締め付け、大きな脈動を繰り返し、俺は快感に呆ける。
力が入らない俺に代わり、東郷さんは俺をしっかりと抱擁し、腰を突き上げ続ける。
どうしてここまでするのか、何も見えてこない。
それでも強引に心まで結びつけてこようとする東郷さんが、なぜか痛ましいような気がして、俺はそっと頬を擦り寄せた。
「すき、で……とう、ご……さ……っ……」
上手く呂律が回らず、声も途切れ途切れ。そんな俺が情けなくも意思を伝えると、東郷さんは力を強めて俺を腕に閉じ込める。
異世界と現実、両方で俺は裏切られているはずなのに、愛しさがどこまでも募っていく。
それがおびただしい快楽のせいか、俺への想いだけは間違いなくあると信じられるせいか。今の俺には分からなかった――。
目覚めても俺は、快楽の底に沈められたままだった。
「ぁぁ……ん、む……っ……ッッ、あっ、ぅ、あぁぁ――」
ゲームを始める直前は、東郷さんに組み敷かれて喘がされていた途中だった。
だからセーブをして現実に戻れば、散々あっちの世界で抱き潰された身体を、東郷さんによって暴かれてしまう。
すぐにローションを後孔に塗られ、柔らかいままの中へ東郷さんの昂りを捩じ込まれ、目覚めて数分も経たずに絶頂を叩きつけられる。
それで終わるはずもなく、東郷さんの唇は俺の口を執拗に舐めながら、抑えられない嬌声を垂れ流しにしながら奥を揺さぶり続ける。
あっちのものは現実に来る時に消えてしまう。だから催淫効果のある軟膏や、華侯焔にだされたものは、俺の中には残っていない。
だが、身体の状態はそのままだ。
度重なる絶頂で快感しか感じられない、淫らな獣と化した身体。
東郷さんに四つん這いにされて責められても、力が入らずうつ伏せた状態で深く揺らされても、悦びの声を力尽きるまで漏らす。
何もかもが緩く、強さの欠片もない者に成り果ている俺を、東郷さんは中を責め続けながらも甘い声をかけ続ける。
「誠人……その姿を、ずっと見たかった……手に入れたかった……愛してる。どれだけ変わり果てても、誠人は、誠人のままだ……」
俺をこんな身体にした、ひどい人。
なのに想いは痛いほど伝わってきて、嬉しくて、何をされても悦んでしまう。
いつしか互いの汗が身体を滑らせ、全身で快楽を掻き集めていく。
気づくと俺は東郷さんと向き合いながら身体を起こされ、対面で座りながら繋がり合っていた。
ビクン、ビクン、と突かれる度に中を締め付け、大きな脈動を繰り返し、俺は快感に呆ける。
力が入らない俺に代わり、東郷さんは俺をしっかりと抱擁し、腰を突き上げ続ける。
どうしてここまでするのか、何も見えてこない。
それでも強引に心まで結びつけてこようとする東郷さんが、なぜか痛ましいような気がして、俺はそっと頬を擦り寄せた。
「すき、で……とう、ご……さ……っ……」
上手く呂律が回らず、声も途切れ途切れ。そんな俺が情けなくも意思を伝えると、東郷さんは力を強めて俺を腕に閉じ込める。
異世界と現実、両方で俺は裏切られているはずなのに、愛しさがどこまでも募っていく。
それがおびただしい快楽のせいか、俺への想いだけは間違いなくあると信じられるせいか。今の俺には分からなかった――。
0
お気に入りに追加
427
あなたにおすすめの小説


【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)

ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜
古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。
かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。
その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。
ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。
BLoveさんに先行書き溜め。
なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる