283 / 345
十三話 裏切りの常習犯
●止められない行為
しおりを挟む
「――……ッッ」
耳の奥まで甘い言葉が届いた瞬間、俺の身体に痺れが走り抜ける。
腰の奥が脈打っている。たったこれだけで達した? 身体がやけに敏感だ。
もぞ、と身じろいで太腿をすり合わせた時、臀部に濡れた感触を覚える。
昨晩の名残り? いや、朝には身を清めている。それに宴の前に風呂を浴びた時は濡れてなどいなかった。まさか……。
自分の身に起きていることを悟りつつあった俺を、華侯焔は抱き寄せ、小さく声を弾ませた。
「誠人が寝ている間に、ちゃんと身体に塗っておいたから。いつものやつだ。身体もよく覚えて、もう喜んでいるみたいだな」
服の上から俺の身体を撫で回し、理性を壊していく様は手慣れていて、気を抜けばいつものように喘ぎそうになる。
だが、これは戯れでも、想いの重ね合いでもない。
俺を淫らに壊すだけの行為。
やめてくれ、と拒みたい。突き飛ばして華侯焔の腕から抜け出したい。
それなのに身体に力を入れることができず、俺は口元を緩めながらも泣きそうになっていた。
「焔、やめ……ン……っ、なんで、こんなことを……」
「俺の言うことを聞いてもらうため、だ」
おもむろに華侯焔は、身体に貼り付いている服の上から胸の尖りに歯を立てる。
ジン、と甘い疼きが身体の奥まで響いて身悶える俺に、華侯焔が望みを告げる。
「誠人、志馬威と手を組め。この世界でもあっちでも、支配する側になれ」
「なぜ、だ……? 覇者になって、敗者を解放するために、俺を支えてくれていたのに――」
「事情が変わった。理由は後で教えてやるから、今は……」
華侯焔が俺の帯を解き、服を脱がしにかかる。
露わになった肌が甘くざわつき、指や舌が這うだけでビクビクと俺の身体は歓喜する。
抵抗らしい抵抗は、首を小さく横に振るだけ。
そんな弱さを晒す俺を、華侯焔の指は容赦しない。すでに軟膏を塗られた後孔に指を埋め、まだ柔らかさが残る肉壁を解していく。
「あっ、ぁ、ぁぁ……ッ……アァ……っ……」
「分かるか誠人? もう二本、入ってる……ははっ、イッてるな。こんなに指に吸い付いて……いやらしいな。加護があってもこれだなんて、これが好きでたまらないんだな」
わざと俺の中を指でゆっくりと抽挿し、意識を向けさせてくる。
グチ、グチ、と。ぎこちないながらも華侯焔の指を滑らせ、締め付ける後孔に目眩がする。気持ち良い。もっと欲しくて腰を揺らしてしまう。
流されたくないのに、身体が悦んでまうのを抑えられない。
指だけじゃ足りない。下を繋がり合うだけでは満たされない。
思わず華侯焔の背にしがみつき、唇を薄く開いて口づけを誘えば、華侯焔が焦らさずに口づけてくれる。
夢中で唇を睦み合わせている中、グッと華侯焔の熱い昂りが俺の後孔を押す。
一度だけ、息苦しい圧迫感が広がる。だがすぐに俺の肉壁は華侯焔を呑み込んでいく。
耳の奥まで甘い言葉が届いた瞬間、俺の身体に痺れが走り抜ける。
腰の奥が脈打っている。たったこれだけで達した? 身体がやけに敏感だ。
もぞ、と身じろいで太腿をすり合わせた時、臀部に濡れた感触を覚える。
昨晩の名残り? いや、朝には身を清めている。それに宴の前に風呂を浴びた時は濡れてなどいなかった。まさか……。
自分の身に起きていることを悟りつつあった俺を、華侯焔は抱き寄せ、小さく声を弾ませた。
「誠人が寝ている間に、ちゃんと身体に塗っておいたから。いつものやつだ。身体もよく覚えて、もう喜んでいるみたいだな」
服の上から俺の身体を撫で回し、理性を壊していく様は手慣れていて、気を抜けばいつものように喘ぎそうになる。
だが、これは戯れでも、想いの重ね合いでもない。
俺を淫らに壊すだけの行為。
やめてくれ、と拒みたい。突き飛ばして華侯焔の腕から抜け出したい。
それなのに身体に力を入れることができず、俺は口元を緩めながらも泣きそうになっていた。
「焔、やめ……ン……っ、なんで、こんなことを……」
「俺の言うことを聞いてもらうため、だ」
おもむろに華侯焔は、身体に貼り付いている服の上から胸の尖りに歯を立てる。
ジン、と甘い疼きが身体の奥まで響いて身悶える俺に、華侯焔が望みを告げる。
「誠人、志馬威と手を組め。この世界でもあっちでも、支配する側になれ」
「なぜ、だ……? 覇者になって、敗者を解放するために、俺を支えてくれていたのに――」
「事情が変わった。理由は後で教えてやるから、今は……」
華侯焔が俺の帯を解き、服を脱がしにかかる。
露わになった肌が甘くざわつき、指や舌が這うだけでビクビクと俺の身体は歓喜する。
抵抗らしい抵抗は、首を小さく横に振るだけ。
そんな弱さを晒す俺を、華侯焔の指は容赦しない。すでに軟膏を塗られた後孔に指を埋め、まだ柔らかさが残る肉壁を解していく。
「あっ、ぁ、ぁぁ……ッ……アァ……っ……」
「分かるか誠人? もう二本、入ってる……ははっ、イッてるな。こんなに指に吸い付いて……いやらしいな。加護があってもこれだなんて、これが好きでたまらないんだな」
わざと俺の中を指でゆっくりと抽挿し、意識を向けさせてくる。
グチ、グチ、と。ぎこちないながらも華侯焔の指を滑らせ、締め付ける後孔に目眩がする。気持ち良い。もっと欲しくて腰を揺らしてしまう。
流されたくないのに、身体が悦んでまうのを抑えられない。
指だけじゃ足りない。下を繋がり合うだけでは満たされない。
思わず華侯焔の背にしがみつき、唇を薄く開いて口づけを誘えば、華侯焔が焦らさずに口づけてくれる。
夢中で唇を睦み合わせている中、グッと華侯焔の熱い昂りが俺の後孔を押す。
一度だけ、息苦しい圧迫感が広がる。だがすぐに俺の肉壁は華侯焔を呑み込んでいく。
0
お気に入りに追加
427
あなたにおすすめの小説

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。


久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜
古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。
かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。
その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。
ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。
BLoveさんに先行書き溜め。
なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる