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十二話 真実に近づく時
●声だけ殺して
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このまま華侯焔と抱き合っていたい。
現実では東郷さんだと確かめてしまったせいか、俺の中で体を求めたい衝動が強くなった気がする。
夢中になってキスを繰り返していると――ザパァァッ! 華侯焔が俺を抱え、湯の中から立ち上がった。
「ここでは軽く済まそうと思ったんだがな……俺を煽った責任、取ってもらうからな」
言いながら俺を石の縁に手をつかせ、腰を突き出す体勢を取らせる。
これだけでも恥ずかしくてたまらないのに、華侯焔は湯で紅潮した俺の臀部に顔を近づけ、双丘の谷間に舌を這わせてきた。
「え、焔、やめるんだ、それは……ぁ……っ」
ささやかな小声の戸惑いなど気にも留めず、華侯焔が高熱を帯びた舌で俺の後孔を淫らに濡らしていく。
指で周りを解しながら、塗りたくられる唾液で滑りを良くしていく。俺の身体は悦んで華侯焔を受け入れようと、肉壁を誘うようにひくつかせ、甘い疼きで俺の羞恥を麻痺させてしまう。
力が入らず腕で自分を支え続けるのが辛くなってきた頃、華侯焔は俺から顔を離し、石の縁に腰かけた。いつになく赤く怒張したものが、早く俺を奪いたそうに脈打っている。
「ほら誠人、こっちに跨れよ。欲しくてたまらないんだろ?」
欲情と自信に満ちた目で俺を射抜きながら、華侯焔が俺を手招く。
解された後孔が、早急に満たされたいからと俺の身体を突き動かしてしまう。
望まれるままに華侯焔の膝の上で脚を開き、熱情に染まった杭に自らを突き立てる。
「……ク……ぅ……」
いつもより息が詰まる。後孔は華侯焔を欲しがっているのに、呑み込んでいく速さはゆっくりだ。もどかしくて一度腰を浮かし、再び自分の重みで繋がっていけば、苦しさとともに快楽が背筋を駆け上がる。
根本まで華侯焔を呑み込み、息を吐きながらその胸に寄り掛かる。
たったこれだけで息が乱れている。熱い。じっとしていても、互いに荒い呼吸が刺激になり、俺の最奥は淡く弾けた。
「ぁ……ンん……っ……」
「良い子だ。しっかり俺にしがみついていろよ」
囁きながら華侯焔が軽く前に身を倒し、俺の背中と腰に手を回すと、上下に揺さぶっていく。
そして中が華侯焔に馴染んだところを見計らい、俺の太腿の下に両腕を入れ、俺を持ち上げながら抽挿を始めた。
「……っ……ッッ……ッ!」
最奥を貫かれる度に声が出そうになり、その都度俺は必死に口元を押さえて声を殺す。
いくら俺と華侯焔の関係が暗黙の了解であったとしても、無関係の兵に聞かせたくない。俺の喘ぎ声など嫌悪を覚えるしかないだろう。
それなのに華侯焔は俺を啼かせようとするように、わざと最奥を執拗に責めた。
現実では東郷さんだと確かめてしまったせいか、俺の中で体を求めたい衝動が強くなった気がする。
夢中になってキスを繰り返していると――ザパァァッ! 華侯焔が俺を抱え、湯の中から立ち上がった。
「ここでは軽く済まそうと思ったんだがな……俺を煽った責任、取ってもらうからな」
言いながら俺を石の縁に手をつかせ、腰を突き出す体勢を取らせる。
これだけでも恥ずかしくてたまらないのに、華侯焔は湯で紅潮した俺の臀部に顔を近づけ、双丘の谷間に舌を這わせてきた。
「え、焔、やめるんだ、それは……ぁ……っ」
ささやかな小声の戸惑いなど気にも留めず、華侯焔が高熱を帯びた舌で俺の後孔を淫らに濡らしていく。
指で周りを解しながら、塗りたくられる唾液で滑りを良くしていく。俺の身体は悦んで華侯焔を受け入れようと、肉壁を誘うようにひくつかせ、甘い疼きで俺の羞恥を麻痺させてしまう。
力が入らず腕で自分を支え続けるのが辛くなってきた頃、華侯焔は俺から顔を離し、石の縁に腰かけた。いつになく赤く怒張したものが、早く俺を奪いたそうに脈打っている。
「ほら誠人、こっちに跨れよ。欲しくてたまらないんだろ?」
欲情と自信に満ちた目で俺を射抜きながら、華侯焔が俺を手招く。
解された後孔が、早急に満たされたいからと俺の身体を突き動かしてしまう。
望まれるままに華侯焔の膝の上で脚を開き、熱情に染まった杭に自らを突き立てる。
「……ク……ぅ……」
いつもより息が詰まる。後孔は華侯焔を欲しがっているのに、呑み込んでいく速さはゆっくりだ。もどかしくて一度腰を浮かし、再び自分の重みで繋がっていけば、苦しさとともに快楽が背筋を駆け上がる。
根本まで華侯焔を呑み込み、息を吐きながらその胸に寄り掛かる。
たったこれだけで息が乱れている。熱い。じっとしていても、互いに荒い呼吸が刺激になり、俺の最奥は淡く弾けた。
「ぁ……ンん……っ……」
「良い子だ。しっかり俺にしがみついていろよ」
囁きながら華侯焔が軽く前に身を倒し、俺の背中と腰に手を回すと、上下に揺さぶっていく。
そして中が華侯焔に馴染んだところを見計らい、俺の太腿の下に両腕を入れ、俺を持ち上げながら抽挿を始めた。
「……っ……ッッ……ッ!」
最奥を貫かれる度に声が出そうになり、その都度俺は必死に口元を押さえて声を殺す。
いくら俺と華侯焔の関係が暗黙の了解であったとしても、無関係の兵に聞かせたくない。俺の喘ぎ声など嫌悪を覚えるしかないだろう。
それなのに華侯焔は俺を啼かせようとするように、わざと最奥を執拗に責めた。
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