203 / 345
十話 至高への一歩
●手伝わなくても
しおりを挟む
◇ ◇ ◇
正直、湯浴みをしても熱を感じなかった。
城内の浴場で身を清めてから寝間着をまとい、城主の部屋で寝台に腰掛けた後。俺は大きなため息を吐き出す。
一人を相手にするだけでも大変だというのに、三人同時は想像が追いつかない。
初めて華侯焔と才明の二人がかりでされた時は、途中で意識が飛んで、最後までしっかりと覚えていない。ただ、身体はその時の快感を刻み込んでしまい、絶頂のさらなる果てを知ってしまった。
もう二人を迎えるぐらいは、身も心も受け入れられるようになっている。この時点で既におかしくなっていると思う。
それが三人となれば、より深い快楽の底に俺が沈められてしまうのは目に見えている。あの終わりのない絶頂を味わい続けて、俺は俺のままでいられるのか? と本気で心配になってくる。
目を閉じれば自分の鼓動がやかましく胸の内を叩く音が聞こえてくる。
これは、後には引けないという緊張感と不安のはず――。
「誠人、待たせたな」
耳元で華侯焔の声がして、俺は肩を跳ねさせながら顔を上げる。
いつの間にか部屋に来た華侯焔が、俺の隣に座って耳元に顔を寄せていた。
「……才明と英正は?」
素早く部屋を見渡すと、華侯焔しかいないことに気づく。少しホッとして尋ねると、熱い吐息をかけながら華侯焔が教えてくれる。
「少し経ってから来るように言ってある。誠人が心から楽しめるように準備したほうがいいと思ってな」
言いながら華侯焔の大きな手が、俺の胸元に入り込む。軽く胸の突起が触れただけで、ジン、と甘い疼きが俺の全身に広がってしまう。
「あ……っ」
「何も心配しなくていい。俺たちは誠人の悦ぶ姿を何度も見てきた……今さら淫らによがって啼く姿を見ても、俺たちの気持ちは変わらない」
強張った身体を解すように、華侯焔は俺の胸をゆっくりと揉み、腹部や腰を撫で、俺を抱かれて悦ぶ身体へと変えていく。
そうして下腹部を通り、熱を帯びてきたものに触れた時。
華侯焔から小さな感嘆の息が聞こえてきた。
「良かった……俺が手伝わなくても喜んでいたんだな。俺たち三人を相手にすることを」
「……っ、いや、そんなことは――」
「取り繕うな。俺が触れる前から、こんなに昂らせて……萎えていないのが何よりの証だ」
俺のものを握り込み、親指で先端を弄りながら華侯焔が告げてくる。
熱く硬くなってしまったそれは、早く欲しいと涎を垂らすように液を先走らせ、親指の滑りをよくしていた。
もう俺の身体は未知の恐れよりも、快楽に抗えなくなっている。
きっと今夜のことで、俺の身体はさらにおかしくなってしまうのだろう。
まだ頭の奥に残っている常識やまともな感覚を、華侯焔は俺の唇ごと奪い、舌を絡め合わせて壊していった。
正直、湯浴みをしても熱を感じなかった。
城内の浴場で身を清めてから寝間着をまとい、城主の部屋で寝台に腰掛けた後。俺は大きなため息を吐き出す。
一人を相手にするだけでも大変だというのに、三人同時は想像が追いつかない。
初めて華侯焔と才明の二人がかりでされた時は、途中で意識が飛んで、最後までしっかりと覚えていない。ただ、身体はその時の快感を刻み込んでしまい、絶頂のさらなる果てを知ってしまった。
もう二人を迎えるぐらいは、身も心も受け入れられるようになっている。この時点で既におかしくなっていると思う。
それが三人となれば、より深い快楽の底に俺が沈められてしまうのは目に見えている。あの終わりのない絶頂を味わい続けて、俺は俺のままでいられるのか? と本気で心配になってくる。
目を閉じれば自分の鼓動がやかましく胸の内を叩く音が聞こえてくる。
これは、後には引けないという緊張感と不安のはず――。
「誠人、待たせたな」
耳元で華侯焔の声がして、俺は肩を跳ねさせながら顔を上げる。
いつの間にか部屋に来た華侯焔が、俺の隣に座って耳元に顔を寄せていた。
「……才明と英正は?」
素早く部屋を見渡すと、華侯焔しかいないことに気づく。少しホッとして尋ねると、熱い吐息をかけながら華侯焔が教えてくれる。
「少し経ってから来るように言ってある。誠人が心から楽しめるように準備したほうがいいと思ってな」
言いながら華侯焔の大きな手が、俺の胸元に入り込む。軽く胸の突起が触れただけで、ジン、と甘い疼きが俺の全身に広がってしまう。
「あ……っ」
「何も心配しなくていい。俺たちは誠人の悦ぶ姿を何度も見てきた……今さら淫らによがって啼く姿を見ても、俺たちの気持ちは変わらない」
強張った身体を解すように、華侯焔は俺の胸をゆっくりと揉み、腹部や腰を撫で、俺を抱かれて悦ぶ身体へと変えていく。
そうして下腹部を通り、熱を帯びてきたものに触れた時。
華侯焔から小さな感嘆の息が聞こえてきた。
「良かった……俺が手伝わなくても喜んでいたんだな。俺たち三人を相手にすることを」
「……っ、いや、そんなことは――」
「取り繕うな。俺が触れる前から、こんなに昂らせて……萎えていないのが何よりの証だ」
俺のものを握り込み、親指で先端を弄りながら華侯焔が告げてくる。
熱く硬くなってしまったそれは、早く欲しいと涎を垂らすように液を先走らせ、親指の滑りをよくしていた。
もう俺の身体は未知の恐れよりも、快楽に抗えなくなっている。
きっと今夜のことで、俺の身体はさらにおかしくなってしまうのだろう。
まだ頭の奥に残っている常識やまともな感覚を、華侯焔は俺の唇ごと奪い、舌を絡め合わせて壊していった。
0
お気に入りに追加
423
あなたにおすすめの小説
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜
古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。
かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。
その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。
ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。
BLoveさんに先行書き溜め。
なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる