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九話 新たな繋がり
朝の褒美の最中に
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* * *
ツゥン――。
東郷さんが部屋に立ち寄り、すぐに出て行って間もなく俺はゲームにログインした。
まだもう少し寝たほうがいい気もしたが、人が寝ている時に落とされたキスに体がざわついて、眠れるはずがなかった。
ゲーム前の暗闇に浮かびながら、平時よりも早くなっている己の鼓動を感じる。
また生身の体で華候焔たちと向き合わなければいけないことなのか。
それとも東郷さんの心が少し見えてしまったせいなのか。
この胸の脈動の理由がよく分からない。
すべて前に進むためだと割り切れぬ自分の未熟さを自覚しながら、俺の体が暗闇から明るい場所へと浮かび上がっていく――。
まぶたを開けると、未だ慣れない拡張された領主の部屋が目に入ってくる。
すぐに起きたいところだが、体が気だるくぼんやりとしてしまう。
現実では寝起きは良いほうだ。こうなってしまうのは、現実からこっちの世界へ体が移動した反動なのかもしれない。
寝台で横向きなりながらそんなことを考えていると――ぎゅっ。背後からたくましい腕に抱き締められた。
「おはよう、誠人。あっちの用事は済んだのか?」
華候焔の低い声が体に響く。互いに裸のまま。寝起きの熱に包まれて、思わず全身が疼いて俺は息を詰める。
「あ、ああ……まだ全部じゃないが、あと少しで終わる」
「そうか。じゃあまだ手加減は継続ってことだな。早く抑えずに抱きたいものだ」
まるで焦らすように華候焔が俺の耳元で囁き、喉に指を這わせてくる。
ささやかな感触なのに鼓動が激しく脈打つ。心が囚われていく気がして苦しい。
戯れに触れてくる手が下のほうへと伸びていく。
熱を帯び始めていた所へ触れられた瞬間、ビクンッ、と俺は体を跳ねさせた。
「……っ、焔……ぁ……」
「もう大きくなってるな……期待には応えないとなあ」
うなじに唇を落とされ、一気に力が抜ける。もう体が華候焔に抱かれる準備に入ってしまうあたり、期待などしていないとは言えない。
淫らに成り果てた自分を認めさせるかのように、華候焔がゆっくりと俺を愛撫し、肌へ甘く吸いつく。
熱が体の芯へ集まっていく。昂ったものをしっかりと握られ、親指で先端を弄られ、早く扱いてくれと強請りたくなる中――。
「誠人サマー! 大変ですー!」
部屋の外から白澤の慌ただしい声が聞こえてきて、咄嗟に俺は華候焔の腕から離れ、身を起して脱ぎ散らかしてあった寝間着に袖を通す。
「長毛玉……邪魔しやがって……」
怒気を隠さずブツブツと文句を言いながら、華候焔も同じように服を着始める。
――最後までやりたくてたまらなそうだ。股間の凶器が大きく昂っている。
白澤から話を聞いてから相手をしないと気が済まなさそうだ……と思いながら、俺は声をかけた。
ツゥン――。
東郷さんが部屋に立ち寄り、すぐに出て行って間もなく俺はゲームにログインした。
まだもう少し寝たほうがいい気もしたが、人が寝ている時に落とされたキスに体がざわついて、眠れるはずがなかった。
ゲーム前の暗闇に浮かびながら、平時よりも早くなっている己の鼓動を感じる。
また生身の体で華候焔たちと向き合わなければいけないことなのか。
それとも東郷さんの心が少し見えてしまったせいなのか。
この胸の脈動の理由がよく分からない。
すべて前に進むためだと割り切れぬ自分の未熟さを自覚しながら、俺の体が暗闇から明るい場所へと浮かび上がっていく――。
まぶたを開けると、未だ慣れない拡張された領主の部屋が目に入ってくる。
すぐに起きたいところだが、体が気だるくぼんやりとしてしまう。
現実では寝起きは良いほうだ。こうなってしまうのは、現実からこっちの世界へ体が移動した反動なのかもしれない。
寝台で横向きなりながらそんなことを考えていると――ぎゅっ。背後からたくましい腕に抱き締められた。
「おはよう、誠人。あっちの用事は済んだのか?」
華候焔の低い声が体に響く。互いに裸のまま。寝起きの熱に包まれて、思わず全身が疼いて俺は息を詰める。
「あ、ああ……まだ全部じゃないが、あと少しで終わる」
「そうか。じゃあまだ手加減は継続ってことだな。早く抑えずに抱きたいものだ」
まるで焦らすように華候焔が俺の耳元で囁き、喉に指を這わせてくる。
ささやかな感触なのに鼓動が激しく脈打つ。心が囚われていく気がして苦しい。
戯れに触れてくる手が下のほうへと伸びていく。
熱を帯び始めていた所へ触れられた瞬間、ビクンッ、と俺は体を跳ねさせた。
「……っ、焔……ぁ……」
「もう大きくなってるな……期待には応えないとなあ」
うなじに唇を落とされ、一気に力が抜ける。もう体が華候焔に抱かれる準備に入ってしまうあたり、期待などしていないとは言えない。
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熱が体の芯へ集まっていく。昂ったものをしっかりと握られ、親指で先端を弄られ、早く扱いてくれと強請りたくなる中――。
「誠人サマー! 大変ですー!」
部屋の外から白澤の慌ただしい声が聞こえてきて、咄嗟に俺は華候焔の腕から離れ、身を起して脱ぎ散らかしてあった寝間着に袖を通す。
「長毛玉……邪魔しやがって……」
怒気を隠さずブツブツと文句を言いながら、華候焔も同じように服を着始める。
――最後までやりたくてたまらなそうだ。股間の凶器が大きく昂っている。
白澤から話を聞いてから相手をしないと気が済まなさそうだ……と思いながら、俺は声をかけた。
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