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九話 新たな繋がり
仲林アナの真実2
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「一応ジャミングで盗聴されにくくしていますが、完全に妨害できる訳じゃありません。できるだけ声は小さくお願いしますね」
「は、はい、分かりました」
「フフ、こっちで向き合える日が来るなんて夢みたいです。姿が何もかも同じ……勝者の証です」
仲林アナがまつ毛を伏せ、憂いを滲ませる。
「あのゲームは領主である間は元の姿を保てますが、負けて領土をすべて失うと姿が変わり、あの世界で武将となって参加を続けなければいけなくなるんです」
「つまり仲林アナも領主として参加したということですか」
「そういうことです。スポーツ選手の間で流行っているゲームがあると噂を聞いて、知人に工面してもらったのですが……ただのスポーツ好きのアナウンサーでは話になりませんでした」
苦笑を漏らしながら仲林アナは小首を振る。自分の選択を悔いたことが俺には痛いほど分かる。
俺は大体に肘を置き、身を乗り出した。
「俺……いえ、私は騙されてゲームを始めることになったんですが、仲林アナもですか?」
「そんなにかしこまらないで下さい。あっちで才明と話をする時と同じ調子で大丈夫ですから――騙されたと言えばそうかもしれませんね。ただ私の場合は工面してくれた知人ではなく、ゲームの運営側に……ですね。一部を除いて、ほとんどのプレイヤーがそうだったと思います」
「詳細を知らされずにプレイすることに……なったのか」
「よくできたVRゲームという認識でしたね。そしてゲームの詳細を事前に知っている者たちに先手を打たれ、多くの領主が倒され、武将という名の奴隷としてゲームに囚われていきました」
「まさか顔鐡や羽勳も?」
「実はその判別が難しいのですよ。最初から用意されていた将も大勢いるので、元領主で現実にいるプレイヤーなのか、そうではないのか、本人の申告がなければ判別できないんです。だから自分以外のプレイヤーが誰なのかということが、領主以外の中から見つけ出すのは難しかったんです」
仲林アナがおもむろに遠い目をする。どうにか仲間を見つけようとしていたが、思い通りにならず苦労してきたのだろう。
何か語りたそうな気配がしたが、仲林アナは「自分語りはさて置いて」と自分を抑えて話を続ける。
「領主でいる間に接点を作ろうとしても、すぐに討たれて他の将に紛れてしまい、現実でのコンタクトに繋げることはできませんでした……ゲームのシステムを知ろうとしている間に攻められるんですから、万全に対応できる訳がありません」
ふと俺の頭に白澤が浮かぶ。
まったく何も知らずにゲームを始めてしまったが、白澤がいたおかげで随分助けられた。
「は、はい、分かりました」
「フフ、こっちで向き合える日が来るなんて夢みたいです。姿が何もかも同じ……勝者の証です」
仲林アナがまつ毛を伏せ、憂いを滲ませる。
「あのゲームは領主である間は元の姿を保てますが、負けて領土をすべて失うと姿が変わり、あの世界で武将となって参加を続けなければいけなくなるんです」
「つまり仲林アナも領主として参加したということですか」
「そういうことです。スポーツ選手の間で流行っているゲームがあると噂を聞いて、知人に工面してもらったのですが……ただのスポーツ好きのアナウンサーでは話になりませんでした」
苦笑を漏らしながら仲林アナは小首を振る。自分の選択を悔いたことが俺には痛いほど分かる。
俺は大体に肘を置き、身を乗り出した。
「俺……いえ、私は騙されてゲームを始めることになったんですが、仲林アナもですか?」
「そんなにかしこまらないで下さい。あっちで才明と話をする時と同じ調子で大丈夫ですから――騙されたと言えばそうかもしれませんね。ただ私の場合は工面してくれた知人ではなく、ゲームの運営側に……ですね。一部を除いて、ほとんどのプレイヤーがそうだったと思います」
「詳細を知らされずにプレイすることに……なったのか」
「よくできたVRゲームという認識でしたね。そしてゲームの詳細を事前に知っている者たちに先手を打たれ、多くの領主が倒され、武将という名の奴隷としてゲームに囚われていきました」
「まさか顔鐡や羽勳も?」
「実はその判別が難しいのですよ。最初から用意されていた将も大勢いるので、元領主で現実にいるプレイヤーなのか、そうではないのか、本人の申告がなければ判別できないんです。だから自分以外のプレイヤーが誰なのかということが、領主以外の中から見つけ出すのは難しかったんです」
仲林アナがおもむろに遠い目をする。どうにか仲間を見つけようとしていたが、思い通りにならず苦労してきたのだろう。
何か語りたそうな気配がしたが、仲林アナは「自分語りはさて置いて」と自分を抑えて話を続ける。
「領主でいる間に接点を作ろうとしても、すぐに討たれて他の将に紛れてしまい、現実でのコンタクトに繋げることはできませんでした……ゲームのシステムを知ろうとしている間に攻められるんですから、万全に対応できる訳がありません」
ふと俺の頭に白澤が浮かぶ。
まったく何も知らずにゲームを始めてしまったが、白澤がいたおかげで随分助けられた。
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