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八話 本当の仲間は誰?
●生々しく、そして愛おしい
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いつもは催淫効果のある潤滑の軟膏と華候焔たちに抱かれた後の名残りで、何をされても体が簡単に反応する状態で英正を迎えていた。
だから、こうして体がまともな状態で英正と肌を合わせるのは初めてだ。
そして俺が、本当の自分の体を使っていると分かった上で、自ら褒美を与える行為を望んだことも初めて――恥ずかしさで逃げたくなる。
不意に英正の指が俺のうなじをなぞる。
ビクッと肩を跳ねさせてしまった俺を見て、英正の目がさらに恍惚に蕩けた。
「誠人様……私のような領民上がりの者が、こうして最上の褒美を得られるなんて……いつ死んでも悔いはありません」
「……ちゃんと生きて帰って来てくれ。英正がいなくなったら俺は――」
俺の領民から将になった英正が、プレイヤーである領主のように現実に存在する者がいるかどうかは分からない。
ただ確かなことは、領民出身の将は領主を絶対に裏切らないということ。
英正と表涼は純粋に俺のために動き、命を賭して尽くしてくれる。
そして体を重ねて絆を深めた英正は、俺にとって心の支えになっている。
華候焔や英正にも支えられているし、絆は生まれていると信じたい。少なくとも俺にとって、体の関係を持っている彼らも特別だ。
それでも完全に肩の力を抜いて向き合うことができるのは英正だけだ。
何か裏があるかもしれないと、あれこれ考える必要がない相手だから。
俺は自分から首を伸ばして英正に口付ける。
唇の柔らかさ、口内や舌の熱さ、もどかしげな吐息。何もかもが生々しく、そして愛おしい。
現実の俺の体が英正を感じて、ここに存在するものすべても現実なのだと実感していく。
何度もどちらともない口付けを繰り返し、倒れ込んだ後も愛撫を続け、俺たちはこの時を惜しむようにゆっくりと昂り合う。
英正が軟膏を指ですくい、俺の後孔へ塗り込める頃には、もうそれだけで目の前が快楽の火花で白黒に点滅した。
「アッ……ぅ……ぁぁ……っ」
丹念に中を拡げていく指の動きだけで体が追い詰められ、競り上がってくる淫靡な感覚に目が潤んでしまう。
思わず英正の二の腕にしがみついて力なく掻けば、ますます指を奥に埋めながら俺をなだめるように口付けてくる。
後孔が甘く脈打つ。しかし俺の中の疼きは晴れるどころか濃さをますだけ。
早く埋めて欲しくて思わず自分から腰を英正に押し付け、はしたなく揺らして強請ってしまう。
唇を離し、英正が艶めかしく息をつく。
「私が、欲しいですか……?」
完全に理性が溶け切った俺の頭は、なぜ今さらそれを聞くのかと戸惑う。そして体の欲求に突き動かされるままに口を開いた。
だから、こうして体がまともな状態で英正と肌を合わせるのは初めてだ。
そして俺が、本当の自分の体を使っていると分かった上で、自ら褒美を与える行為を望んだことも初めて――恥ずかしさで逃げたくなる。
不意に英正の指が俺のうなじをなぞる。
ビクッと肩を跳ねさせてしまった俺を見て、英正の目がさらに恍惚に蕩けた。
「誠人様……私のような領民上がりの者が、こうして最上の褒美を得られるなんて……いつ死んでも悔いはありません」
「……ちゃんと生きて帰って来てくれ。英正がいなくなったら俺は――」
俺の領民から将になった英正が、プレイヤーである領主のように現実に存在する者がいるかどうかは分からない。
ただ確かなことは、領民出身の将は領主を絶対に裏切らないということ。
英正と表涼は純粋に俺のために動き、命を賭して尽くしてくれる。
そして体を重ねて絆を深めた英正は、俺にとって心の支えになっている。
華候焔や英正にも支えられているし、絆は生まれていると信じたい。少なくとも俺にとって、体の関係を持っている彼らも特別だ。
それでも完全に肩の力を抜いて向き合うことができるのは英正だけだ。
何か裏があるかもしれないと、あれこれ考える必要がない相手だから。
俺は自分から首を伸ばして英正に口付ける。
唇の柔らかさ、口内や舌の熱さ、もどかしげな吐息。何もかもが生々しく、そして愛おしい。
現実の俺の体が英正を感じて、ここに存在するものすべても現実なのだと実感していく。
何度もどちらともない口付けを繰り返し、倒れ込んだ後も愛撫を続け、俺たちはこの時を惜しむようにゆっくりと昂り合う。
英正が軟膏を指ですくい、俺の後孔へ塗り込める頃には、もうそれだけで目の前が快楽の火花で白黒に点滅した。
「アッ……ぅ……ぁぁ……っ」
丹念に中を拡げていく指の動きだけで体が追い詰められ、競り上がってくる淫靡な感覚に目が潤んでしまう。
思わず英正の二の腕にしがみついて力なく掻けば、ますます指を奥に埋めながら俺をなだめるように口付けてくる。
後孔が甘く脈打つ。しかし俺の中の疼きは晴れるどころか濃さをますだけ。
早く埋めて欲しくて思わず自分から腰を英正に押し付け、はしたなく揺らして強請ってしまう。
唇を離し、英正が艶めかしく息をつく。
「私が、欲しいですか……?」
完全に理性が溶け切った俺の頭は、なぜ今さらそれを聞くのかと戸惑う。そして体の欲求に突き動かされるままに口を開いた。
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