74 / 345
●五話 平等で甘美な褒美
●乱れながらも1
しおりを挟む
顔が熱い。こんな扱いを受けて、恥ずかしがるなというほうが無理な話だ。
離してくれと暴れたいのに体は硬直したまま。がっちりと抱え込む華候焔の腕の逞しさに抗えない。
ゆっくりと浴槽から運び出され、すぐ近くの壁の前に立たされる。
視界の脇で華候焔が木桶に湯を汲み、その中に手を入れてガシュ、ガシュ、と音を立て始める。次第にボディーソープを出す時のようなブシュッ、ブシュッ、という音に変わり、俺は思わず振り向いて詳細を見る。
いつの間にか木桶の中は白い泡でいっぱいになり、今にも桶から零れそうになっていた。
「せ、石鹸……? ここでは見ていなかったような……」
「これは実泡だ。麻の袋に泡立つ実を入れた物を湯に浸けて揉むと、こんな風に泡立つんだ。汚れもよく落ちるし、肌の触り心地も良くなる」
言いながら華候焔は泡をすくい取り、俺の胸へ塗りたくる。
見た目は現実で見知ったボディーソープの泡だが、感触はそれよりも粘り気があり肌に張り付いてくる。華候焔の手がぬるぬると滑り、感じやすくなっている俺の体を悦ばせる。
「あっ……く、ぅ……ッ……」
力が抜け、俺は体勢を崩しかけて咄嗟に壁に手をつく。
もう身悶えることしかできない俺を楽しむように、華候焔が背後でクスリと笑う。
「誠人の体は覚えが早くていいなあ。教え甲斐がある。後はもっと乱れてくれたら最高だな……真っ当な道に戻れないほど俺に狂わせたい」
不意に顎を掴まれ、俺は顔を上向きにされる。
すぐ近くに華候焔の顔があり、思わず心臓が跳ねる。そんな翻弄されるしかない俺から華候焔は唇を奪い、俺の全身に手を這わせて淫らに清めていく。
肌を傷めないように優しい手つきで泡をつけられ、撫でさする動きが俺をどこまでも追い詰める。
それでも本当に触れて欲しい所へはなかなか手を伸ばさず、華候焔は俺の太腿の内側や腰回りを丹念に撫でてくる。
たまに指先が昂った先端や双丘の割れ目に触れ、その度に全身が甘く痺れて「ぅぅ……」と唸ってしまう。
もどかしい。いっそめちゃくちゃに触れられ、激しく貫かれてしまいたい。
そんな欲情が俺に腰を揺らさせ、華候焔からの口付けに舌を絡ませる。
俺の期待に応えるように華候焔が背後にぴたりと体をつけ、俺以上に昂った熱棒を当ててくる。
そして俺の脚の間にそれを挟ませ、腰を掴んで揺さぶった。
よく滑る泡のせいで、ぬちゅぬちゅと華候焔のものが脚の間をなめらかに前後する。
挿れられていないのに、腰がぶつかり合い、尻肉を叩かれ、弱い所を下から肉棒で撫でられ――甘いだけの刺激に俺は頭を振り乱した。
離してくれと暴れたいのに体は硬直したまま。がっちりと抱え込む華候焔の腕の逞しさに抗えない。
ゆっくりと浴槽から運び出され、すぐ近くの壁の前に立たされる。
視界の脇で華候焔が木桶に湯を汲み、その中に手を入れてガシュ、ガシュ、と音を立て始める。次第にボディーソープを出す時のようなブシュッ、ブシュッ、という音に変わり、俺は思わず振り向いて詳細を見る。
いつの間にか木桶の中は白い泡でいっぱいになり、今にも桶から零れそうになっていた。
「せ、石鹸……? ここでは見ていなかったような……」
「これは実泡だ。麻の袋に泡立つ実を入れた物を湯に浸けて揉むと、こんな風に泡立つんだ。汚れもよく落ちるし、肌の触り心地も良くなる」
言いながら華候焔は泡をすくい取り、俺の胸へ塗りたくる。
見た目は現実で見知ったボディーソープの泡だが、感触はそれよりも粘り気があり肌に張り付いてくる。華候焔の手がぬるぬると滑り、感じやすくなっている俺の体を悦ばせる。
「あっ……く、ぅ……ッ……」
力が抜け、俺は体勢を崩しかけて咄嗟に壁に手をつく。
もう身悶えることしかできない俺を楽しむように、華候焔が背後でクスリと笑う。
「誠人の体は覚えが早くていいなあ。教え甲斐がある。後はもっと乱れてくれたら最高だな……真っ当な道に戻れないほど俺に狂わせたい」
不意に顎を掴まれ、俺は顔を上向きにされる。
すぐ近くに華候焔の顔があり、思わず心臓が跳ねる。そんな翻弄されるしかない俺から華候焔は唇を奪い、俺の全身に手を這わせて淫らに清めていく。
肌を傷めないように優しい手つきで泡をつけられ、撫でさする動きが俺をどこまでも追い詰める。
それでも本当に触れて欲しい所へはなかなか手を伸ばさず、華候焔は俺の太腿の内側や腰回りを丹念に撫でてくる。
たまに指先が昂った先端や双丘の割れ目に触れ、その度に全身が甘く痺れて「ぅぅ……」と唸ってしまう。
もどかしい。いっそめちゃくちゃに触れられ、激しく貫かれてしまいたい。
そんな欲情が俺に腰を揺らさせ、華候焔からの口付けに舌を絡ませる。
俺の期待に応えるように華候焔が背後にぴたりと体をつけ、俺以上に昂った熱棒を当ててくる。
そして俺の脚の間にそれを挟ませ、腰を掴んで揺さぶった。
よく滑る泡のせいで、ぬちゅぬちゅと華候焔のものが脚の間をなめらかに前後する。
挿れられていないのに、腰がぶつかり合い、尻肉を叩かれ、弱い所を下から肉棒で撫でられ――甘いだけの刺激に俺は頭を振り乱した。
11
お気に入りに追加
427
あなたにおすすめの小説


ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜
古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。
かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。
その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。
ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。
BLoveさんに先行書き溜め。
なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)


美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる