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●五話 平等で甘美な褒美
●湯船での戯れ
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つぅ――、と。華候焔の指が俺の背をなぞる。
「……ッ……」
キスをされながら、堪えようもなく俺の体が跳ねる。
華候焔が上手いのか、俺が弱いのか……。無理強いされている訳ではないのに、たったこれだけで感じてしまっている自分が負けている気分になってしまう。
背中をからかう不埒な指は、戯れにうなじや首筋をこそばゆくなぞり、俺を翻弄する。
力が抜けていく。
早く俺にしがみついて快楽を請えとほくそ笑まれている気がして、悔しさが込み上げてくる。
ほとんど意地で我慢していたが――ツツ、と腰の付け根をなぞられた瞬間、俺の全身が大きく疼き、反射で華候焔の首にしがみついていた。
傍から見れば、俺からも熱烈に求めているように見えるだろう。
だが違う。ただ湯船に沈まないよう、一番捕まりやすいものに手を出したに過ぎない。
しかし華候焔はそう考えてはくれなかった。
「昨日から俺とこうなりたくて我慢していたんだな。まあ慌てなくていい。これからたっぷりとここを愛でてやろう」
言いながら俺の尻肉を掴み、ぎゅむ、と指を食い込ませる。
その時に華候焔の薬指が俺の後孔を押し、入り口を浅く弄り出す。
ああ、わざとだ。手つきが意図的だ。
華候焔の思惑で体が煽られてしまい、俺は疼くままに身悶える。
「ぁ……っ……ぅ、ぅ……ッ」
しがみつく腕に思わず力が入り、自然と華候焔と肌を密着させる。
風呂で温まった肌がみっちりと吸いつき、互いの盛り上がった胸筋が押し合う。
ここまで刺激されて、体が昂らないはずがない。
股間が熱く疼き始めてしまい、俺は刺激を求めて腰を華候焔へ押し付けようとする。
なんでもいい。擦りつけて早く楽に……。
俺の要求は華候焔に筒抜けだった。
けれど華候焔はわざと俺から体を離し、ニヤリと笑う。
「風呂の中でやったらのぼせるだろ。ほら上がれ。俺が洗ってやろう」
魅力的な誘いに俺の体が湯から出かかる。
だが素直になれない理性が俺を思い留まらせてしまう。
ここから出れば、華候焔に欲情してしまっている自分を曝け出してしまう。
見て欲しくなくて息を詰まらせながら腰を落とし、俺はどうにか小首を振る。
「い、いや、大丈夫だ。自分で洗うから、先に華候焔が身を清めてくれ」
「俺は宴が始まる前に清めたから問題ない。ほら遠慮するな。俺を欲しがっているのは分かってるんだから、今さら恥ずかしがらなくてもいい」
「しかし……っ」
「俺に触って欲しいんだろ、誠人は? 遠慮するな」
突然、ザバァァ……ッ、と華候焔が立ち上がる。
俺を軽々と抱き上げ、こちらの要望を一切無視して浴槽から出てしまう――淫らに反応してしまった俺の昂りを目の当たりにし、華候焔は「いい眺めだ」と呟いた。
「……ッ……」
キスをされながら、堪えようもなく俺の体が跳ねる。
華候焔が上手いのか、俺が弱いのか……。無理強いされている訳ではないのに、たったこれだけで感じてしまっている自分が負けている気分になってしまう。
背中をからかう不埒な指は、戯れにうなじや首筋をこそばゆくなぞり、俺を翻弄する。
力が抜けていく。
早く俺にしがみついて快楽を請えとほくそ笑まれている気がして、悔しさが込み上げてくる。
ほとんど意地で我慢していたが――ツツ、と腰の付け根をなぞられた瞬間、俺の全身が大きく疼き、反射で華候焔の首にしがみついていた。
傍から見れば、俺からも熱烈に求めているように見えるだろう。
だが違う。ただ湯船に沈まないよう、一番捕まりやすいものに手を出したに過ぎない。
しかし華候焔はそう考えてはくれなかった。
「昨日から俺とこうなりたくて我慢していたんだな。まあ慌てなくていい。これからたっぷりとここを愛でてやろう」
言いながら俺の尻肉を掴み、ぎゅむ、と指を食い込ませる。
その時に華候焔の薬指が俺の後孔を押し、入り口を浅く弄り出す。
ああ、わざとだ。手つきが意図的だ。
華候焔の思惑で体が煽られてしまい、俺は疼くままに身悶える。
「ぁ……っ……ぅ、ぅ……ッ」
しがみつく腕に思わず力が入り、自然と華候焔と肌を密着させる。
風呂で温まった肌がみっちりと吸いつき、互いの盛り上がった胸筋が押し合う。
ここまで刺激されて、体が昂らないはずがない。
股間が熱く疼き始めてしまい、俺は刺激を求めて腰を華候焔へ押し付けようとする。
なんでもいい。擦りつけて早く楽に……。
俺の要求は華候焔に筒抜けだった。
けれど華候焔はわざと俺から体を離し、ニヤリと笑う。
「風呂の中でやったらのぼせるだろ。ほら上がれ。俺が洗ってやろう」
魅力的な誘いに俺の体が湯から出かかる。
だが素直になれない理性が俺を思い留まらせてしまう。
ここから出れば、華候焔に欲情してしまっている自分を曝け出してしまう。
見て欲しくなくて息を詰まらせながら腰を落とし、俺はどうにか小首を振る。
「い、いや、大丈夫だ。自分で洗うから、先に華候焔が身を清めてくれ」
「俺は宴が始まる前に清めたから問題ない。ほら遠慮するな。俺を欲しがっているのは分かってるんだから、今さら恥ずかしがらなくてもいい」
「しかし……っ」
「俺に触って欲しいんだろ、誠人は? 遠慮するな」
突然、ザバァァ……ッ、と華候焔が立ち上がる。
俺を軽々と抱き上げ、こちらの要望を一切無視して浴槽から出てしまう――淫らに反応してしまった俺の昂りを目の当たりにし、華候焔は「いい眺めだ」と呟いた。
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