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三話 逃れられぬ世界
●逆らえない体2
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「う……っ……ぁ、あ……ッ……」
「ほら、四つん這いになるまで挿れないぞ? せっかくの体力が削られて、執政どころじゃなくなるな」
耳元で囁かれ、思わず顔を歪めてしまう。
華候焔は俺が従うまで、この淫らな責めをやめない。
となれば、このまま俺が堪えるだけ時間の無駄だ。
自分の羞恥を優先するだけ、俺はこの世界で勝ち抜けなくなる。
体が熱い。中が疼いてたまらない。
……それでもこれは、快感に屈した訳じゃない。
俺はゆるりと体を起こし、言われた通りの格好になる。
発情した獣が雄を心待ちにするかのような姿に泣きたくなってしまう。
だが涙を流すだけ心が負ける。
いくら体を搾取されようと、俺は華候焔の主だ。惨めだと嘆いて、この気まぐれな猛者の興を冷ましてはいけない。
俺はわずかに後方を向き、華候焔を見る。
「……これで、いいか? 早く来てくれ……」
誘い文句にしては色気のない促し。
だが華候焔は目を色めき立たせ、小さく舌舐めずりした。
「いいなあ、誠人。分かった。望み通りにやってやる」
おもむろに俺の腰を掴み、華候焔が欲情の塊を挿し込んでくる。
慣れない異物感に息が詰まる。だが、もう知ってしまったもの。苦しさはあるが恐れは薄い。むしろ――。
「あぁぁ……ッ……ぁ……焔……っ……」
押さえなけれいけない声が勝手に出てくる。
奥へ沈む動きに合わせ、俺の背筋がゾクゾクと疼いてたまらない。
行き止まりへと辿り着けば、腰を大きく緩やかに振り、華候焔は俺の中を堪能する。
揺さぶりと貫き。戯れに繰り返される刺激に俺は溺れていく。
動きに合わせて自分からも腰を揺らせば、からだの奥に溜まる一方の疼きを散らし、小刻みの快楽に酔いしれる。
俺の股間では、興奮し切ったものが寂しく揺れる。
今日はまったく触っていないそこが、直接触れて欲しいと疼いてたまらない。
前へ伝わる鮮明な快感は、最奥を抉られた時に股間の底を突き上げ、全身に溜まった疼きを押し上げようとしてくれる。
出したくてたまらなくて、思わず俺は自分のものを扱こうと手を伸ばす。
だが華候焔に手の甲から大きな手を重ねられ、許してはくれなかった。
「安心しろ、俺が出させてやる……もっと感じろ。よがれ……っ……俺に、今だけすべてを預けろ」
身勝手な誘いだが、今の本能に抗えない俺にはありがた過ぎる。
感じるままに腰や頭を揺らし、華候焔の欲を受け入れ、どこまでも悦びを覚えていく。
「ほら、四つん這いになるまで挿れないぞ? せっかくの体力が削られて、執政どころじゃなくなるな」
耳元で囁かれ、思わず顔を歪めてしまう。
華候焔は俺が従うまで、この淫らな責めをやめない。
となれば、このまま俺が堪えるだけ時間の無駄だ。
自分の羞恥を優先するだけ、俺はこの世界で勝ち抜けなくなる。
体が熱い。中が疼いてたまらない。
……それでもこれは、快感に屈した訳じゃない。
俺はゆるりと体を起こし、言われた通りの格好になる。
発情した獣が雄を心待ちにするかのような姿に泣きたくなってしまう。
だが涙を流すだけ心が負ける。
いくら体を搾取されようと、俺は華候焔の主だ。惨めだと嘆いて、この気まぐれな猛者の興を冷ましてはいけない。
俺はわずかに後方を向き、華候焔を見る。
「……これで、いいか? 早く来てくれ……」
誘い文句にしては色気のない促し。
だが華候焔は目を色めき立たせ、小さく舌舐めずりした。
「いいなあ、誠人。分かった。望み通りにやってやる」
おもむろに俺の腰を掴み、華候焔が欲情の塊を挿し込んでくる。
慣れない異物感に息が詰まる。だが、もう知ってしまったもの。苦しさはあるが恐れは薄い。むしろ――。
「あぁぁ……ッ……ぁ……焔……っ……」
押さえなけれいけない声が勝手に出てくる。
奥へ沈む動きに合わせ、俺の背筋がゾクゾクと疼いてたまらない。
行き止まりへと辿り着けば、腰を大きく緩やかに振り、華候焔は俺の中を堪能する。
揺さぶりと貫き。戯れに繰り返される刺激に俺は溺れていく。
動きに合わせて自分からも腰を揺らせば、からだの奥に溜まる一方の疼きを散らし、小刻みの快楽に酔いしれる。
俺の股間では、興奮し切ったものが寂しく揺れる。
今日はまったく触っていないそこが、直接触れて欲しいと疼いてたまらない。
前へ伝わる鮮明な快感は、最奥を抉られた時に股間の底を突き上げ、全身に溜まった疼きを押し上げようとしてくれる。
出したくてたまらなくて、思わず俺は自分のものを扱こうと手を伸ばす。
だが華候焔に手の甲から大きな手を重ねられ、許してはくれなかった。
「安心しろ、俺が出させてやる……もっと感じろ。よがれ……っ……俺に、今だけすべてを預けろ」
身勝手な誘いだが、今の本能に抗えない俺にはありがた過ぎる。
感じるままに腰や頭を揺らし、華候焔の欲を受け入れ、どこまでも悦びを覚えていく。
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