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二章 ガチムチ占い師のお導き~お前が占い師なのかよっ!~
●それぞれの了承
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「……ふ、二人って……ルカ兄……」
どっちも動揺しているが、アグードのほうがショックが大きそうだ。血の気が引いて青ざめている。
そりゃそうだよな。アグードじゃ足りないって言ってるようなものだし。
しかもオレにベタ惚れしてるっぽいもんな。他のヤツにオレを触らせるなんてイヤに決まってるよな。
少しでもショックを和らげてやりたくて、オレはアグードに首を伸ばして口づけた。
「悪ぃな……お前が悪いんじゃなくて、淫紋が、魔物のせいで増えて……ぅ……」
言いながらシャツの裾をめくると、布がこすれる感触だけで体が感じてしまう。
露わになったオレの淫紋を見て、アグードが息を止める。
「いつの間に……まさか、昼間の時に?」
「クウガの体をサダナックが操って、それで……一応クウガが助けてくれたから、どうにかなったけど」
「……クウガが、ルカ兄を?」
「それで今日は大丈夫だろって思ったんだけど……夜になったら、この調子だ……もう耐えられない……」
オレはアグードの頬を両手で挟み、蕩けていく目で揺れている瞳を覗き込む。
「お前が嫌なら、無理強いはしないけど……お前も欲しい」
「ルカ兄……」
普段のオレなら絶対にやらないような誘いに、アグードの目が熱を宿していく。
そしてオレに顔を突き出して唇を奪うと、おもむろにオレを抱き上げてベッドに連れて行ってくれた。
本当にコイツは良い弟分で忠犬だ。
ご褒美は必要だよな、と思いながら深々と口づけを交わして、しばらく喜ばせてやる。
ふと視線に気づいて横を見やれば、愕然とした顔でクウガがオレたちを見つめていた。
唇から首筋を吸い始めたアグードの髪を撫でながら、オレはクウガに笑いかける。
「……っ……お前は来てくれないのか、クウガ……?」
「俺は……」
「またヤりたそうな顔してたクセに……こんな体になったの、クウガのせいだから……お前は、責任取ってくれるんだろ?」
力の抜けた腕を伸ばし、クウガに向けて淫らに手招く。
「来いよ……なあ……」
オレの誘いにおびき寄せられるように、クウガがフラフラと近づいてくる。
そしてしばらくオレを見下ろした後――。
「……本当に、これがルカのためになるのか?」
「つべこべ言わずに、助けろよクウガ……いつも助けて欲しくない時に助けてたクセに、本当にオレが助けて欲しい時には、助けない気かよ……」
今のクウガに言っても分からないことを思わずぶつけてしまう。
前世では、オレがクウガに『助けて』なんて一言も言わなかったのに。
なのにコイツは、目ざとくオレのピンチに気づいて、駆けつけて、手を出しまくっていた。
オレは頼んでもいなければ、望んでもいなかったんだけどな。
それでどれだけオレは腹を立てただろうか――勝手なクウガにも、一瞬でも嬉しいと思ってしまった自分にも。
「……君が、真にそれを望むなら――」
クウガが身を屈め、オレに了承の口づけを与えてくる。
唇と首。二つの吐息を覚えて、オレは今までにない満ち足りた気分に口元を緩めた。
どっちも動揺しているが、アグードのほうがショックが大きそうだ。血の気が引いて青ざめている。
そりゃそうだよな。アグードじゃ足りないって言ってるようなものだし。
しかもオレにベタ惚れしてるっぽいもんな。他のヤツにオレを触らせるなんてイヤに決まってるよな。
少しでもショックを和らげてやりたくて、オレはアグードに首を伸ばして口づけた。
「悪ぃな……お前が悪いんじゃなくて、淫紋が、魔物のせいで増えて……ぅ……」
言いながらシャツの裾をめくると、布がこすれる感触だけで体が感じてしまう。
露わになったオレの淫紋を見て、アグードが息を止める。
「いつの間に……まさか、昼間の時に?」
「クウガの体をサダナックが操って、それで……一応クウガが助けてくれたから、どうにかなったけど」
「……クウガが、ルカ兄を?」
「それで今日は大丈夫だろって思ったんだけど……夜になったら、この調子だ……もう耐えられない……」
オレはアグードの頬を両手で挟み、蕩けていく目で揺れている瞳を覗き込む。
「お前が嫌なら、無理強いはしないけど……お前も欲しい」
「ルカ兄……」
普段のオレなら絶対にやらないような誘いに、アグードの目が熱を宿していく。
そしてオレに顔を突き出して唇を奪うと、おもむろにオレを抱き上げてベッドに連れて行ってくれた。
本当にコイツは良い弟分で忠犬だ。
ご褒美は必要だよな、と思いながら深々と口づけを交わして、しばらく喜ばせてやる。
ふと視線に気づいて横を見やれば、愕然とした顔でクウガがオレたちを見つめていた。
唇から首筋を吸い始めたアグードの髪を撫でながら、オレはクウガに笑いかける。
「……っ……お前は来てくれないのか、クウガ……?」
「俺は……」
「またヤりたそうな顔してたクセに……こんな体になったの、クウガのせいだから……お前は、責任取ってくれるんだろ?」
力の抜けた腕を伸ばし、クウガに向けて淫らに手招く。
「来いよ……なあ……」
オレの誘いにおびき寄せられるように、クウガがフラフラと近づいてくる。
そしてしばらくオレを見下ろした後――。
「……本当に、これがルカのためになるのか?」
「つべこべ言わずに、助けろよクウガ……いつも助けて欲しくない時に助けてたクセに、本当にオレが助けて欲しい時には、助けない気かよ……」
今のクウガに言っても分からないことを思わずぶつけてしまう。
前世では、オレがクウガに『助けて』なんて一言も言わなかったのに。
なのにコイツは、目ざとくオレのピンチに気づいて、駆けつけて、手を出しまくっていた。
オレは頼んでもいなければ、望んでもいなかったんだけどな。
それでどれだけオレは腹を立てただろうか――勝手なクウガにも、一瞬でも嬉しいと思ってしまった自分にも。
「……君が、真にそれを望むなら――」
クウガが身を屈め、オレに了承の口づけを与えてくる。
唇と首。二つの吐息を覚えて、オレは今までにない満ち足りた気分に口元を緩めた。
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