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二章 ガチムチ占い師のお導き~お前が占い師なのかよっ!~
まさかの欲求不満
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◇ ◇ ◇
朝になってオレたちは街を出て、ガチムチ神の占いに従って聖玉を探しに向かった。
北の山を二つも越えなきゃいけないなんて……。
これが気ままに旅をするだけなら山の一つや二つ、良いトレーニングになるからって気分よく歩けるのに――。
「ルカ、大丈夫か? 顔をそんなにしかめて……どこか痛めているのか?」
「うるせークウガ。オレに構うな! 別に痛くもなんともねぇよ!」
完全に取り繕うことを諦めたオレは、山道を歩きながら心配してくるクウガに噛みつく。
別に強がってるワケじゃない。どこも痛めていない――回復魔法で抱き潰された形跡は消えているが、尻に違和感が残っているけど。
でも、今オレは、猛烈にイライラしてる。
自分でも顔をしかめて凶悪なツラしながら歩いている自覚がある。クウガが心配する気持ちも分からんでもない。
だけど目が覚めてからずっと腹が立って、今すぐ誰でもいいからケンカしたい気分だ。
理由はなんとなく分かっている。
スゲー認めたくねぇけど……。
オレの不機嫌さをアグードも感じ取って、背後からそっと近づいて耳打ちしてくる。
「……ルカ兄、俺のせいで満足できてない――」
「ち、違うからな、アグード! そんなんじゃないから!」
オレは慌てて首を全力で横に振る。
速攻で否定したけれど、いつもより大げさなせいで察してしまったのか、アグードは口を閉ざしながら表情を曇らせてしまう。
ああ、上手く反応できない。明らかに調子が悪い。
思わずオレは大きなため息をつく。
(あれだけ昨日ヤりまくったのに、体が欲求不満っぽいなんて……)
目が覚めて淫紋の力は鎮まっていたが、体はスッキリしていなかった。
軽く火照っていて、尻に何もない状態が妙に落ち着かなくて、全身がぼんやりと曇ったような感じ。
そしてオレがこんな思いをしているのは、クウガのせいなんだって思ったら、いつになく腹が立って仕方がなかった。
クウガの顔を見てしまうと、お前のせいでこんなもどかしい思いをするハメになったんだと責めたくてたまらない。
しかも問答無用で張り倒して、胸倉を掴んで言ってしまいたくなる。『お前が責任を取りやがれ!』と。
(いやいやいやいや! 責任取れって、クウガにオレを抱けって言うようなもんだろ。勘弁してくれよ……何が悲しくて腐れ縁のコイツに抱かれなくちゃいけないんだ――)
心の中で頭を抱えながらぼやくが、一瞬オレの頭の中に淫らな絵がよぎってしまう。
クウガに組み敷かれて、激しく体を貫かれるオレ。
――体の奥がジンとなって、危うく力が抜けそうだった。
朝になってオレたちは街を出て、ガチムチ神の占いに従って聖玉を探しに向かった。
北の山を二つも越えなきゃいけないなんて……。
これが気ままに旅をするだけなら山の一つや二つ、良いトレーニングになるからって気分よく歩けるのに――。
「ルカ、大丈夫か? 顔をそんなにしかめて……どこか痛めているのか?」
「うるせークウガ。オレに構うな! 別に痛くもなんともねぇよ!」
完全に取り繕うことを諦めたオレは、山道を歩きながら心配してくるクウガに噛みつく。
別に強がってるワケじゃない。どこも痛めていない――回復魔法で抱き潰された形跡は消えているが、尻に違和感が残っているけど。
でも、今オレは、猛烈にイライラしてる。
自分でも顔をしかめて凶悪なツラしながら歩いている自覚がある。クウガが心配する気持ちも分からんでもない。
だけど目が覚めてからずっと腹が立って、今すぐ誰でもいいからケンカしたい気分だ。
理由はなんとなく分かっている。
スゲー認めたくねぇけど……。
オレの不機嫌さをアグードも感じ取って、背後からそっと近づいて耳打ちしてくる。
「……ルカ兄、俺のせいで満足できてない――」
「ち、違うからな、アグード! そんなんじゃないから!」
オレは慌てて首を全力で横に振る。
速攻で否定したけれど、いつもより大げさなせいで察してしまったのか、アグードは口を閉ざしながら表情を曇らせてしまう。
ああ、上手く反応できない。明らかに調子が悪い。
思わずオレは大きなため息をつく。
(あれだけ昨日ヤりまくったのに、体が欲求不満っぽいなんて……)
目が覚めて淫紋の力は鎮まっていたが、体はスッキリしていなかった。
軽く火照っていて、尻に何もない状態が妙に落ち着かなくて、全身がぼんやりと曇ったような感じ。
そしてオレがこんな思いをしているのは、クウガのせいなんだって思ったら、いつになく腹が立って仕方がなかった。
クウガの顔を見てしまうと、お前のせいでこんなもどかしい思いをするハメになったんだと責めたくてたまらない。
しかも問答無用で張り倒して、胸倉を掴んで言ってしまいたくなる。『お前が責任を取りやがれ!』と。
(いやいやいやいや! 責任取れって、クウガにオレを抱けって言うようなもんだろ。勘弁してくれよ……何が悲しくて腐れ縁のコイツに抱かれなくちゃいけないんだ――)
心の中で頭を抱えながらぼやくが、一瞬オレの頭の中に淫らな絵がよぎってしまう。
クウガに組み敷かれて、激しく体を貫かれるオレ。
――体の奥がジンとなって、危うく力が抜けそうだった。
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