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二章 ガチムチ占い師のお導き~お前が占い師なのかよっ!~
まさかの再開
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「この路地を入った所に占い師がいる。風貌は変わっているが、占いの腕は確かだ。ルカの呪いのことも見てくれると思う」
案内するように先頭をクウガが歩いていく。
正直クウガには近づきたくないが、アグードとは一発触発な危うさがある。仕方なくオレがクウガの後ろに続く。
先へ進むほどに薄暗さが増して、怪しさが漂ってくる。
よくこんな所にいるヤツをアテにできるなあ、と思いながら歩いていけば、突き当りに黒い扉が現れる。ますます怪しい。
軽く引いているオレをよそに、クウガは迷うことなく扉を開けた。
建物の中はレトロな雑貨屋やカフェのような、意外と清潔感があってオシャレなものだった。飾ってある風景画やランプなどのセンスがいい。
これは意外だな、と辺りを見渡しながら思っていると、奥から物音が聞こえた。
「すまない、また寄らせてもらった。力を貸してくれないだろうか?」
クウガが木のカウンター越しに声をかける。すると、
「うむ。来るのは分かっておったぞ、クウガよ」
聞き覚えのある声と話し方に、オレは思わず首を傾げる。
そして奥の部屋からヌッと現れたのは――黒いローブを着ていても分かってしまう、見事なマッチョのヒゲおっさん。
「あああああっ! お前っ、死後の世界で会ったヒゲおっさんなマッチョ神!」
オレが大声を出しながらヒゲおっさんを指差すと、おっさんは微笑を浮かべながらシュンッと素早くオレの元へ駆けつけた。
むぐっ。おっさんはオレの口を手で押さえ、ひそひそ声で話しかけてくる。
「すまぬが儂の正体は秘密にしてくれ。頼む」
「え、なんでだよ?」
「本来は神が直接世界に関わることはせんのだが……お主が転生した後に事故があってな。儂はそれに巻き込まれてしまい、この地上に落ちてしまったんだ」
事故?
オレが転生した後ってことは、クウガに何か起きたってことなのか??
言葉に出さなくても心の声が読めるのか、おっさんは短く頷いた。
「そういうことだ。おかげでクウガの呪いをどうにかせねば、儂は天上に戻れぬ」
いったいどんな事故が起きたんだよ? スゲー気になる。でも、クウガのことに詳しくなったら、腐れ縁が完全復活しそうな気がする。
だからオレは小刻みに頷き、全力でおっさんを受け入れる。
「分かった。じゃあオレが早く呪い解いてやるから、協力してくれ」
「うむ、もちろんだ」
おっさんはホッと顔を安堵で揺らんだ後、おもむろに椅子に座って脇から水晶玉を取り出した。
「……クウガよ、呪いを封じる者を無事に連れて来たようだな」
「ああ。これで魔物の元へ行ける。あとは倒すのみ……さあ魔物の居場所を教えて欲しい」
案内するように先頭をクウガが歩いていく。
正直クウガには近づきたくないが、アグードとは一発触発な危うさがある。仕方なくオレがクウガの後ろに続く。
先へ進むほどに薄暗さが増して、怪しさが漂ってくる。
よくこんな所にいるヤツをアテにできるなあ、と思いながら歩いていけば、突き当りに黒い扉が現れる。ますます怪しい。
軽く引いているオレをよそに、クウガは迷うことなく扉を開けた。
建物の中はレトロな雑貨屋やカフェのような、意外と清潔感があってオシャレなものだった。飾ってある風景画やランプなどのセンスがいい。
これは意外だな、と辺りを見渡しながら思っていると、奥から物音が聞こえた。
「すまない、また寄らせてもらった。力を貸してくれないだろうか?」
クウガが木のカウンター越しに声をかける。すると、
「うむ。来るのは分かっておったぞ、クウガよ」
聞き覚えのある声と話し方に、オレは思わず首を傾げる。
そして奥の部屋からヌッと現れたのは――黒いローブを着ていても分かってしまう、見事なマッチョのヒゲおっさん。
「あああああっ! お前っ、死後の世界で会ったヒゲおっさんなマッチョ神!」
オレが大声を出しながらヒゲおっさんを指差すと、おっさんは微笑を浮かべながらシュンッと素早くオレの元へ駆けつけた。
むぐっ。おっさんはオレの口を手で押さえ、ひそひそ声で話しかけてくる。
「すまぬが儂の正体は秘密にしてくれ。頼む」
「え、なんでだよ?」
「本来は神が直接世界に関わることはせんのだが……お主が転生した後に事故があってな。儂はそれに巻き込まれてしまい、この地上に落ちてしまったんだ」
事故?
オレが転生した後ってことは、クウガに何か起きたってことなのか??
言葉に出さなくても心の声が読めるのか、おっさんは短く頷いた。
「そういうことだ。おかげでクウガの呪いをどうにかせねば、儂は天上に戻れぬ」
いったいどんな事故が起きたんだよ? スゲー気になる。でも、クウガのことに詳しくなったら、腐れ縁が完全復活しそうな気がする。
だからオレは小刻みに頷き、全力でおっさんを受け入れる。
「分かった。じゃあオレが早く呪い解いてやるから、協力してくれ」
「うむ、もちろんだ」
おっさんはホッと顔を安堵で揺らんだ後、おもむろに椅子に座って脇から水晶玉を取り出した。
「……クウガよ、呪いを封じる者を無事に連れて来たようだな」
「ああ。これで魔物の元へ行ける。あとは倒すのみ……さあ魔物の居場所を教えて欲しい」
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