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一章 細マッチョエルフの受難~転生しても腐れ縁?ありえねぇ……~
●浮かび上がる模様
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◇ ◇ ◇
――チャプン。水の冷たさが心地良い。
寝床に決めた所から少し離れた場所にあった湖に浸かり、オレは火照った息を吐く。
(あー……クウガのヤツ、厄介なもんに呪われやがって)
ついさっきまでのやり取りを思い出し、小さく舌打ちする。
魔物に肉体を奪われる呪いだとは聞いていたが、まさかすでに魔物が体を動かせるほどに乗っ取られ始めているとは……。
しかもオレにまで何か仕掛けてきやがった。人の唇を奪って、体に妙なものを――って、体はクウガだから、スゲー嫌なんだけど! 毎度思い出して腹立てる度にクウガの唇を思い出すって最悪なんだけど!
(サダナック……っ、見つけたら全力でボコってやる!)
怒りで思わず湖面をバシャンッ! と叩きつける。
でも本当に怒りをぶつけたい相手は気を失ったままで、明日にならないと起きなさそうな状態だ。
オレのファーストキス返せ! 不快極まりない記憶を消しやがれ! と胸ぐらを掴んで責めることができなくて、オレは悶々とするしかなかった。
何度も唇の感触を思い出して頭が熱くなり、湖に潜って冷やしたりを繰り返す。
そうやってどうにか落ち着きを取り戻してきた頃――。
「……ハァ……」
頭がぼうっとなってきて、熱い吐息を零してしまう。
このまま入り続けたら風邪引きそうだな。エルフに転生してから、病気にかかったことないんだけど……。
オレは湖から出ると、魔法の風で体についた水を飛ばそうとする。
でも力が入らない。
咄嗟に木に手をついて体を支えた。
「どうなってんだ? 腹の下が熱くてムズ痒いような……」
自分の下半身を覗き込むと、ぼんやりとした光が見える。
薄紅に光るそれは、オレの下腹で妖しく灯っていた。
小さなハートマークのような模様。
ジン、と体の芯が疼いて、怒りとは別の熱が込み上げてしまう。
(いつの間にこんなものが? ……まさか、サダナックがやったのか?)
思い当たるのは、オレの唇を奪ったあの時の妙な感覚。
最悪だ。あのタイミングでオレを呪いやがった!
どうにかしたくて、オレは手の平に魔力を集めて模様をこする。
消えろ、鎮まれ――心の中でそう念じてみるが、消える様子はまったくない。それどころか、
「……っ……ぁ……ふ、ぅ……」
こすれる感触が刺激になって、小さく喘いでしまう。
指で模様をカリカリと掻けば、腰の奥がキュッキュッと締まって、目の前が白く点滅する。
ヤバい、手が止まらない。
指の腹でなぞったり、優しく突いたりすると、触り方によって体の疼き方が変わる。自分の雄が昂って痛いほどなのに、そっちよりも模様を弄ることに夢中になってしまう。
自分で触ってここまで気持ちいいなら、他のヤツに触られたら――。
――一瞬、クウガのキスがよぎった。
「ぅ……アァ……ッ!」
鼓動がせわしなくなり、それに合わせて体の奥も激しく脈打つ。
……まさか、イッた?
模様触って、クウガを思い出して?
(オイ……勘弁してくれ……)
イったおかげか妙な疼きは弱まり、模様の光は小さくなる。それでも完全に消えてはくれず、体の奥に淡く残り続けてしまう。
少しだけ体に力が戻ってくる。そして理性も戻ってくる。
オレはしばらく真っ裸のまま、頭を抱えて唸るしかなかった。
――チャプン。水の冷たさが心地良い。
寝床に決めた所から少し離れた場所にあった湖に浸かり、オレは火照った息を吐く。
(あー……クウガのヤツ、厄介なもんに呪われやがって)
ついさっきまでのやり取りを思い出し、小さく舌打ちする。
魔物に肉体を奪われる呪いだとは聞いていたが、まさかすでに魔物が体を動かせるほどに乗っ取られ始めているとは……。
しかもオレにまで何か仕掛けてきやがった。人の唇を奪って、体に妙なものを――って、体はクウガだから、スゲー嫌なんだけど! 毎度思い出して腹立てる度にクウガの唇を思い出すって最悪なんだけど!
(サダナック……っ、見つけたら全力でボコってやる!)
怒りで思わず湖面をバシャンッ! と叩きつける。
でも本当に怒りをぶつけたい相手は気を失ったままで、明日にならないと起きなさそうな状態だ。
オレのファーストキス返せ! 不快極まりない記憶を消しやがれ! と胸ぐらを掴んで責めることができなくて、オレは悶々とするしかなかった。
何度も唇の感触を思い出して頭が熱くなり、湖に潜って冷やしたりを繰り返す。
そうやってどうにか落ち着きを取り戻してきた頃――。
「……ハァ……」
頭がぼうっとなってきて、熱い吐息を零してしまう。
このまま入り続けたら風邪引きそうだな。エルフに転生してから、病気にかかったことないんだけど……。
オレは湖から出ると、魔法の風で体についた水を飛ばそうとする。
でも力が入らない。
咄嗟に木に手をついて体を支えた。
「どうなってんだ? 腹の下が熱くてムズ痒いような……」
自分の下半身を覗き込むと、ぼんやりとした光が見える。
薄紅に光るそれは、オレの下腹で妖しく灯っていた。
小さなハートマークのような模様。
ジン、と体の芯が疼いて、怒りとは別の熱が込み上げてしまう。
(いつの間にこんなものが? ……まさか、サダナックがやったのか?)
思い当たるのは、オレの唇を奪ったあの時の妙な感覚。
最悪だ。あのタイミングでオレを呪いやがった!
どうにかしたくて、オレは手の平に魔力を集めて模様をこする。
消えろ、鎮まれ――心の中でそう念じてみるが、消える様子はまったくない。それどころか、
「……っ……ぁ……ふ、ぅ……」
こすれる感触が刺激になって、小さく喘いでしまう。
指で模様をカリカリと掻けば、腰の奥がキュッキュッと締まって、目の前が白く点滅する。
ヤバい、手が止まらない。
指の腹でなぞったり、優しく突いたりすると、触り方によって体の疼き方が変わる。自分の雄が昂って痛いほどなのに、そっちよりも模様を弄ることに夢中になってしまう。
自分で触ってここまで気持ちいいなら、他のヤツに触られたら――。
――一瞬、クウガのキスがよぎった。
「ぅ……アァ……ッ!」
鼓動がせわしなくなり、それに合わせて体の奥も激しく脈打つ。
……まさか、イッた?
模様触って、クウガを思い出して?
(オイ……勘弁してくれ……)
イったおかげか妙な疼きは弱まり、模様の光は小さくなる。それでも完全に消えてはくれず、体の奥に淡く残り続けてしまう。
少しだけ体に力が戻ってくる。そして理性も戻ってくる。
オレはしばらく真っ裸のまま、頭を抱えて唸るしかなかった。
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