そこにワナがあればハマるのが礼儀でしょ!~ビッチ勇者とガチムチ戦士のエロ冒険譚~

天岸 あおい

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VS魔王

○▼よそ見は厳禁

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 完全に身も心もインキュバスに預け、よがり続ける魔王。
 脚は絶対に離れてなるものかとインキュバスの腰を抱き、背中にしがみつき、胸元で小首を振ってこすりつける姿は、幼子が心から甘える様によく似ている。

 そんな魔王をインキュバスは愉悦の笑みを浮かべながら奥を穿ち、時折美味な料理を食して満足したように目を細め、舌なめずりをする。そして魔王が大きく達すると、誉め言葉代わりに愛しげなキスを送っていた。

 二人の関係が今しがた始まったばかりではないことが、グリオスでも見て取れる。
 どこまでも淫らでありながら、愛に悦ぶ姿――目に入れ、意識してしまうと、幾度となく達した体が飢えを覚えた。

 不意にインキュバスと目が合い、こっちへ混ざるか? と眼差しで誘われる。

 もっと抱かれたい。
 体の奥深く――身も心も、精神も魂すらも握られ、快楽のまま狂ってしまいたい。

 淫靡な衝動がグリオスに込み上げた時、クイッ、とエルジュに頬を押され、顔の向きを変えられた。

「グーリーオースー、よそ見は厳禁。隣は気にしない。オレに集中して……もっと気持ち良く満たしてあげるから」

 今にも蕩けて崩れそうな微笑を向けながら、エルジュは小さなキスの雨をグリオスの顔に降らせる。

 純粋で可愛げのあるキス。
 しかし上とは真逆に、奥深くを円を描きながら抉ってくる動きは容赦がない。

「ぁ、んン……ッ……あっ、ぁぁ……くぅ、ン――……ッッ……あァ……っ……」

 グリオスは度重なる絶頂に瞳を潤ませ、エルジュから詰め込まれる愛に感じ入り、嬌声を垂れ流し続ける。

 不意に腰を持ち上げ、エルジュがさらに奥を抉りつつグリオスに顔を近づけ、唇の先をかすれ合わせながら告げた。

「ねぇ、グリオス……オレのこと好き? 愛してる? 夢から覚めたあともオレとこうしたい? ……口に出して言ってよ。そしたらもっとキモチよくなれるから……」

 返事は肯定しかないと自信ありげに、エルジュはグリオスに一旦息を絡め取りながら深く口付ける。

 そしてわずかに唇を離し、言ってと促すように軽く唇の先でチョン、とグリオスの口に触れて声を求める。

 とにかく快楽で体を満たしたくて、グリオスは素直な声を垂れ流す。

「……っ……エルジュ……す、き……ッッ……ぁ……」

「ずっと前から、オレとこうしたかった……?」

「はァ……ッ……ぁ、ぁあ……っ……ぅ、ん……」

「魔物にやられたから、なんて口実使わずにオレとエッチしたかった?」

「……ち、がう……ぁ……」

「素直じゃないなあ。エッチが好きなグリオス、大好きだから――」

「エルジュを……ッ……あいし、たかった……ぁぁあああッッ!」

 グリオスが心の奥底に秘め続けていたものを口にした途端、エルジュの腰の動きが加速する。

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