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VS触手の森・特大ローパー
北の森へ
しおりを挟む街を出て、二人は北の森へと進んでいく。
遠目で分かるほど北の森は様子がおかしかった。
緑に溢れた木々が茂るはずの季節なのに、北の森に生気に溢れた緑の色は皆無だった。
ドス黒さを漂わせた、赤や紫の葉をつけた木々。森に近づくにつれ、枝や幹までもが黒くなり、一帯に瘴気を漂わせていた。
森の入り口に立てば、そこはかとなく熟れすぎた果実のような臭いがして、グリオスは軽い吐き気を覚える。
思わず顔をしかめてしまう臭いだが、エルジュは満面の笑みを浮かべた。
「これ、間違いなくいるねー。森の入り口まで気配があるなんて、そこそこスゴい子がいそう。楽しみだなぁ」
「待てっ、朝の約束は覚えているか? 頼むから自重してくれ」
「大丈夫だって、覚えてるよ。普通にグリオスとエッチできるんだもの。絶対にガマンする。フフ、今日の夜が楽しみだなあ……いつもグリオスばっかりキモチよくなってるから、オレもよがりまくりたいなー」
戯れにグリオスの腕にしがみつきながら、エルジュは身を寄せ、甘えるように顔を覗き込む。
一瞬幼い日の無邪気で愛らしかった頃のエルジュが重なり、グリオスの口元が緩む。が、
「でもグリオスをとことんキモチよくさせて、力入らなくって可愛くよがることしかできなくさせるのも捨てがたいんだよねー。感度も締まりも良いし、股間だけじゃなくて頭の芯までキモチよくなっちゃう……迷うなー」
モミモミと尻を揉みしだかれてしまい、グリオスはパシッとエルジュの頭をはたいた。
「やめろ! さあ今から森に入るんだ。気を引き締めてくれ」
「はぁい、分かりましたー」
強引にグリオスが腕を引き離すと、エルジュは苦笑しながら肩をすくめる。
そして歩き始めると隣で「どうやって啼かせようかなー」とブツブツ言い始め、グリオスは頭を抱えながら唸るしかなかった。
少し先に進んだだけで毒々しくうっそうとした枝葉に日の光は遮られ、薄暗い中を進んでいく。
幸い、森の中を真っ直ぐに伸びる一本道を進んでいけば抜けることができる。道に迷う心配はない。
何事もなければ、二刻ほど歩いて森を出られる。
すでにそのことを事前に地図で確かめていたエルジュは、鼻歌まじりで呟く。
「フフ……早く着いて、明るい内にグリオスとヤりたいな。普通のグリオスとヤるのは初めてだもんねー。いっぱいヤりたりなあ……」
「エルジュ……頼むから、もうしゃべるな」
「どうして?」
「気が散って集中できないだろ。いつ魔物が襲ってくるか分からないのに」
「意識しちゃう? もう数えきれないほどヤってるのに今さらじゃない? いつまで経っても初々しいんだから」
小さく吹き出して笑うエルジュを、グリオスは恨めしく睨みつける。
視界にチョロリ、と。
エルジュの背後で何かが蠢いた気がした。
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