14 / 49
VSゴブリン
そしてやっぱり説教タイム
しおりを挟む
◇ ◇ ◇
グリオスが目覚めると、そこはエルジュの背中だった。
しばらく上下に揺さぶられながらぼんやりとする。
周りは岩壁だらけ。まだ洞窟を出切ってはいない。しかしゴブリンたちの姿はおろか、気配すらない。
あのおぞましく淫靡で二度と足を踏み入れたくない場所から離れられたことに、グリオスはホッと息をつく。その吐息を背中で感じて、エルジュが「あっ」と声を上げた。
「目が覚めた? よく寝たねー。今までの中で一番イきまくったんじゃない? 気を失ってから延々と起きないから、ゴブリンたちも心配してたよー」
「……俺はどれだけ寝ていたんだ?」
「よく分からないけれど、丸一日は寝てたかも」
「丸一日、だと……? あの部屋でか?」
「それだとグリオスがいつまでたってもエロいままになっちゃうから、別の部屋で休ませてもらったよ。みんな欲求不満が解消されて、ゴブリンたちがすっごく穏やかになってた。ちゃんと意思疎通できるし、優しいし、ゴブリンって良いヤツら――」
「馬鹿野郎! お前が穴に落ちてたら、永遠にゴブリンに回されて喜んでただろ? こんな洞窟の暗い所で、ただ犯されるだけだなんて……っ」
エルジュに背負われながらグリオスは声を荒げる。だが体力が回復し切れておらず、次第に声は弱くなってしまう。それでも苛立ちは収まらず、エルジュの服をギュッと掴む。
「いくら強くても無敵じゃないんだ……お前は、ただ強いだけの人間だってことを忘れるな」
「……はい、はい。オレはただのエロいヤツ。いっそゴブリンに犯され続けるだけの人生でも構わないんだけどねー」
「エルジュ……っ」
「でも、それだと一生嘆いて引きずっちゃうんでしょ? グリオスが……だからガマンする。すっごく引き返したくてたまらないけれど」
「引き返すな! お前、本当に俺がいないとヤバいな! 頼むからもっと普通のエロい人間になってくれ。せめて相手は人間で――」
「つまりグリオスにえっちなこと、いっぱいすればいいってことなんでしょ? まったくもう、遠回しにおねだりするなんてまどろっこしい……まあグリオスっぽいけどさ」
「違う……っ! 俺はお前がそんなんだから放っておけなくて――」
「分かった分かった。街に着いたらいっぱい抱いてあげるから。体がキモチよくなりすぎちゃって、何もないともどかしいでしょ? ちゃんと責任持って付き合ってあげるから」
どれだけ違うとグリオスが言い放っても、エルジュは意に介さず話を魔物が絡まない上での関係に持っていこうとする。
それに気づいていてもグリオスは全力で否定し続け、宿を取った後の危機をどうにか回避しようと足掻いた。
グリオスが目覚めると、そこはエルジュの背中だった。
しばらく上下に揺さぶられながらぼんやりとする。
周りは岩壁だらけ。まだ洞窟を出切ってはいない。しかしゴブリンたちの姿はおろか、気配すらない。
あのおぞましく淫靡で二度と足を踏み入れたくない場所から離れられたことに、グリオスはホッと息をつく。その吐息を背中で感じて、エルジュが「あっ」と声を上げた。
「目が覚めた? よく寝たねー。今までの中で一番イきまくったんじゃない? 気を失ってから延々と起きないから、ゴブリンたちも心配してたよー」
「……俺はどれだけ寝ていたんだ?」
「よく分からないけれど、丸一日は寝てたかも」
「丸一日、だと……? あの部屋でか?」
「それだとグリオスがいつまでたってもエロいままになっちゃうから、別の部屋で休ませてもらったよ。みんな欲求不満が解消されて、ゴブリンたちがすっごく穏やかになってた。ちゃんと意思疎通できるし、優しいし、ゴブリンって良いヤツら――」
「馬鹿野郎! お前が穴に落ちてたら、永遠にゴブリンに回されて喜んでただろ? こんな洞窟の暗い所で、ただ犯されるだけだなんて……っ」
エルジュに背負われながらグリオスは声を荒げる。だが体力が回復し切れておらず、次第に声は弱くなってしまう。それでも苛立ちは収まらず、エルジュの服をギュッと掴む。
「いくら強くても無敵じゃないんだ……お前は、ただ強いだけの人間だってことを忘れるな」
「……はい、はい。オレはただのエロいヤツ。いっそゴブリンに犯され続けるだけの人生でも構わないんだけどねー」
「エルジュ……っ」
「でも、それだと一生嘆いて引きずっちゃうんでしょ? グリオスが……だからガマンする。すっごく引き返したくてたまらないけれど」
「引き返すな! お前、本当に俺がいないとヤバいな! 頼むからもっと普通のエロい人間になってくれ。せめて相手は人間で――」
「つまりグリオスにえっちなこと、いっぱいすればいいってことなんでしょ? まったくもう、遠回しにおねだりするなんてまどろっこしい……まあグリオスっぽいけどさ」
「違う……っ! 俺はお前がそんなんだから放っておけなくて――」
「分かった分かった。街に着いたらいっぱい抱いてあげるから。体がキモチよくなりすぎちゃって、何もないともどかしいでしょ? ちゃんと責任持って付き合ってあげるから」
どれだけ違うとグリオスが言い放っても、エルジュは意に介さず話を魔物が絡まない上での関係に持っていこうとする。
それに気づいていてもグリオスは全力で否定し続け、宿を取った後の危機をどうにか回避しようと足掻いた。
1
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
隷属神官の快楽記録
彩月野生
BL
魔族の集団に捕まり性奴隷にされた神官。
神に仕える者を憎悪する魔族クロヴィスに捕まった神官リアムは、陵辱され快楽漬けの日々を余儀なくされてしまうが、やがてクロヴィスを愛してしまう。敬愛する神官リュカまでも毒牙にかかり、リアムは身も心も蹂躙された。
※流血、残酷描写、男性妊娠、出産描写含まれますので注意。
後味の良いラストを心がけて書いていますので、安心してお読みください。
尿で育てた触手に伴侶にさせられた研究員の話
桜羽根ねね
BL
触手を育てることになった研究員の梅野はかりと、餌をもらってすくすく育つ触手の、タイトル通りのハートフル()エロコメです♡
触手に自我が宿るよ。
過去に書いた話を改変しました。
浮気性で流され体質の俺は異世界に召喚されてコロニーの母になる
いちみやりょう
BL
▲ただのエロ▲
「あーあ、誰か1人に絞らなくてもいい世界に行きてーなー」
そう願った俺は雷に打たれて死んでなかば無理やり転生させられた。
その世界はイケメンな男しかいない。
「今、この国にいる子を孕むことができる種族はあなた一人なのです」
そう言って聞かない男に疲弊して俺は結局流された。
でも俺が願った『1人に絞らなくてもいい世界』ってのは絶対こう言うことじゃねぇ
魔族に捕らえられた剣士、淫らに拘束され弄ばれる
たつしろ虎見
BL
魔族ブラッドに捕らえられた剣士エヴァンは、大罪人として拘束され様々な辱めを受ける。性器をリボンで戒められる、卑猥な動きや衣装を強制される……いくら辱められ、その身体を操られても、心を壊す事すら許されないまま魔法で快楽を押し付けられるエヴァン。更にブラッドにはある思惑があり……。
表紙:湯弐さん(https://www.pixiv.net/users/3989101)
【R-18】♡喘ぎ詰め合わせ♥あほえろ短編集
夜井
BL
完結済みの短編エロのみを公開していきます。
現在公開中の作品(随時更新)
『異世界転生したら、激太触手に犯されて即堕ちしちゃった話♥』
異種姦・産卵・大量中出し・即堕ち・二輪挿し・フェラ/イラマ・ごっくん・乳首責め・結腸責め・尿道責め・トコロテン・小スカ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる