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レコンキスタ
PHASE-44
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「驚くがいい! 一號君から玖號君! 合体だ」
『なんだと!?』
「なんだって!?」
くそ! 先ほどまで冷め切ってたのに、そんなヘルムにリアクションで遅れた……。
だが、合体だって!
「「「「はい、よろこんで!」」」」
居酒屋のノリで、いつもの返答を行えば、九体の勤労君たちが光り輝く。
「おお!」
傍らでは、目をキラキラと輝かせる魔王さん。
やはり、背格好に見合った精神年齢だね。
もちろん僕も興奮してるけども。
『ぬう、隙だらけなんだが……』
分かるよ、ここで攻撃をしてはいけないという暗黙のルールがあるからね。
勤労君たちのボディが折りたたまれていく感じで変化――――、変形していく。
それらが別の勤労君と合体していく様は浪漫である。
暗黙のルールを無視してヘルムは攻撃をしたいようだが、戦場の皆さんが期待をした目で見てるからね。
もちろんその中にはラゴットの面子も含まれる。
なのでルールは無視したくても、同志の期待は裏切られないようであった。
「さあ、我ら研究者、事務方の希望の輝き! ホワイトカラーだからって、なよなよしてるなんて言わせない! それを見せてやってくれ」
なよなよから遠く離れた、筋肉の塊であるタモンさんの語り方は、なぜか芝居がかってる。
ノリって怖い……。
九体が合体し、今まで以上に強い光を放ち、最高潮とばかりにタモンさんがポーズを決めれば、
「金色の輝き、事務方の希望! その名はゴールドジム、ここに爆誕!!」
無理矢理なネーミングにしやがって!
大体、今までの無骨なデザインはどうしたんです? なんで流線的でスマートな感じになってんですか。
タモンさんの趣旨から逸脱してますよ。
ああ――――、ここはあれか、ブンゴさんの案が採用されたのかな?
「体は細いがちゃんとしてくれる。なあ、ゴールドジムよ」
やめろ! 筋肉の塊がその名を口にするんじゃない! アウトだよ!!
「ナイスカット!」
ちゃんとしてくれるって、ポージングのことか……。
無骨さがないからタモンさんとしては物足りないみたいだけど、ブンゴさんのフットワークの案に重きを置いたんだろうな。
巨大で素早い。案としてはいいと思う。
ポージングはいらないけど……。
タモンさんの声に合わせてポージングの嵐だ。
これあれだ、一號君から玖號君の登場時のポージングやってんだな……。
サイド・チェスト。
アブドミナル・アンド・サイ。
フロント・ダブル・バイセップス。
サイド・リラックス。
フロント・ラット・スプレッド。
バック・ラット・スプレッド。
サイド・トライセップス。
リア・リラックス。
モスト・マスキュラー。
――……うん。番号順のポージングだな……。
名前の通りに、金ピカなボディが滑らかに動く。
機械的な動きではなく、人間のような動きをするところは、捷利嚮導の乙女にも引けを取らない。
素晴らしいけども……、
最初は皆さんも期待に満ちた目をしてたけど、段々と冷めてきたご様子。
ポージングでお腹いっぱいってとこだろう。
『素晴らしいよ。人が造りだしたものが、神の造りし存在に負けない可動を証明させてくれた。この戦いが終われば絶対に使ってやる。だから、いいかな?』
周囲の熱気が消えてきたところで、ヘルムが行動に移ろうとする。
「いいですとも、さあ! ゴールドジムよ、ブラッドシップ殿の掩護を!」
「はいよろこんで!」
合体してでっかくなっても、返しは一緒なんだな……。
『なんだと!?』
「なんだって!?」
くそ! 先ほどまで冷め切ってたのに、そんなヘルムにリアクションで遅れた……。
だが、合体だって!
「「「「はい、よろこんで!」」」」
居酒屋のノリで、いつもの返答を行えば、九体の勤労君たちが光り輝く。
「おお!」
傍らでは、目をキラキラと輝かせる魔王さん。
やはり、背格好に見合った精神年齢だね。
もちろん僕も興奮してるけども。
『ぬう、隙だらけなんだが……』
分かるよ、ここで攻撃をしてはいけないという暗黙のルールがあるからね。
勤労君たちのボディが折りたたまれていく感じで変化――――、変形していく。
それらが別の勤労君と合体していく様は浪漫である。
暗黙のルールを無視してヘルムは攻撃をしたいようだが、戦場の皆さんが期待をした目で見てるからね。
もちろんその中にはラゴットの面子も含まれる。
なのでルールは無視したくても、同志の期待は裏切られないようであった。
「さあ、我ら研究者、事務方の希望の輝き! ホワイトカラーだからって、なよなよしてるなんて言わせない! それを見せてやってくれ」
なよなよから遠く離れた、筋肉の塊であるタモンさんの語り方は、なぜか芝居がかってる。
ノリって怖い……。
九体が合体し、今まで以上に強い光を放ち、最高潮とばかりにタモンさんがポーズを決めれば、
「金色の輝き、事務方の希望! その名はゴールドジム、ここに爆誕!!」
無理矢理なネーミングにしやがって!
大体、今までの無骨なデザインはどうしたんです? なんで流線的でスマートな感じになってんですか。
タモンさんの趣旨から逸脱してますよ。
ああ――――、ここはあれか、ブンゴさんの案が採用されたのかな?
「体は細いがちゃんとしてくれる。なあ、ゴールドジムよ」
やめろ! 筋肉の塊がその名を口にするんじゃない! アウトだよ!!
「ナイスカット!」
ちゃんとしてくれるって、ポージングのことか……。
無骨さがないからタモンさんとしては物足りないみたいだけど、ブンゴさんのフットワークの案に重きを置いたんだろうな。
巨大で素早い。案としてはいいと思う。
ポージングはいらないけど……。
タモンさんの声に合わせてポージングの嵐だ。
これあれだ、一號君から玖號君の登場時のポージングやってんだな……。
サイド・チェスト。
アブドミナル・アンド・サイ。
フロント・ダブル・バイセップス。
サイド・リラックス。
フロント・ラット・スプレッド。
バック・ラット・スプレッド。
サイド・トライセップス。
リア・リラックス。
モスト・マスキュラー。
――……うん。番号順のポージングだな……。
名前の通りに、金ピカなボディが滑らかに動く。
機械的な動きではなく、人間のような動きをするところは、捷利嚮導の乙女にも引けを取らない。
素晴らしいけども……、
最初は皆さんも期待に満ちた目をしてたけど、段々と冷めてきたご様子。
ポージングでお腹いっぱいってとこだろう。
『素晴らしいよ。人が造りだしたものが、神の造りし存在に負けない可動を証明させてくれた。この戦いが終われば絶対に使ってやる。だから、いいかな?』
周囲の熱気が消えてきたところで、ヘルムが行動に移ろうとする。
「いいですとも、さあ! ゴールドジムよ、ブラッドシップ殿の掩護を!」
「はいよろこんで!」
合体してでっかくなっても、返しは一緒なんだな……。
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