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公務員が接待するけど私的なら関係ないよねっ
PHASE-02
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「ここは俺ちゃんに免じて許してくれないか」
キュルーンってな感じで大きな赤い瞳を駆使して、ゲイアードさんに甘えた仕草を行っている。
これは――――、可愛い。声は可愛くないけど。こういう時こそ、可愛いバージョンの声を使用してもらいたいね。
でも声を差し引いても可愛い。これが女性陣なら卒倒するくらいの愛らしさだ。
「――――いや、そんなのいいから」
一刀両断!!!!
「馬鹿な……俺ちゃんのチャームが通用しない……だと…………」
「愛らしいのは大いに結構だが、それ以上にその瞳が気になってね――――。まるで鏡のようで、遠くの存在に状況を映し出すような瞳だ」
「ゴッホ……ゴホッ……ゲフン、ゲフン……」
急に取り乱したな? なんだ?
「他言無用で頼むよ白髪ボーイ。決して王都には迷惑はかけない。コレが中断されると、ある意味、王都には厄災が降りかかるかもしれんが――――」
二人してなんか話してるけど、王都に厄災ってなんだよ。
「信頼できないが、厄災の原因が誰なのかは理解できる。ピート君のペットの立ち位置でいられるのか?」
「ペットではない。護衛だ。MVPを狙う粗忽者を打倒するのが俺ちゃんの仕事。ただそれだけの存在であって、それ以外はしないという設定で――――OK?」
二人の話が凄く気になる内容なんだけど、それ以上に僕にはどんな制裁が待っているのか。今はそれで頭内が支配されている状況だ。
シュパーブ君に対してゆっくり首肯してるけど。話ついたのかな?
――。
「とりあえず、始末書を提出してもらうよ。ちゃんと特定危険生物を飼っているという事を申告するように。飼った経緯もしっかりと記入するんだよ」
「だから、俺ちゃんは飼われていない! 俺ちゃんは護え――――!?」
堂々巡りになるので、諸手で口を塞ぎつつ、
「至急、提出します!」
よかった! 始末書だけですんで。本当に赤貧だからね。違反金となると、未来のための蓄えから捻出するか、シュパーブ君の翼の付け根にあるガマ口財布から出資してもらわなきゃいけなかったよ。
「――もう昼か」
早いな。仕事まったく出来なかったな。皆に申し訳ないよ。
「白髪ボーイ。俺ちゃんとの友好を深めるために、ランチでもどうだい?」
「別にかまわないが」
生意気な幼龍に付き合ってあげるゲイアードさんの大人な対応。
といっても、百三十歳くらい年上なんだよな。シュパーブ君。
――――。
「さあ、食ってくれ。俺ちゃんの奢りだ」
剛気だね。俺ちゃんとか言ってるけど、それ、シズクさんからのお小遣いでしょ?
――――前日と同じ、オージャンズで食事。
二日続けて豪勢な昼食だ。
僕を見て店員さんの顔が引きつる。
僕は無害です。ヴィン海域の連中のようにサイコパスじゃないので大丈夫です! と、強く言ってやりたい。
バッカスのホルテン君もそうだけど、どうしてこうも、店員さんに怖がられなければならないのか……。
――。
「たまには贅沢な昼食も悪くないな」
お昼に簡単に入れる店って分けじゃないからね。大衆食堂とは一線を画する店だから。
エリート公務員のゲイアードさんの資産なら問題ないだろうけど。
「好きなの食ってくれ。金ならある」
「感謝だが、自分のぶんは自分で払うから」
公務員だからね。仲間同士だから問題はないけど、シュパーブ君に借りを作りたくないんだろうね。
それに、ここだとゲイアードさん、人の目を気にしなくていいからありがたいのかも。お兄様同様に、女性から視線を向けられるからね。
それでも、近くのテーブルに座る女性からは凝視されてるけど……。
「ちょっと離席する」
シュパーブ君?
――――ふむん。二人っきりになってしまった。
まあ、緊張はしないけども。
「ご迷惑をおかけしました」
とりあえず、あやまる。
「声からして、落ち着きのある存在のようだし、個人に対しての監視、のぞきといったところだろうから、問題はないだろう」
僕としては、僕の失態を謝罪したつもりだったんだけど、シュパーブ君の態度のことだと勘違いされたようだ。
で、監視とのぞきの部分が凄く引っかかるんですが。なんの事なのでしょうか? 詳しく話していただきたい。僕に関係してますか?
――……ゲイアードさんはそれ以上は話してくれない……。すっごく気になる。
キュルーンってな感じで大きな赤い瞳を駆使して、ゲイアードさんに甘えた仕草を行っている。
これは――――、可愛い。声は可愛くないけど。こういう時こそ、可愛いバージョンの声を使用してもらいたいね。
でも声を差し引いても可愛い。これが女性陣なら卒倒するくらいの愛らしさだ。
「――――いや、そんなのいいから」
一刀両断!!!!
「馬鹿な……俺ちゃんのチャームが通用しない……だと…………」
「愛らしいのは大いに結構だが、それ以上にその瞳が気になってね――――。まるで鏡のようで、遠くの存在に状況を映し出すような瞳だ」
「ゴッホ……ゴホッ……ゲフン、ゲフン……」
急に取り乱したな? なんだ?
「他言無用で頼むよ白髪ボーイ。決して王都には迷惑はかけない。コレが中断されると、ある意味、王都には厄災が降りかかるかもしれんが――――」
二人してなんか話してるけど、王都に厄災ってなんだよ。
「信頼できないが、厄災の原因が誰なのかは理解できる。ピート君のペットの立ち位置でいられるのか?」
「ペットではない。護衛だ。MVPを狙う粗忽者を打倒するのが俺ちゃんの仕事。ただそれだけの存在であって、それ以外はしないという設定で――――OK?」
二人の話が凄く気になる内容なんだけど、それ以上に僕にはどんな制裁が待っているのか。今はそれで頭内が支配されている状況だ。
シュパーブ君に対してゆっくり首肯してるけど。話ついたのかな?
――。
「とりあえず、始末書を提出してもらうよ。ちゃんと特定危険生物を飼っているという事を申告するように。飼った経緯もしっかりと記入するんだよ」
「だから、俺ちゃんは飼われていない! 俺ちゃんは護え――――!?」
堂々巡りになるので、諸手で口を塞ぎつつ、
「至急、提出します!」
よかった! 始末書だけですんで。本当に赤貧だからね。違反金となると、未来のための蓄えから捻出するか、シュパーブ君の翼の付け根にあるガマ口財布から出資してもらわなきゃいけなかったよ。
「――もう昼か」
早いな。仕事まったく出来なかったな。皆に申し訳ないよ。
「白髪ボーイ。俺ちゃんとの友好を深めるために、ランチでもどうだい?」
「別にかまわないが」
生意気な幼龍に付き合ってあげるゲイアードさんの大人な対応。
といっても、百三十歳くらい年上なんだよな。シュパーブ君。
――――。
「さあ、食ってくれ。俺ちゃんの奢りだ」
剛気だね。俺ちゃんとか言ってるけど、それ、シズクさんからのお小遣いでしょ?
――――前日と同じ、オージャンズで食事。
二日続けて豪勢な昼食だ。
僕を見て店員さんの顔が引きつる。
僕は無害です。ヴィン海域の連中のようにサイコパスじゃないので大丈夫です! と、強く言ってやりたい。
バッカスのホルテン君もそうだけど、どうしてこうも、店員さんに怖がられなければならないのか……。
――。
「たまには贅沢な昼食も悪くないな」
お昼に簡単に入れる店って分けじゃないからね。大衆食堂とは一線を画する店だから。
エリート公務員のゲイアードさんの資産なら問題ないだろうけど。
「好きなの食ってくれ。金ならある」
「感謝だが、自分のぶんは自分で払うから」
公務員だからね。仲間同士だから問題はないけど、シュパーブ君に借りを作りたくないんだろうね。
それに、ここだとゲイアードさん、人の目を気にしなくていいからありがたいのかも。お兄様同様に、女性から視線を向けられるからね。
それでも、近くのテーブルに座る女性からは凝視されてるけど……。
「ちょっと離席する」
シュパーブ君?
――――ふむん。二人っきりになってしまった。
まあ、緊張はしないけども。
「ご迷惑をおかけしました」
とりあえず、あやまる。
「声からして、落ち着きのある存在のようだし、個人に対しての監視、のぞきといったところだろうから、問題はないだろう」
僕としては、僕の失態を謝罪したつもりだったんだけど、シュパーブ君の態度のことだと勘違いされたようだ。
で、監視とのぞきの部分が凄く引っかかるんですが。なんの事なのでしょうか? 詳しく話していただきたい。僕に関係してますか?
――……ゲイアードさんはそれ以上は話してくれない……。すっごく気になる。
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