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王都の休日
PHASE-04
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「では、エルン・フェクシス、これよりフィット・マヘリア、ミリ―・チャイルド、リム・ワインズを伴って、ロール・ジャイロスパイク氏のクエストを達成するため、行動を開始します」
「よろしくお願いします」
双方が、一礼を行い、エルンさんは百八十度回頭の後、威風堂々とした足取りで門をくぐり出立。
見えなくなるまで見送るロールさんと、頑張れと鼓舞する兵士の方々の背を、僕は暗黒面の境界から眺めていた。
――――さて、どうやって、魔王軍の方をけしかけてやろうかな…………。
すさんだ気持ちが我ながら情けない。でも、あんなに女性陣に囲まれるのは許されることではないのです。
「後は局に出向いて、報告書をまとめてからお祭りに戻ろうかな」
一段落ついたと、両指を交差させて空に向けてぐっと背伸びなロールさん。
じゃあ、僕はこのままお祭りを楽しもうかな~。
元々、ボッチで楽しもうと思ってたし……。
あれ? すごい泣きそうなんですけど。
「ピート君。手伝ってくれる」
「ハイ喜んで!」
頑張ろう。仕事を頑張ろう。祭りより仕事だ。
「これ、終わったら。一緒にお祭り回らない?」
「ハイ喜んで!!」
頑張ろう。仕事を頑張ろう。仕事より祭りだ。
クエスト、無事に成功することを祈ってますよエルンさん!
僕はロールさんの一言で暗黒面の境界から抜け出せた。
――――この原動力。ロールさんとお祭りという原動力よ! 普段からこれだけの動きが出来れば、直ぐにでも整備長を追い抜くことも出来るかもしれない。
報告書のほとんど――というか、全てを僕が終わらせた。見てもらうと、要点を綺麗にまとめていると、一発OKもらって、ロールさんに褒めてもらった。
更に僕の汚れていた暗黒面は清らかな清流に流され――、
「じゃあ、お祭り行こっか」
――この言葉で、不死王さんの涙のように、心は一点の曇りもないものに浄化された。
――――この勝者の気分たるや。
どうです? 通りを歩む方々。僕の隣の女性に皆さん目を向けていますね。〝やっぱり王都だ〟なんて言葉も聞こえます。分かりますよ旅商人さん。王都には綺麗な方がいると思ってるんでしょ。でもね、ロールさんは別格ですから。傾国の美しさですから。
傾国様が僕と一緒に行動。今日ほど整備局に入ってよかったと思った日はない。
――――報告書を書いてからだから、少し遅めの昼食となった。
二人して屋台でおいしくいただく。
朝はパンだったから――、まあ、あんま食べてないけど……。なので、お米料理からアランチーニを選択。
一口サイズのライスコロッケ。トマトソースと、中から出て来るとけたチーズの相性が最高。
一カ所でガッツリ食べるのもいいけども、それだとお祭りを楽しめないので、色々と回って口に入れていく。
ハーフサイズの炭火チキンのもも肉に、野菜とチョリソの入ったブリトーをシェアして食べたりと、端から見たら恋人同士みたいな行動ですよ。
嬉しくて泣きそうだよ僕。
僕たちを見てくる男性陣の視線が僕に突き刺さってくるけども、気にしない。
さっきまで僕もこんな嫉妬の目をしていたんだろうね。
よくない。よくないよ、嫉妬は自分の心を腐らせるよ。
笑顔で男性陣を見てあげた。
見せつけてるのか! と、思われたようで、舌打ちが返ってきた。
――でも、余裕。
デザートにオレンジのグラニータ。ザクザクした氷の食感と柑橘の爽快さで、油分が占めていたの口内がリセットされる。
このまま、ずっと、この時間を堪能したい。――という願望が芽生えてしまう。
お腹を満たしたら、旅芸人の方のジャグリングに、吟遊詩人の恋を題材にした歌なんかを聞いて過ごしていく。
特に、吟遊詩人の方は、僕にウインクをしながら恋の歌を歌ってくれたもんだから、おひねりは奮発した。
僕――、有頂天である。
恋人ではないにしろ、ロールさんとプライベートの時間を過ごせるのは幸せだ。
「この後はどおするの?」
正直、このままお開きは御免こうむるところ。
「私、あれが見たいんだけど」
そう言って指さすのは、夕方より始まる野外演劇の張り紙だ。僕としてはまだまだ時間を共有したいので、ノリノリで賛同。
まあ、本来の予定なら、一人で見ることになってたんだけどね。
――早速、野外演劇が行われる中央広場へと移動。
――――普段は城のある北門方面を除いて、東西南の門から続く、目抜き通りが交差する中央広場だけど、今は人が集中して、道が遮られ、交通に難が生じている。
でも、皆そんなことは気にしない。
お祭りの目玉である演劇のためだからだ。
中央広場の瀟洒な噴水は、通りより低い位置にある。
中央広場の中央は、円形の五段からなる階段があり、それを降りることで、噴水を正しい視線で見ることが出来るわけだが、なぜこの様な作りなのか?
それは、ここを建設する時に、野外演劇用の舞台設置も用途に含まれて設計されていたからで、言わば階段は演劇を見る者達にとっての席なのである。
円形の形状をした階段はお祭り中は半円に姿を変える。
北側から建てられた舞台が半分を占拠するからだ。
瀟洒な噴水も演劇の邪魔になるから、今日は水を吹き出すことをやめている。
「なんだと! あたしは、ゆめをみているのか!」
快活な声が背後から――。
僕の朝食を奪った存在の声だ。
振り返ればレインちゃんとケーシーさん。
「わ~可愛い!」
おかっぱ頭をなで回すロールさん。本来、子供って初対面の人は警戒すると思うんだけど、なんの抵抗もすることなく頭を撫でられ続ける。
「ねえちゃんは、びじんだな!」
「ありがとう」
更に、撫でる手が早くなる。
「じゃなかった!」
レインちゃん、ばっと手を払い、後方へと飛び下がると、戦闘態勢とばかりに構える。
「ねえちゃんはピートのなんだ? かのじょか!」
やめろ! そんなことを聞くな! 終末がやって来る!
「違うよ。ピート君は職場の後輩」
ぐはっ!
「こうはいか~」
「そうだよ、ただの後輩」
ぎゃんっ! ぐふっ! どむっ!!
心が大木槌でどつかれラッシュな感覚だ。終焉の使者じゃないかレインちゃん……。
――――破滅の魔法【ただの後輩】もう、殺してくれ。
崩れ落ちそうになる…………。
「よし、よし。まだだ、まだ、膝を着くんじゃない」
肩をかしてくれるケーシーさん。
優しく僕の顔を覗き込まないでくれますかね。僕、今すごく人に見せられない顔だと思うんです。
敗北者の表情だと思うんですよ。
チャンスはあるんだと、仕事場で一緒なんだ。男見せる機会は必ず来る。その時こそ、彼女の心も動くもんだと、激励してくれる。
――でもね、ケーシーさん。僕はその励ましで立ち直れるほど経験を重ねてないんです。まだ十代なんですよ。
そんな台詞で崩れゆく体に踏ん張りがきかせられるのは、二十代すぎてからじゃないですかね。
だもんで、このまま僕は全体重を貴男に預けるので、頼みましたよ……。
「がんばれ~」
原因を作った少女のなんと無邪気なことか。邪気が無いからこそ、心を抉ってくるんだけどね。
破滅の魔法を口にした当の本人は、僕のブロークンハートを理解出来ていないようだ。
それ即ち、最初から恋愛対象に入ってすらいないという事なんですかね?
あ~。あの楽しかった昼食の時間帯よ戻ってこい!
あれこそが僕のまほろばだった。
「いつまでも俺に体重を預けるな!」
厳しいな……ケーシーさん。ここは少しくらい頼らせてよ。貴男の娘がやらかしたんだからさ。
フラフラな状態で、普段は階段として、現在は観客用の座席となった場に腰をおろす。
脱力である。舞台がどうなってるのかなんて気にもならない。背中を丸めて視線は下方。
「ほら、しっかりしろよ。楽しめ今を」
丸まった背中を無理矢理のばすように背中を叩いてくる。
ケーシーさん……。痛いです。服脱いだら間違いなく貴男の手の後がついてますよ。どんな力で叩いてくれてんですか。
精神世界のブロークンハートに加えての、肉体的な痛みに、涙がにじみ出てくる……。
「そうだよ。楽しもう♪」
ロールさんも僕の背中を叩いてくる。前者と違って、痛みを伴わない優しいものだ。
幸せ昼下がりからの急転直下だけども、背中に触れられる手にドキドキしてしまった。
「お前。与し易いな……」
渋い声と共に、呆れた笑みを向けられてしまった。
先ほどまで落ち込んでいたのに、ロールさんのタッチで急に笑顔に変わったもんだから、ケーシーさん、若干、引き気味である。
でも、仕方ないじゃないですか。僕、恋愛経験ないんで――。女性に優しくされたら、それだけで有頂天になっちゃうんです。
急転直下だったり、有頂天だったり、感情の起伏が忙しない十代の僕。
「よろしくお願いします」
双方が、一礼を行い、エルンさんは百八十度回頭の後、威風堂々とした足取りで門をくぐり出立。
見えなくなるまで見送るロールさんと、頑張れと鼓舞する兵士の方々の背を、僕は暗黒面の境界から眺めていた。
――――さて、どうやって、魔王軍の方をけしかけてやろうかな…………。
すさんだ気持ちが我ながら情けない。でも、あんなに女性陣に囲まれるのは許されることではないのです。
「後は局に出向いて、報告書をまとめてからお祭りに戻ろうかな」
一段落ついたと、両指を交差させて空に向けてぐっと背伸びなロールさん。
じゃあ、僕はこのままお祭りを楽しもうかな~。
元々、ボッチで楽しもうと思ってたし……。
あれ? すごい泣きそうなんですけど。
「ピート君。手伝ってくれる」
「ハイ喜んで!」
頑張ろう。仕事を頑張ろう。祭りより仕事だ。
「これ、終わったら。一緒にお祭り回らない?」
「ハイ喜んで!!」
頑張ろう。仕事を頑張ろう。仕事より祭りだ。
クエスト、無事に成功することを祈ってますよエルンさん!
僕はロールさんの一言で暗黒面の境界から抜け出せた。
――――この原動力。ロールさんとお祭りという原動力よ! 普段からこれだけの動きが出来れば、直ぐにでも整備長を追い抜くことも出来るかもしれない。
報告書のほとんど――というか、全てを僕が終わらせた。見てもらうと、要点を綺麗にまとめていると、一発OKもらって、ロールさんに褒めてもらった。
更に僕の汚れていた暗黒面は清らかな清流に流され――、
「じゃあ、お祭り行こっか」
――この言葉で、不死王さんの涙のように、心は一点の曇りもないものに浄化された。
――――この勝者の気分たるや。
どうです? 通りを歩む方々。僕の隣の女性に皆さん目を向けていますね。〝やっぱり王都だ〟なんて言葉も聞こえます。分かりますよ旅商人さん。王都には綺麗な方がいると思ってるんでしょ。でもね、ロールさんは別格ですから。傾国の美しさですから。
傾国様が僕と一緒に行動。今日ほど整備局に入ってよかったと思った日はない。
――――報告書を書いてからだから、少し遅めの昼食となった。
二人して屋台でおいしくいただく。
朝はパンだったから――、まあ、あんま食べてないけど……。なので、お米料理からアランチーニを選択。
一口サイズのライスコロッケ。トマトソースと、中から出て来るとけたチーズの相性が最高。
一カ所でガッツリ食べるのもいいけども、それだとお祭りを楽しめないので、色々と回って口に入れていく。
ハーフサイズの炭火チキンのもも肉に、野菜とチョリソの入ったブリトーをシェアして食べたりと、端から見たら恋人同士みたいな行動ですよ。
嬉しくて泣きそうだよ僕。
僕たちを見てくる男性陣の視線が僕に突き刺さってくるけども、気にしない。
さっきまで僕もこんな嫉妬の目をしていたんだろうね。
よくない。よくないよ、嫉妬は自分の心を腐らせるよ。
笑顔で男性陣を見てあげた。
見せつけてるのか! と、思われたようで、舌打ちが返ってきた。
――でも、余裕。
デザートにオレンジのグラニータ。ザクザクした氷の食感と柑橘の爽快さで、油分が占めていたの口内がリセットされる。
このまま、ずっと、この時間を堪能したい。――という願望が芽生えてしまう。
お腹を満たしたら、旅芸人の方のジャグリングに、吟遊詩人の恋を題材にした歌なんかを聞いて過ごしていく。
特に、吟遊詩人の方は、僕にウインクをしながら恋の歌を歌ってくれたもんだから、おひねりは奮発した。
僕――、有頂天である。
恋人ではないにしろ、ロールさんとプライベートの時間を過ごせるのは幸せだ。
「この後はどおするの?」
正直、このままお開きは御免こうむるところ。
「私、あれが見たいんだけど」
そう言って指さすのは、夕方より始まる野外演劇の張り紙だ。僕としてはまだまだ時間を共有したいので、ノリノリで賛同。
まあ、本来の予定なら、一人で見ることになってたんだけどね。
――早速、野外演劇が行われる中央広場へと移動。
――――普段は城のある北門方面を除いて、東西南の門から続く、目抜き通りが交差する中央広場だけど、今は人が集中して、道が遮られ、交通に難が生じている。
でも、皆そんなことは気にしない。
お祭りの目玉である演劇のためだからだ。
中央広場の瀟洒な噴水は、通りより低い位置にある。
中央広場の中央は、円形の五段からなる階段があり、それを降りることで、噴水を正しい視線で見ることが出来るわけだが、なぜこの様な作りなのか?
それは、ここを建設する時に、野外演劇用の舞台設置も用途に含まれて設計されていたからで、言わば階段は演劇を見る者達にとっての席なのである。
円形の形状をした階段はお祭り中は半円に姿を変える。
北側から建てられた舞台が半分を占拠するからだ。
瀟洒な噴水も演劇の邪魔になるから、今日は水を吹き出すことをやめている。
「なんだと! あたしは、ゆめをみているのか!」
快活な声が背後から――。
僕の朝食を奪った存在の声だ。
振り返ればレインちゃんとケーシーさん。
「わ~可愛い!」
おかっぱ頭をなで回すロールさん。本来、子供って初対面の人は警戒すると思うんだけど、なんの抵抗もすることなく頭を撫でられ続ける。
「ねえちゃんは、びじんだな!」
「ありがとう」
更に、撫でる手が早くなる。
「じゃなかった!」
レインちゃん、ばっと手を払い、後方へと飛び下がると、戦闘態勢とばかりに構える。
「ねえちゃんはピートのなんだ? かのじょか!」
やめろ! そんなことを聞くな! 終末がやって来る!
「違うよ。ピート君は職場の後輩」
ぐはっ!
「こうはいか~」
「そうだよ、ただの後輩」
ぎゃんっ! ぐふっ! どむっ!!
心が大木槌でどつかれラッシュな感覚だ。終焉の使者じゃないかレインちゃん……。
――――破滅の魔法【ただの後輩】もう、殺してくれ。
崩れ落ちそうになる…………。
「よし、よし。まだだ、まだ、膝を着くんじゃない」
肩をかしてくれるケーシーさん。
優しく僕の顔を覗き込まないでくれますかね。僕、今すごく人に見せられない顔だと思うんです。
敗北者の表情だと思うんですよ。
チャンスはあるんだと、仕事場で一緒なんだ。男見せる機会は必ず来る。その時こそ、彼女の心も動くもんだと、激励してくれる。
――でもね、ケーシーさん。僕はその励ましで立ち直れるほど経験を重ねてないんです。まだ十代なんですよ。
そんな台詞で崩れゆく体に踏ん張りがきかせられるのは、二十代すぎてからじゃないですかね。
だもんで、このまま僕は全体重を貴男に預けるので、頼みましたよ……。
「がんばれ~」
原因を作った少女のなんと無邪気なことか。邪気が無いからこそ、心を抉ってくるんだけどね。
破滅の魔法を口にした当の本人は、僕のブロークンハートを理解出来ていないようだ。
それ即ち、最初から恋愛対象に入ってすらいないという事なんですかね?
あ~。あの楽しかった昼食の時間帯よ戻ってこい!
あれこそが僕のまほろばだった。
「いつまでも俺に体重を預けるな!」
厳しいな……ケーシーさん。ここは少しくらい頼らせてよ。貴男の娘がやらかしたんだからさ。
フラフラな状態で、普段は階段として、現在は観客用の座席となった場に腰をおろす。
脱力である。舞台がどうなってるのかなんて気にもならない。背中を丸めて視線は下方。
「ほら、しっかりしろよ。楽しめ今を」
丸まった背中を無理矢理のばすように背中を叩いてくる。
ケーシーさん……。痛いです。服脱いだら間違いなく貴男の手の後がついてますよ。どんな力で叩いてくれてんですか。
精神世界のブロークンハートに加えての、肉体的な痛みに、涙がにじみ出てくる……。
「そうだよ。楽しもう♪」
ロールさんも僕の背中を叩いてくる。前者と違って、痛みを伴わない優しいものだ。
幸せ昼下がりからの急転直下だけども、背中に触れられる手にドキドキしてしまった。
「お前。与し易いな……」
渋い声と共に、呆れた笑みを向けられてしまった。
先ほどまで落ち込んでいたのに、ロールさんのタッチで急に笑顔に変わったもんだから、ケーシーさん、若干、引き気味である。
でも、仕方ないじゃないですか。僕、恋愛経験ないんで――。女性に優しくされたら、それだけで有頂天になっちゃうんです。
急転直下だったり、有頂天だったり、感情の起伏が忙しない十代の僕。
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