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驕った創造主
PHASE-1614【内のギルドは頑張ってるね】
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ブリオレに対して怒りを抱きつつも、二人の後に続く。
そんな最中、俺の左肩と背後では、フシュゥゥゥゥゥゥ――と、蒸気機関を思わせるような呼気。
ミルモンとジージーが怒りを体外へと吐き出しているようだ。
そんな呼気が気になり耳障りだと思ったようで、
「おい、お前等はお呼びじゃねえよ。アップちゃんはお前等より俺を選んだんだからよ。このギルドで仕事を貰いたいなら受付に行きな。俺とアップちゃんの楽しい時間を妨げるなら痛い目だけじゃ済まねえぞ」
本当に言うね~。
良かったよコクリコを連れてこなくて。
ここにいたら間違いなくそのアホ面に、発言を許すことなくミスリルフライパンを叩き込んでいたことだろう。
というか、こっちの強面であるガリオンを見てもその態度が揺るがないのは流石に鈍感すぎるだろう。
それとも似たような風貌だから免疫があるのかね~。小馬鹿にしてたくらいだし。
相手の膂力を推し量ることも出来ないレベルのようだな。
「アップ。どうする? 出るか」
「おい! ふざけた提案だしてんじゃねえぞガキ!」
なんかあれば直ぐ恫喝。
こうやって今まで好き勝手やってたんだろう。
「構わない。情報を得るのは大事だ」
「とまあ、アップちゃんは俺と一緒にいたいそうだ。美人ちゃんのこの態度に免じて今の発言は許してやる。さっさと他を当たりな」
――……ぬぅ……。
「アップ」
「なんだ?」
「得るものが無いなら、その後は好きにしていいから」
「分かった」
「でも良ければ俺に譲ってね」
「検討しよう」
「二人でなに話してんだ? おら、お前等はあっち行け」
羽虫でも見るかのように、シッシッと俺達を手で追い払うブリオレ。
これ以上はベルの邪魔にもなるので、我慢しよう。
それにベルだ。変な事をされようものなら、される前に制圧するだろう。
その安心感は絶対だ。まあ、変なことが起きようものなら俺が一気にぶっ飛ばすけどね!
――大テーブルから少し距離を取り、気怠そうな受付のお姉さんと向かい合う。
「災難だったね。内の最強の一角に目をつけられるなんて。あの美人さんも大変かもね」
内の最強の一角とか言われても、内の最強をどうこう出来るとは思えないけどね。
運が無かったと諦めなよ。という言い様……。受付の怠慢も大概だな。
本来ならギルマスなどの責任者を呼んで、新顔のフォローをするもんだろうに。
全体的にレベルが低い。
「ガリオン。こんな所で有益な情報が得られのか?」
「ここの連中がゲスってのは分かった。ならゲス通しが共有する情報ってのを得られるかもしれん」
蛇の道は蛇ってか。
「で、ここには何しに来たんだい新顔さん達。明らかに新米じゃないよね。修羅場は潜ってる感じだもの。それに装備も新米が手にするようなモノじゃないし」
流石は受付。
全体的なレベルは低いけども、最低限の目利きは持っているみたいだ。
ブリオレ相手に臆してなかったのが何よりの証拠だそうな。
あんなのに臆してたら魔王軍となんて戦えるかっての。
「ここいらで受けられる仕事ってのはなんだ? 掲示板の依頼書を見る限りでは討伐系は少ないようだが」
と、ガリオン。
「ここはロイルの中心地。治安はいいから野盗やモンスター討伐なんてのはないね。中心地から離れた村や町ならそんなのもあるだろうけどさ」
「そこでの活動とかは?」
「ここのギルドはそんな面倒なことはしないよ」
「面倒ですか」
冒険者はそういったところに浪漫を抱いたりするものだろう。
少なくとも俺のとこのギルドメンバーは、いろんなクエストをこなして成長してくれている。
「ここは安定しているからね。わざわざ汚くて面倒なことはしない。依頼は護衛が殆どだよ。大人数で動くから野盗も襲ってくることがない」
特に王都と取引をする場合、道中は治安がよいから護衛も気楽で良い。
収入も大きいから旨味しかないそうだ。
――……その治安がいいのって……、
「王都の連中があくせくと働いてくれているから道中も安全で楽に護衛が出来るのよ。王都のギルド連中には感謝しないとね」
って、言うけども、受付嬢の顔は小馬鹿にしたもの。
バカみたいに真面目に働くのと、可能な限り楽をして金を得るなら後者だって感じだな。
内のギルドメンバーの努力が巡り巡ってコイツ等の仕事を楽にしているわけだ。
誇らしいよ。
ギルドの皆が励んでくれているから、街道を利用する人々は安心して活動できるんだからな。
――……それはそれとして、ムカつく受付嬢だ。
「どうしたんだい?」
「いえ、別に。それで仕事となると」
「いま言ったけど、ここは積荷の護衛が殆ど。このギルドは主にクルーグ商会の商隊護衛をしているよ」
出たなクルーグ商会。
王都やその周辺の商人だけでなく、さっき話をしてきたこの都市の商人さん達もいい顔をしなかった嫌われ商会。
上空から見た時は、商魂たくましく活気ある声を上げながら馬車を走らせてもいたようだが、ここまで嫌われているなんてな。
「最近は特に稼ぎが大きいからね。このギルドで活動を考えているなら、クルーグ商会の皆さんには腰を低くすることだね」
この辺りで大きな商会であり、尚且つ最近は更に活動の範囲も広げて利益を生んでいる。
だからこそ、この地の領主である伯爵様もクルーグ商会にはもっと励んでもらいたいからと後方で支援をしている――とのこと。
なるほどね。だから俺達のギルドハウスにハダン伯が自ら乗り込んで来て、ポーションの独占契約をしつこく交渉してきたわけだ。
商会の発展が領地の発展にも繋がるって考えだったんだろうな。
そんな最中、俺の左肩と背後では、フシュゥゥゥゥゥゥ――と、蒸気機関を思わせるような呼気。
ミルモンとジージーが怒りを体外へと吐き出しているようだ。
そんな呼気が気になり耳障りだと思ったようで、
「おい、お前等はお呼びじゃねえよ。アップちゃんはお前等より俺を選んだんだからよ。このギルドで仕事を貰いたいなら受付に行きな。俺とアップちゃんの楽しい時間を妨げるなら痛い目だけじゃ済まねえぞ」
本当に言うね~。
良かったよコクリコを連れてこなくて。
ここにいたら間違いなくそのアホ面に、発言を許すことなくミスリルフライパンを叩き込んでいたことだろう。
というか、こっちの強面であるガリオンを見てもその態度が揺るがないのは流石に鈍感すぎるだろう。
それとも似たような風貌だから免疫があるのかね~。小馬鹿にしてたくらいだし。
相手の膂力を推し量ることも出来ないレベルのようだな。
「アップ。どうする? 出るか」
「おい! ふざけた提案だしてんじゃねえぞガキ!」
なんかあれば直ぐ恫喝。
こうやって今まで好き勝手やってたんだろう。
「構わない。情報を得るのは大事だ」
「とまあ、アップちゃんは俺と一緒にいたいそうだ。美人ちゃんのこの態度に免じて今の発言は許してやる。さっさと他を当たりな」
――……ぬぅ……。
「アップ」
「なんだ?」
「得るものが無いなら、その後は好きにしていいから」
「分かった」
「でも良ければ俺に譲ってね」
「検討しよう」
「二人でなに話してんだ? おら、お前等はあっち行け」
羽虫でも見るかのように、シッシッと俺達を手で追い払うブリオレ。
これ以上はベルの邪魔にもなるので、我慢しよう。
それにベルだ。変な事をされようものなら、される前に制圧するだろう。
その安心感は絶対だ。まあ、変なことが起きようものなら俺が一気にぶっ飛ばすけどね!
――大テーブルから少し距離を取り、気怠そうな受付のお姉さんと向かい合う。
「災難だったね。内の最強の一角に目をつけられるなんて。あの美人さんも大変かもね」
内の最強の一角とか言われても、内の最強をどうこう出来るとは思えないけどね。
運が無かったと諦めなよ。という言い様……。受付の怠慢も大概だな。
本来ならギルマスなどの責任者を呼んで、新顔のフォローをするもんだろうに。
全体的にレベルが低い。
「ガリオン。こんな所で有益な情報が得られのか?」
「ここの連中がゲスってのは分かった。ならゲス通しが共有する情報ってのを得られるかもしれん」
蛇の道は蛇ってか。
「で、ここには何しに来たんだい新顔さん達。明らかに新米じゃないよね。修羅場は潜ってる感じだもの。それに装備も新米が手にするようなモノじゃないし」
流石は受付。
全体的なレベルは低いけども、最低限の目利きは持っているみたいだ。
ブリオレ相手に臆してなかったのが何よりの証拠だそうな。
あんなのに臆してたら魔王軍となんて戦えるかっての。
「ここいらで受けられる仕事ってのはなんだ? 掲示板の依頼書を見る限りでは討伐系は少ないようだが」
と、ガリオン。
「ここはロイルの中心地。治安はいいから野盗やモンスター討伐なんてのはないね。中心地から離れた村や町ならそんなのもあるだろうけどさ」
「そこでの活動とかは?」
「ここのギルドはそんな面倒なことはしないよ」
「面倒ですか」
冒険者はそういったところに浪漫を抱いたりするものだろう。
少なくとも俺のとこのギルドメンバーは、いろんなクエストをこなして成長してくれている。
「ここは安定しているからね。わざわざ汚くて面倒なことはしない。依頼は護衛が殆どだよ。大人数で動くから野盗も襲ってくることがない」
特に王都と取引をする場合、道中は治安がよいから護衛も気楽で良い。
収入も大きいから旨味しかないそうだ。
――……その治安がいいのって……、
「王都の連中があくせくと働いてくれているから道中も安全で楽に護衛が出来るのよ。王都のギルド連中には感謝しないとね」
って、言うけども、受付嬢の顔は小馬鹿にしたもの。
バカみたいに真面目に働くのと、可能な限り楽をして金を得るなら後者だって感じだな。
内のギルドメンバーの努力が巡り巡ってコイツ等の仕事を楽にしているわけだ。
誇らしいよ。
ギルドの皆が励んでくれているから、街道を利用する人々は安心して活動できるんだからな。
――……それはそれとして、ムカつく受付嬢だ。
「どうしたんだい?」
「いえ、別に。それで仕事となると」
「いま言ったけど、ここは積荷の護衛が殆ど。このギルドは主にクルーグ商会の商隊護衛をしているよ」
出たなクルーグ商会。
王都やその周辺の商人だけでなく、さっき話をしてきたこの都市の商人さん達もいい顔をしなかった嫌われ商会。
上空から見た時は、商魂たくましく活気ある声を上げながら馬車を走らせてもいたようだが、ここまで嫌われているなんてな。
「最近は特に稼ぎが大きいからね。このギルドで活動を考えているなら、クルーグ商会の皆さんには腰を低くすることだね」
この辺りで大きな商会であり、尚且つ最近は更に活動の範囲も広げて利益を生んでいる。
だからこそ、この地の領主である伯爵様もクルーグ商会にはもっと励んでもらいたいからと後方で支援をしている――とのこと。
なるほどね。だから俺達のギルドハウスにハダン伯が自ら乗り込んで来て、ポーションの独占契約をしつこく交渉してきたわけだ。
商会の発展が領地の発展にも繋がるって考えだったんだろうな。
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