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ミルド領
PHASE-959【最奥部】
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「ちなみにリンは交渉する気ある?」
「だから無いわよ。醜悪で知能が低いもの。強制的にやれば支配も可能だけど、とにかく醜悪なのは配下に加えたくないの。供養が一番よ」
と、辛辣な返しがくるだけ。
語末の供養が一番ってのがリンの本音なんだろうけど。
醜悪なままアンデッドとして活動させるより供養って事なんだろう。
「では先に進みましょう」
「まずはお礼を言うべきだよ。私とこっちのお姉ちゃんに」
と、オムニガルがコクリコの前に立ちふさがる。
ポップフレアだけでは進行を止めることが出来なかったから、その後のフォローに対するお礼を述べよという。
「はいはい。アビゲイル氏のプロテクションには感謝しますよ。貴女には感謝しませんが。そもそも貴女も私同様に完全に倒せたわけじゃないでしょう。左翼を全滅させたのはベルですから。私が貴女に礼を述べるのではなく、私と貴女がベルに礼を述べるのが正しいのではないでしょうか?」
「ぐぬぬぬぬ……」
コクリコが喋々とへりくつでマウント取ってる……。
左翼のフィニッシャーはベルだからあながち間違ってはいない。
オムニガルもそれが分かっているから、コクリコのへりくつに強気に出られないでいた。
シャルナとリンだと基本は後者がマウント取るけど、こっちはコクリコが優勢だな。
へりくつだけどさ。
――――にしても無駄に広い地下通路だな。
闘技場戦でゴブリンゾンビが増援として現れた通路を一つ一つ調べていく。
枝分かれしているところもあり、結構な時間を消費。
調べて有り難いと思ったのは、下に続く階段などが今のところないということ。
もしかしたら転移魔法があったりするのかもしれないと推測して、リンに問うてみれば、現状ではそういった魔力の歪みを感じる事もないという。
横道に対しては面倒ではあるけど、しらみつぶしに通路を調べ上げれば問題はない。
ただ――、
「シャァァァァア!」
所々でゴブリンゾンビとエンカウント。
ダイヒレンじゃない分、こっち側が悲鳴を上げないから静かでいい。
「そいや!」
最早、前衛となっているコクリコがファイヤーボールで撃退する光景。
通路を進めば当然のように出てくるゴブリンゾンビは鬱陶しいが、コクリコが殆ど倒し――供養してくれる。
「他愛なし!」
と、無双できるのが嬉しいのか、決めポーズはしっかりとこなしていく。
スケイルマンのような強敵――と言えば疑問符が浮かぶが、この地下施設において強敵に分類されるのは闘技場以降、出てこない。
現状はコクリコがひたすらに無双するだけの時間が進んで行く。
こうやってコクリコが目立つと、イルマイユがいた地底湖に続くダンジョンを思い出すな。
あそこの経験もあるからマッピングも捗る。
「しっかりしてるな」
ベルにも褒めてもらえるしな。
羊皮紙で出来た方眼紙に進んだぶんだけ塗りつぶしたり文字を書いていく。
――横道からたどり着くのは殆どが小部屋。間取りからしてここで研究をしていた連中の寝室や休憩室といったところだった。
「やはり最奥には強者がいるのでしょうね」
「なに嬉々として言ってんの……。そういった事を言うんじゃないよ。フラグ立てんな」
「いやいや我が旗を高らかと掲げて上げますよ!」
元気なこって。
日本と異世界による文化の弊害は今までもあったからな。こういった会話がかみ合わないのは仕方ない。
掲げる宣言で余計にやる気の出ているコクリコが先頭を意気揚々と歩み――、
「お邪魔しますよ!」
最奥へと続くと思われる鉄製の扉に対し、蹴撃一発からのダイナミック入室。
ここらの扉は最初の方と違い、厳重に閉じられているわけじゃないから蹴るだけで開いてくれる。
開くとはいえ、分厚い鉄製の扉を蹴るだけで開けるコクリコの脚力は正直すごいね。
「ファイヤーボール!」
お邪魔しますよから矢継ぎ早の魔法は流石の早業。
まだ室内を確認もしていない中で有無も言わずに放つところは、一種の狂気だな……。
「シャァァ!?」
まあそれが上手くいくこともあるからね。
入室して直ぐに断末魔を上げたのは、ここではメジャーとなったゴブリンゾンビ。
火球が生み出す爆発によりまず一体がダウン。
「ほうほう、ここにも大量にいるではないですか♪」
部屋の中で蠢く数の多さにコクリコは舌なめずりをして呵々と笑う。
「ゴブリンは皆殺しです」
それ違う人が言う台詞だから。
しかも目の前のはアンデッドだから。既に死んでるから。
「弔うや供養という言葉を使用しろ!」
「だから無いわよ。醜悪で知能が低いもの。強制的にやれば支配も可能だけど、とにかく醜悪なのは配下に加えたくないの。供養が一番よ」
と、辛辣な返しがくるだけ。
語末の供養が一番ってのがリンの本音なんだろうけど。
醜悪なままアンデッドとして活動させるより供養って事なんだろう。
「では先に進みましょう」
「まずはお礼を言うべきだよ。私とこっちのお姉ちゃんに」
と、オムニガルがコクリコの前に立ちふさがる。
ポップフレアだけでは進行を止めることが出来なかったから、その後のフォローに対するお礼を述べよという。
「はいはい。アビゲイル氏のプロテクションには感謝しますよ。貴女には感謝しませんが。そもそも貴女も私同様に完全に倒せたわけじゃないでしょう。左翼を全滅させたのはベルですから。私が貴女に礼を述べるのではなく、私と貴女がベルに礼を述べるのが正しいのではないでしょうか?」
「ぐぬぬぬぬ……」
コクリコが喋々とへりくつでマウント取ってる……。
左翼のフィニッシャーはベルだからあながち間違ってはいない。
オムニガルもそれが分かっているから、コクリコのへりくつに強気に出られないでいた。
シャルナとリンだと基本は後者がマウント取るけど、こっちはコクリコが優勢だな。
へりくつだけどさ。
――――にしても無駄に広い地下通路だな。
闘技場戦でゴブリンゾンビが増援として現れた通路を一つ一つ調べていく。
枝分かれしているところもあり、結構な時間を消費。
調べて有り難いと思ったのは、下に続く階段などが今のところないということ。
もしかしたら転移魔法があったりするのかもしれないと推測して、リンに問うてみれば、現状ではそういった魔力の歪みを感じる事もないという。
横道に対しては面倒ではあるけど、しらみつぶしに通路を調べ上げれば問題はない。
ただ――、
「シャァァァァア!」
所々でゴブリンゾンビとエンカウント。
ダイヒレンじゃない分、こっち側が悲鳴を上げないから静かでいい。
「そいや!」
最早、前衛となっているコクリコがファイヤーボールで撃退する光景。
通路を進めば当然のように出てくるゴブリンゾンビは鬱陶しいが、コクリコが殆ど倒し――供養してくれる。
「他愛なし!」
と、無双できるのが嬉しいのか、決めポーズはしっかりとこなしていく。
スケイルマンのような強敵――と言えば疑問符が浮かぶが、この地下施設において強敵に分類されるのは闘技場以降、出てこない。
現状はコクリコがひたすらに無双するだけの時間が進んで行く。
こうやってコクリコが目立つと、イルマイユがいた地底湖に続くダンジョンを思い出すな。
あそこの経験もあるからマッピングも捗る。
「しっかりしてるな」
ベルにも褒めてもらえるしな。
羊皮紙で出来た方眼紙に進んだぶんだけ塗りつぶしたり文字を書いていく。
――横道からたどり着くのは殆どが小部屋。間取りからしてここで研究をしていた連中の寝室や休憩室といったところだった。
「やはり最奥には強者がいるのでしょうね」
「なに嬉々として言ってんの……。そういった事を言うんじゃないよ。フラグ立てんな」
「いやいや我が旗を高らかと掲げて上げますよ!」
元気なこって。
日本と異世界による文化の弊害は今までもあったからな。こういった会話がかみ合わないのは仕方ない。
掲げる宣言で余計にやる気の出ているコクリコが先頭を意気揚々と歩み――、
「お邪魔しますよ!」
最奥へと続くと思われる鉄製の扉に対し、蹴撃一発からのダイナミック入室。
ここらの扉は最初の方と違い、厳重に閉じられているわけじゃないから蹴るだけで開いてくれる。
開くとはいえ、分厚い鉄製の扉を蹴るだけで開けるコクリコの脚力は正直すごいね。
「ファイヤーボール!」
お邪魔しますよから矢継ぎ早の魔法は流石の早業。
まだ室内を確認もしていない中で有無も言わずに放つところは、一種の狂気だな……。
「シャァァ!?」
まあそれが上手くいくこともあるからね。
入室して直ぐに断末魔を上げたのは、ここではメジャーとなったゴブリンゾンビ。
火球が生み出す爆発によりまず一体がダウン。
「ほうほう、ここにも大量にいるではないですか♪」
部屋の中で蠢く数の多さにコクリコは舌なめずりをして呵々と笑う。
「ゴブリンは皆殺しです」
それ違う人が言う台詞だから。
しかも目の前のはアンデッドだから。既に死んでるから。
「弔うや供養という言葉を使用しろ!」
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