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北伐
PHASE-833【汚物は爆発だぁ!】
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「それにしても――高そうな物が沢山置いてありますね~。ダンジョン攻略コンビとしてはこれは見過ごせないですね」
「まあな。って、お前だけか? ベル達は?」
「もう少し後になるでしょうね」
各所を占拠するというベルの活躍に、他からも助力をという声があり、要塞内を駆け回っているそうだ。
シャルナもそのフォローをしているという。
ゲッコーさんも似たようなもの。というか指導者というポジションでもあるから、前線にて指揮に励んでいるという。
流石の面子だな。
現在この場にいるのはコクリコと、それに随伴した――
「ようラルゴ」
「大将」
元奴隷で砦群を根城にしていた賊たちだ。装備のいたるところに小さな傷が目立つけども、皆、無事なようだ。
生産性重視の革の胸当てとチェインメイル。
革の兜にショートソードやメイス。木と革の合成からなるヒーターシールド。
狭い通路での戦いを見越して槍からショートソードやメイスに変更しているのは中々に優秀だな。
「元奴隷とのことでしたが、かなりの使い手でしたよ。特にリーダーのラルゴは」
「お嬢ちゃんの活躍と比べれ――ってぇ!?」
おっと物静かなラルゴらしからぬ痛みを伝える大きな声。
コクリコに思いっきり臑を蹴られていた。
「コクリコ――さん。でしょうが。私は貴男たちより先達なのですよ。まだまだ雑用を主にしている面々にお嬢ちゃん呼ばわりされるのは縦社会ではよろしくない」
「いつから俺のギルドは縦社会になったんだよ」
「最低限の規律というものです」
規律から最も離れた所に立っているようなヤツが言うことかね。
さっき誰何もしないでファイヤーボールを俺に撃ってきたのは何処の誰だよ。
「ジト目で見ない」
俺に反論を言わせないとばかりにワンドをビシリと向けてくる。
まあ、いいんだけどね。
「申し訳ないコクリコ殿」
「それで良いのですよ」
ラルゴが素直に対応していることと、コクリコの活躍を口にしようとしたところから察するに、ここまでの道中、結構な大立ち回りによる活躍をしたのが窺える。
コクリコもなんだかんだで人を引っ張るだけの実力があるってことだよな。
それだけの修羅場を経験しているわけだし。
「さあ行きますよ!」
「了解だ」
と、ラルゴ達の先頭に立ちつつ、
「そうそう、この辺のは戦利品として持ち帰りますよ。皆で山分けです」
「ヒュー」
「流石はコクリコさんだ」
ラルゴの仲間達は山分けという発言で、コクリコに対する尊敬ポイントが急上昇したようだな。
「いいですよねトール」
「まあな。だが戦いが終わってからだ」
「え~! それだと奪い合いになってしまいますよ!」
「そうならないようにするのが王様の腕の見せ所だろうな。兵の略奪を押さえ込めないとなると、王様の品位も問われるからな。とくに今回はその王様自身が戦場に立っているわけだし」
「もし失敗したら。我々のお宝が……」
「王様を信じろ。とにかく今は前に進むぞ」
調度品に後ろ髪を引かれるコクリコの背中を無理矢理に押して先へと進む。
「よしよしあと少しだぞ。あと少しで趣味の悪いスタチューを見る事が出来る」
足を前へと進めれば――、
「確かに趣味が悪いですね……」
呆れるコクリコ。
「コイツは誰なんだ? 大将」
ラルゴが聞いてくるので、馬鹿息子だと説明すれば、
「以外と精悍な顔立ちだな」
素顔を見たことがないからそんな事を言える。
「美化しすぎです! 神経に障る彫像ですね!」
予想していたけど、コクリコのワンドの貴石が赤く輝く。
俺に対して許可を求めるなんて事もしない。即実行に移したいほど不快だったようだ。
貴石の輝きはファイヤーボールの時よりも強い赤色。
すなわち――、
「ポップフレア!」
「イィィィィィハァァァァァァァァ!」
発動と同時に俺も喜びの大音声。
いいぞ! そいつが見たかったんだ。
偽りで固められた彫像に直撃すれば、小気味の良い爆発により見事に四散。
「まあな。って、お前だけか? ベル達は?」
「もう少し後になるでしょうね」
各所を占拠するというベルの活躍に、他からも助力をという声があり、要塞内を駆け回っているそうだ。
シャルナもそのフォローをしているという。
ゲッコーさんも似たようなもの。というか指導者というポジションでもあるから、前線にて指揮に励んでいるという。
流石の面子だな。
現在この場にいるのはコクリコと、それに随伴した――
「ようラルゴ」
「大将」
元奴隷で砦群を根城にしていた賊たちだ。装備のいたるところに小さな傷が目立つけども、皆、無事なようだ。
生産性重視の革の胸当てとチェインメイル。
革の兜にショートソードやメイス。木と革の合成からなるヒーターシールド。
狭い通路での戦いを見越して槍からショートソードやメイスに変更しているのは中々に優秀だな。
「元奴隷とのことでしたが、かなりの使い手でしたよ。特にリーダーのラルゴは」
「お嬢ちゃんの活躍と比べれ――ってぇ!?」
おっと物静かなラルゴらしからぬ痛みを伝える大きな声。
コクリコに思いっきり臑を蹴られていた。
「コクリコ――さん。でしょうが。私は貴男たちより先達なのですよ。まだまだ雑用を主にしている面々にお嬢ちゃん呼ばわりされるのは縦社会ではよろしくない」
「いつから俺のギルドは縦社会になったんだよ」
「最低限の規律というものです」
規律から最も離れた所に立っているようなヤツが言うことかね。
さっき誰何もしないでファイヤーボールを俺に撃ってきたのは何処の誰だよ。
「ジト目で見ない」
俺に反論を言わせないとばかりにワンドをビシリと向けてくる。
まあ、いいんだけどね。
「申し訳ないコクリコ殿」
「それで良いのですよ」
ラルゴが素直に対応していることと、コクリコの活躍を口にしようとしたところから察するに、ここまでの道中、結構な大立ち回りによる活躍をしたのが窺える。
コクリコもなんだかんだで人を引っ張るだけの実力があるってことだよな。
それだけの修羅場を経験しているわけだし。
「さあ行きますよ!」
「了解だ」
と、ラルゴ達の先頭に立ちつつ、
「そうそう、この辺のは戦利品として持ち帰りますよ。皆で山分けです」
「ヒュー」
「流石はコクリコさんだ」
ラルゴの仲間達は山分けという発言で、コクリコに対する尊敬ポイントが急上昇したようだな。
「いいですよねトール」
「まあな。だが戦いが終わってからだ」
「え~! それだと奪い合いになってしまいますよ!」
「そうならないようにするのが王様の腕の見せ所だろうな。兵の略奪を押さえ込めないとなると、王様の品位も問われるからな。とくに今回はその王様自身が戦場に立っているわけだし」
「もし失敗したら。我々のお宝が……」
「王様を信じろ。とにかく今は前に進むぞ」
調度品に後ろ髪を引かれるコクリコの背中を無理矢理に押して先へと進む。
「よしよしあと少しだぞ。あと少しで趣味の悪いスタチューを見る事が出来る」
足を前へと進めれば――、
「確かに趣味が悪いですね……」
呆れるコクリコ。
「コイツは誰なんだ? 大将」
ラルゴが聞いてくるので、馬鹿息子だと説明すれば、
「以外と精悍な顔立ちだな」
素顔を見たことがないからそんな事を言える。
「美化しすぎです! 神経に障る彫像ですね!」
予想していたけど、コクリコのワンドの貴石が赤く輝く。
俺に対して許可を求めるなんて事もしない。即実行に移したいほど不快だったようだ。
貴石の輝きはファイヤーボールの時よりも強い赤色。
すなわち――、
「ポップフレア!」
「イィィィィィハァァァァァァァァ!」
発動と同時に俺も喜びの大音声。
いいぞ! そいつが見たかったんだ。
偽りで固められた彫像に直撃すれば、小気味の良い爆発により見事に四散。
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