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北伐
PHASE-817【またまたボッチ】
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「よし! 俺たちは正面から」
堂々と突入して馬鹿息子を殴り倒す。
門通路の壁上には殺人孔なるものが有るのは理解しているので、そこにも切っ先を向けてしっかりと爆破してもらう。
後は落とし格子なんだろうが、それは以前に破壊したからな。
このまま突っ込めば――、
ズガンッと大きな音と共に、ポートカリスが落ちてくる。
「流石に修繕しているか」
とっていも、以前の金属製は修復が出来なかったのか、木製の格子に変わっていた。
あれなら問題なし。
残火であれば簡単に斬ることが出来る。
鉄製であっても問題はないけども。
格好良く断ち切って入り込んでやろうと思ったところで、
「ふんっ」
と、小気味の良い気迫とともに、高順氏の槍の穂先がポートカリスに打ち込まれれば、バキバキと音をたて、穂先が触れた部分はくの字になり、木製のポートカリスが木っ端を舞わせて吹き飛ぶ。
「……漫画ですな……」
技とかじゃなく、ただの突きであれを実行する高順氏の強さよ。
「一番槍」
やはり武将らしく武勲を立てるのは嬉しいようで、湛えた笑みのままに要塞内へと突入する。
突入した先からは痛みと恐怖による悲鳴が上がり始める。籠もっていた連中はキノコを食してはいないようだ。
突如として開かれた門。そして進入を防ごうとするポートカリスも容易く破壊され、進入してきた高順氏に挑むも、狼狽した状況下では力及ばず倒れていく。
――といったところだろう。門を潜った先の光景は想像に難くない。
あ、そうだ!
門の手前まで来たところで、
「高順氏。通路左右に狭間」
と、伝える。
「委細承知」
狭間からの矢による攻撃なんてなんのその。
槍を素早く左右に振っただけで、飛んでくる矢が吹き飛ばされる。
王様みたいな芸当をピリアなしでお手軽にこなす。
「うん。やっぱり漫画だ」
最近はベルの津波のような炎とかを見る事がないからな。豪快さに欠けていた。
それにベルのは華麗な剣捌きで美しく見入ることはあっても、滾るという感情は湧きにくい。
対して高順氏のは豪快で力強い。見ているだけで鼓舞されるというもの。
後に続くイリーをはじめとした騎兵達が高順氏の力に呼応するように吠える。
よっしゃ! 俺だって高順氏には負けられん。なんたって勇者だからな。
高順氏の後に続くようにダイフクを走らせる。
「お、おいトール。先行しすぎだ」
「大丈夫だベル。要塞内で合流しようぜ!」
一気に要塞へとなだれ込む王兵たちのその流れに逆らわないように俺も入って行く。
「――――そいや!」
「ぎゃん!?」
「てい」
「がは……」
ダイフクから降りて要塞へと入り通路に突入すれば、高順氏たちがすでに傭兵団を押し込んでいる。
俺としては馬鹿息子と会談した部屋を目指したかったけども、敵味方乱れての通路は中々に進むことが難しい。
なので迂回してからそこを目指すつもりだったんだけど――――。
――……ふむん、どうしよう。迷ってしまった……。
でもって現在、俺は傭兵団に囲まれている状況。
しかも一人で……。
要塞内部で合流しようぜ! と、ベルに言っておいて直ぐにこれだ。
どうしよう……。
「後で怒られそうだな……」
囲まれていることはどうでもいい些末なことだ。問題はこの後の事だ。
ベルに怒られると思うと、心の声が情けない声音で漏れてしまった……。
堂々と突入して馬鹿息子を殴り倒す。
門通路の壁上には殺人孔なるものが有るのは理解しているので、そこにも切っ先を向けてしっかりと爆破してもらう。
後は落とし格子なんだろうが、それは以前に破壊したからな。
このまま突っ込めば――、
ズガンッと大きな音と共に、ポートカリスが落ちてくる。
「流石に修繕しているか」
とっていも、以前の金属製は修復が出来なかったのか、木製の格子に変わっていた。
あれなら問題なし。
残火であれば簡単に斬ることが出来る。
鉄製であっても問題はないけども。
格好良く断ち切って入り込んでやろうと思ったところで、
「ふんっ」
と、小気味の良い気迫とともに、高順氏の槍の穂先がポートカリスに打ち込まれれば、バキバキと音をたて、穂先が触れた部分はくの字になり、木製のポートカリスが木っ端を舞わせて吹き飛ぶ。
「……漫画ですな……」
技とかじゃなく、ただの突きであれを実行する高順氏の強さよ。
「一番槍」
やはり武将らしく武勲を立てるのは嬉しいようで、湛えた笑みのままに要塞内へと突入する。
突入した先からは痛みと恐怖による悲鳴が上がり始める。籠もっていた連中はキノコを食してはいないようだ。
突如として開かれた門。そして進入を防ごうとするポートカリスも容易く破壊され、進入してきた高順氏に挑むも、狼狽した状況下では力及ばず倒れていく。
――といったところだろう。門を潜った先の光景は想像に難くない。
あ、そうだ!
門の手前まで来たところで、
「高順氏。通路左右に狭間」
と、伝える。
「委細承知」
狭間からの矢による攻撃なんてなんのその。
槍を素早く左右に振っただけで、飛んでくる矢が吹き飛ばされる。
王様みたいな芸当をピリアなしでお手軽にこなす。
「うん。やっぱり漫画だ」
最近はベルの津波のような炎とかを見る事がないからな。豪快さに欠けていた。
それにベルのは華麗な剣捌きで美しく見入ることはあっても、滾るという感情は湧きにくい。
対して高順氏のは豪快で力強い。見ているだけで鼓舞されるというもの。
後に続くイリーをはじめとした騎兵達が高順氏の力に呼応するように吠える。
よっしゃ! 俺だって高順氏には負けられん。なんたって勇者だからな。
高順氏の後に続くようにダイフクを走らせる。
「お、おいトール。先行しすぎだ」
「大丈夫だベル。要塞内で合流しようぜ!」
一気に要塞へとなだれ込む王兵たちのその流れに逆らわないように俺も入って行く。
「――――そいや!」
「ぎゃん!?」
「てい」
「がは……」
ダイフクから降りて要塞へと入り通路に突入すれば、高順氏たちがすでに傭兵団を押し込んでいる。
俺としては馬鹿息子と会談した部屋を目指したかったけども、敵味方乱れての通路は中々に進むことが難しい。
なので迂回してからそこを目指すつもりだったんだけど――――。
――……ふむん、どうしよう。迷ってしまった……。
でもって現在、俺は傭兵団に囲まれている状況。
しかも一人で……。
要塞内部で合流しようぜ! と、ベルに言っておいて直ぐにこれだ。
どうしよう……。
「後で怒られそうだな……」
囲まれていることはどうでもいい些末なことだ。問題はこの後の事だ。
ベルに怒られると思うと、心の声が情けない声音で漏れてしまった……。
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