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北伐
PHASE-695【アンデッドの有用性は高い】
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――――。
「無理はしないようにね」
「でも手伝いたい」
俺たちの側ではイルマイユが荷物運びを手伝ってくれている。
それをリンが見守る光景。
「リンは地下施設の方はいいのか」
「私が居なくても指示通りにスケルトン達は動くし、何より今はコリンズが指揮をしているから問題ないわね」
「二千だっけ?」
「半分の千のスケルトン達が働いてくれているわ」
「となると、残りの千が――」
「ここに戦力として回す数ね」
ありがてえ。
現状、召喚してないけども、直ぐさま千の兵が展開できるとかまじで有りがたい。
が――、しかし。
「現状でも全くもって負ける気がしない」
「確かにな。だが、相手の存在は大きく描いた方が油断怠りなく励める」
イルマイユの側で見守っているのはリンだけではない。
愛らしい子が頑張る姿がある所、ベルは自然と現れる。
「それは分かっているけどね。この力が更に大規模になれば」
「形勢も逆転するだろうさ」
と、ここでゲッコーさんも参加。
「見てないで手伝いなさいよ」
と、シャルナには注意を受ける。
――――S級さん達による先導。
こちらでもストライカーを使用し、先頭二台、最後尾二台で隊列を守ってくれる。
もしアクシデントがあっても堅牢なストライカーが盾になってくれるし、そこから素早く武装したS級さん達が展開。
加えてトラックにはバトルメイドとリズベッドの供回り。
賊程度が襲ってきたとしても、分ではなく秒で制圧撃退できそう。
俺やゲッコーさん達が運転するJLTVには要人の方々が乗車。
俺の助手席は嬉しいすぎるベル。
後部座席にはリズベッドとリン、イルマイユ。
前方のJLTVはゲッコーさんが担当。シャルナとコクリコが侯爵の護衛に付いてくれている。
後方のJLTVはS級さんの一人が運転を担当し、更にもう一人のS級さんとライラがプリシュカ姫を護衛。
姫と乗車するS級さん二人は、ゲッコーさんが気を利かせて女性のS級さん達を配置。
三台のJLTVの後方に数台のトラックが続く。
この世界の人々が見たら異様で恐ろしい光景だろうな。
――――野営準備完了。
「モンゴルみたい」
テント群が瘴気の無い平原に建つ。
中央の最も大きなテントは、円形状の作りからなる遊牧民のゲルみたいだった。
ここにお偉いさん方が間仕切りされた室内でプライベートな時間を過ごす。
一応は俺にも部屋は用意されているけど、ゲル周囲のテントで過ごすことにする。
勇者としてお偉いさんを守る立場だから、見張りをするならゲル周囲の方がいい。
そう見張り――――。
「すげよな。本当にありがたいわ」
「感謝しなさい」
「感謝してるよ」
ドヤ顔なのも頷ける凄さ。
見張りが楽だもの。
リン様々だよ。
テントの周囲をグレータースケルトン達が周辺警戒してくれている。
しっかりとした金属の鎧と剣、盾を持ち、常に動き回っての警邏。
槍持ちはゲルやテントの前にて不動の姿勢で警護に就いてくれている。
アンデッドだから暗闇を見通すし、疲れも知らない。
リンの下命によってひたすらにそれに従う。
更に素晴らしいのは、一緒に周囲を警戒してくれるS級さん達の指示をグレータースケルトン達が聞き入れて、素早く行動できる柔軟性だ。
敵として相対した時は、倒すことは可能でも鬱陶しくもあった。
でも味方となればこれほど頼りになるのもいない。
「この移動に普通の兵が編制されていたら混乱もあっただろうな」
「アンデッドは生者にとって忌むべき存在でもあるものね」
ここにいるのは前魔王だったり、魔大陸出身の亜人さんやサキュバスとインキュバスが大部分を占める。
なのでアンデッドを見たところで怖がったり混乱するって事がなく、普段通りに過ごしてくれるので、その辺の気配りをしなくていいから見張りに集中できるのもいい。
「無理はしないようにね」
「でも手伝いたい」
俺たちの側ではイルマイユが荷物運びを手伝ってくれている。
それをリンが見守る光景。
「リンは地下施設の方はいいのか」
「私が居なくても指示通りにスケルトン達は動くし、何より今はコリンズが指揮をしているから問題ないわね」
「二千だっけ?」
「半分の千のスケルトン達が働いてくれているわ」
「となると、残りの千が――」
「ここに戦力として回す数ね」
ありがてえ。
現状、召喚してないけども、直ぐさま千の兵が展開できるとかまじで有りがたい。
が――、しかし。
「現状でも全くもって負ける気がしない」
「確かにな。だが、相手の存在は大きく描いた方が油断怠りなく励める」
イルマイユの側で見守っているのはリンだけではない。
愛らしい子が頑張る姿がある所、ベルは自然と現れる。
「それは分かっているけどね。この力が更に大規模になれば」
「形勢も逆転するだろうさ」
と、ここでゲッコーさんも参加。
「見てないで手伝いなさいよ」
と、シャルナには注意を受ける。
――――S級さん達による先導。
こちらでもストライカーを使用し、先頭二台、最後尾二台で隊列を守ってくれる。
もしアクシデントがあっても堅牢なストライカーが盾になってくれるし、そこから素早く武装したS級さん達が展開。
加えてトラックにはバトルメイドとリズベッドの供回り。
賊程度が襲ってきたとしても、分ではなく秒で制圧撃退できそう。
俺やゲッコーさん達が運転するJLTVには要人の方々が乗車。
俺の助手席は嬉しいすぎるベル。
後部座席にはリズベッドとリン、イルマイユ。
前方のJLTVはゲッコーさんが担当。シャルナとコクリコが侯爵の護衛に付いてくれている。
後方のJLTVはS級さんの一人が運転を担当し、更にもう一人のS級さんとライラがプリシュカ姫を護衛。
姫と乗車するS級さん二人は、ゲッコーさんが気を利かせて女性のS級さん達を配置。
三台のJLTVの後方に数台のトラックが続く。
この世界の人々が見たら異様で恐ろしい光景だろうな。
――――野営準備完了。
「モンゴルみたい」
テント群が瘴気の無い平原に建つ。
中央の最も大きなテントは、円形状の作りからなる遊牧民のゲルみたいだった。
ここにお偉いさん方が間仕切りされた室内でプライベートな時間を過ごす。
一応は俺にも部屋は用意されているけど、ゲル周囲のテントで過ごすことにする。
勇者としてお偉いさんを守る立場だから、見張りをするならゲル周囲の方がいい。
そう見張り――――。
「すげよな。本当にありがたいわ」
「感謝しなさい」
「感謝してるよ」
ドヤ顔なのも頷ける凄さ。
見張りが楽だもの。
リン様々だよ。
テントの周囲をグレータースケルトン達が周辺警戒してくれている。
しっかりとした金属の鎧と剣、盾を持ち、常に動き回っての警邏。
槍持ちはゲルやテントの前にて不動の姿勢で警護に就いてくれている。
アンデッドだから暗闇を見通すし、疲れも知らない。
リンの下命によってひたすらにそれに従う。
更に素晴らしいのは、一緒に周囲を警戒してくれるS級さん達の指示をグレータースケルトン達が聞き入れて、素早く行動できる柔軟性だ。
敵として相対した時は、倒すことは可能でも鬱陶しくもあった。
でも味方となればこれほど頼りになるのもいない。
「この移動に普通の兵が編制されていたら混乱もあっただろうな」
「アンデッドは生者にとって忌むべき存在でもあるものね」
ここにいるのは前魔王だったり、魔大陸出身の亜人さんやサキュバスとインキュバスが大部分を占める。
なのでアンデッドを見たところで怖がったり混乱するって事がなく、普段通りに過ごしてくれるので、その辺の気配りをしなくていいから見張りに集中できるのもいい。
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