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ダンジョン何階まで潜れる?
PHASE-665【ネクロマンサーだもの、最高評価は当然】
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零距離によるダメージは大したもんだし、根性はお見事ではあるが、毎度これを使用する度にハイポーションを使用されてはたまらん……。
しかも俺にもしっかりとダメージがあるからね!
オリハルコンの鎧だから大したことなかったけども、体の内側にズンガズンガと衝撃が走ったし、顔は殴られたような衝撃を受けたぞ。
それが地味に痛い……。
コクリコはハイポーションだが、俺は勿体ないのでポーションですませる。時間がかかっても回復出来る程度でいいからな。
ある意味、馬鹿魔法よりたちが悪い魔法だな、ポップフレア。本来の使用方法なら問題はないんだろうけども!
「……まあ勝ったことだし、いいとしよう」
「私がとどめをさしました」
「そうですね。自伝にしっかりと記録しといてください」
言われるまでもなくとばかりに、書き始めている。
心なしか、マッピングよりも速くて流麗な筆致のように見えた。
「大したものじゃない。ディザスターナイト、厄災クラスを倒すなんてね」
「本当だよ」
ここにチート二人がいればコイツもただの雑魚あつかいなんだろうけど、あの二人がいない状況下で強敵枠となると、俺とコクリコという普通組二人だけで攻略できたのって初めてかも知れないな。
高レベルの難敵を一人で相手させられる事も多々あるけど、それでも俺の背後にはベルやゲッコーさんという精神的支柱がいるっていう安心感があった。
でも今回はそういった存在がいなかったわけだ。
なのに大金星。これは自信にも変わる。
「さて」
自伝用のメモ帳を仕舞えば、次を目指しましょう。と、俺と同様に自信に漲るコクリコ。
――…………。
「ふむん……」
次を目指したいのは山々だが、その次に続く下へと進む階段がない。
ここは地下十二階。後二階あるはずなんだけども。
「最後の最後で隠し通路を探せ的なイベントってことか」
「壁や床を探しましたけど、それらしきものはないですよ♪」
というコクリコの声音は、暗い語気はまったく含まれておらず、嬉々としたものに染まっている。
移動方法もスキップだからな。
スキップするブーツの右足首部分と、左手首には真新しい装身具。
左手首にはピンポン球サイズの青色のタリスマンが埋め込まれたシルバーアクセサリー。
蛇と植物が絡み合うようなデザインが彫金で施されている。
右足にも同サイズのタリスマンが埋め込まれている。こちらは緑色のタリスマン。
彫金のデザインは左手首と同様。
二体のリビングアーマーの立っていた壁際の台座には仕掛があり、台座上部が蓋になっていて、そこを開いて出てきたのがタリスマンが埋め込まれたシルバーのブレスレットとアンクレットの装身具だった。
俺に相談することもなく、有無も言わずにコクリコが身につけた。
ダンジョンにはタリスマンもあるからとリンが言ってコクリコを諫めていたが、本当にあるとはな。
しっかりとコクリコの装備になっているし。
「中々にいいでしょう」
「ああ、いいんじゃないか」
左手首と右足首に装身具。
手にはずっと使い続けているワンド。
ローブから覗く、腰に帯びた青白く輝くフライパン。
一見するとフライパンが格好を台無しにしているような気もするが、ミスリル製ともなれば、神々しくもある。
「後は認識票の色が上がれば更に栄えるんだけどな」
「いやそうですとも! 私のこれまでの活躍からするに、一気に赤色級――いえ、青色級までいってもいいと思います!」
紫色級と言わなくなっただけでも謙虚さを覚えたのかな。
「なんなのジェラグとかゴルムとか?」
リンが問うてきたので、位階によってメンバーを区分し、一目で分かるように階級を色分け。
色によって身の丈に合ったクエストをこなさせると簡素に伝えた。
特に駆け出しのメンバーには無理なく経験を積ませたいからね。
「なるほどね。蛮勇のままに行動されれば、将来有望な存在が大成する前に命を落とすという、取り返しのつかない損失が発生するものね」
「そういう事」
「ちなみに私は何色を貰えるのかしら?」
「魔道師最高峰の一つであるネクロマンサーだからな。文句なしに最上級の紫色級だ。王都に戻ったら直ぐに手配するさ」
「私に対する評価が最高の物でうれしいかぎりね」
「異議あり!」
「却下」
「ぬう……」
コクリコの反論は許しません。
しかも俺にもしっかりとダメージがあるからね!
オリハルコンの鎧だから大したことなかったけども、体の内側にズンガズンガと衝撃が走ったし、顔は殴られたような衝撃を受けたぞ。
それが地味に痛い……。
コクリコはハイポーションだが、俺は勿体ないのでポーションですませる。時間がかかっても回復出来る程度でいいからな。
ある意味、馬鹿魔法よりたちが悪い魔法だな、ポップフレア。本来の使用方法なら問題はないんだろうけども!
「……まあ勝ったことだし、いいとしよう」
「私がとどめをさしました」
「そうですね。自伝にしっかりと記録しといてください」
言われるまでもなくとばかりに、書き始めている。
心なしか、マッピングよりも速くて流麗な筆致のように見えた。
「大したものじゃない。ディザスターナイト、厄災クラスを倒すなんてね」
「本当だよ」
ここにチート二人がいればコイツもただの雑魚あつかいなんだろうけど、あの二人がいない状況下で強敵枠となると、俺とコクリコという普通組二人だけで攻略できたのって初めてかも知れないな。
高レベルの難敵を一人で相手させられる事も多々あるけど、それでも俺の背後にはベルやゲッコーさんという精神的支柱がいるっていう安心感があった。
でも今回はそういった存在がいなかったわけだ。
なのに大金星。これは自信にも変わる。
「さて」
自伝用のメモ帳を仕舞えば、次を目指しましょう。と、俺と同様に自信に漲るコクリコ。
――…………。
「ふむん……」
次を目指したいのは山々だが、その次に続く下へと進む階段がない。
ここは地下十二階。後二階あるはずなんだけども。
「最後の最後で隠し通路を探せ的なイベントってことか」
「壁や床を探しましたけど、それらしきものはないですよ♪」
というコクリコの声音は、暗い語気はまったく含まれておらず、嬉々としたものに染まっている。
移動方法もスキップだからな。
スキップするブーツの右足首部分と、左手首には真新しい装身具。
左手首にはピンポン球サイズの青色のタリスマンが埋め込まれたシルバーアクセサリー。
蛇と植物が絡み合うようなデザインが彫金で施されている。
右足にも同サイズのタリスマンが埋め込まれている。こちらは緑色のタリスマン。
彫金のデザインは左手首と同様。
二体のリビングアーマーの立っていた壁際の台座には仕掛があり、台座上部が蓋になっていて、そこを開いて出てきたのがタリスマンが埋め込まれたシルバーのブレスレットとアンクレットの装身具だった。
俺に相談することもなく、有無も言わずにコクリコが身につけた。
ダンジョンにはタリスマンもあるからとリンが言ってコクリコを諫めていたが、本当にあるとはな。
しっかりとコクリコの装備になっているし。
「中々にいいでしょう」
「ああ、いいんじゃないか」
左手首と右足首に装身具。
手にはずっと使い続けているワンド。
ローブから覗く、腰に帯びた青白く輝くフライパン。
一見するとフライパンが格好を台無しにしているような気もするが、ミスリル製ともなれば、神々しくもある。
「後は認識票の色が上がれば更に栄えるんだけどな」
「いやそうですとも! 私のこれまでの活躍からするに、一気に赤色級――いえ、青色級までいってもいいと思います!」
紫色級と言わなくなっただけでも謙虚さを覚えたのかな。
「なんなのジェラグとかゴルムとか?」
リンが問うてきたので、位階によってメンバーを区分し、一目で分かるように階級を色分け。
色によって身の丈に合ったクエストをこなさせると簡素に伝えた。
特に駆け出しのメンバーには無理なく経験を積ませたいからね。
「なるほどね。蛮勇のままに行動されれば、将来有望な存在が大成する前に命を落とすという、取り返しのつかない損失が発生するものね」
「そういう事」
「ちなみに私は何色を貰えるのかしら?」
「魔道師最高峰の一つであるネクロマンサーだからな。文句なしに最上級の紫色級だ。王都に戻ったら直ぐに手配するさ」
「私に対する評価が最高の物でうれしいかぎりね」
「異議あり!」
「却下」
「ぬう……」
コクリコの反論は許しません。
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