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死霊魔術師
PHASE-598【力の間】
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「だとしても納得いかない」
「納得できないだけの硬い頭って事よ。お歳を召すと頑固になるから」
「何ですって!」
「元気なおばあさまにはフレイムアロー」
と、唱えれば、シャルナが使用するようなものとは違って、電柱サイズの矢が放たれる。
というかもはや矢じゃない。バリスタの矢ですら可愛く見える。
ファイヤーボールもそうだけど規格外だ。
息が整ったとはいえ、未だシャルナは完全ではないと俺は判断し、
「おら! パーシング!」
チャーチルに続いてシャルナの前にM26パーシングを召喚。
柱サイズの矢が着弾して爆発。
無事ではあるけど流石の威力。電撃と違って爆発したからな。目に見える損傷が確認できた。
召喚しつつも、その前からもしやと思ってピラミディオンを確認したけど反応は無かった。
てっきりあのピラミディオンの上に浮いているのが力の根源になっていると思ったんだけども。
「へんてこな壁を出すわね。もっとシンプルな形に出来ないの?」
「俺のは壁じゃないからな。本来はこんな使い方じゃねえんだよ。ひどいあつかいさせやがって」
ユニオンサイドの戦車を汚してしまった気分だ。
「ああも頑丈だと破壊したくなるわね」
言えばアルトラリッチは右手を高らかに掲げて――、
「バーストフレア!」
力強く頭上で火球を顕現。
ファイヤーボールもそうだったけども、これまたバランスボールサイズの物が顕現する。
その時、俺の目に入ってきたのは、アルトラリッチの先にある赤いクリスタルのオベリスク。
フレイムアローの時は反応がなかったのだが、バーストフレアと発せばピラミディオンに留まる赤い球体が強く光ったのを確認できた。
――――なるほど。
パーシングに直撃すれば大爆発に次ぐ大爆発。
連鎖爆発の威力は尋常ではなく、大気を伝って俺たちの体に強い衝撃を届けてくる。
「へ~これでも原形は残るのね」
だとしてもすげえよ……。
アメリカの重戦車の土手っ腹に大穴が出来てるんだからな。
中に入っていたら無事ではすんでないだろう。
WW2の時の装甲とはいえ、魔法の力が桁違いだ。
――……初めて俺の召喚した物が、この世界のファンタジーな力に組み伏せられた気持ちになってしまった。
だが、落ち込んでもいられない。
「分かったぞ。そのアルトラリッチの秘密」
「へ~。何が分かったのかしら」
随分と強気な笑みを湛えてますな。その余裕を歪ませたいよ。
「ご高説どうぞ」
うん……。まあしてやりたいけども、こっちは戦車召喚したり、グレーターの相手とてんてこ舞いなんだよ。
喋るから攻撃を中止ってのはないのかな?
「おっと」
まあ、有るわけないよな。
四方からの五本の長槍による刺突を半球バージョンのイグニースで防いでから、距離を詰めて右手だけで握る残火にて、兜に目がけて唐竹割り。
即、横移動をして、イグニースを通常のスクトゥムサイズに戻してのシールドバッシュで吹っ飛ばし、姿勢を崩した所に追撃の残火で頭部を斬獲。
後方から迫る三体もシールドバッシュからのコンボで倒していく。
少し間が出来たところで、
「あのオベリスクを破壊するんだ!」
どうして? などと悠長なことを聞く面子は俺のパーティーにはいない。
とくにチートさん達は言われれば即座に動く。
初動が速いのはゲッコーさん。
手にするはRPG-7。いつもの如くバックブラストに注意喚起してから発射。
電柱くらいのやつだ。直撃すればオベリスクは他愛なく……へし折れない。
「残念」
なんとも嬉しそうに。
「魔法障壁か。だがそれで確信したよ。お前の力の根源を。上位魔法の連続使用可能はオベリスクはピラミディオンに浮く、多彩な光の球体。力の間ってのはそういう意味なんだな」
「勘のいい子ね」
まあな。こんなのゲーム設定でもあるからな。
昔の特撮映画なんかだと、宇宙からやって来た両肩に結晶体の有る怪獣が、地球で結晶体のフィールドを作って、宇宙から無限にエネルギーを供給するって設定があってだな。
「納得できないだけの硬い頭って事よ。お歳を召すと頑固になるから」
「何ですって!」
「元気なおばあさまにはフレイムアロー」
と、唱えれば、シャルナが使用するようなものとは違って、電柱サイズの矢が放たれる。
というかもはや矢じゃない。バリスタの矢ですら可愛く見える。
ファイヤーボールもそうだけど規格外だ。
息が整ったとはいえ、未だシャルナは完全ではないと俺は判断し、
「おら! パーシング!」
チャーチルに続いてシャルナの前にM26パーシングを召喚。
柱サイズの矢が着弾して爆発。
無事ではあるけど流石の威力。電撃と違って爆発したからな。目に見える損傷が確認できた。
召喚しつつも、その前からもしやと思ってピラミディオンを確認したけど反応は無かった。
てっきりあのピラミディオンの上に浮いているのが力の根源になっていると思ったんだけども。
「へんてこな壁を出すわね。もっとシンプルな形に出来ないの?」
「俺のは壁じゃないからな。本来はこんな使い方じゃねえんだよ。ひどいあつかいさせやがって」
ユニオンサイドの戦車を汚してしまった気分だ。
「ああも頑丈だと破壊したくなるわね」
言えばアルトラリッチは右手を高らかに掲げて――、
「バーストフレア!」
力強く頭上で火球を顕現。
ファイヤーボールもそうだったけども、これまたバランスボールサイズの物が顕現する。
その時、俺の目に入ってきたのは、アルトラリッチの先にある赤いクリスタルのオベリスク。
フレイムアローの時は反応がなかったのだが、バーストフレアと発せばピラミディオンに留まる赤い球体が強く光ったのを確認できた。
――――なるほど。
パーシングに直撃すれば大爆発に次ぐ大爆発。
連鎖爆発の威力は尋常ではなく、大気を伝って俺たちの体に強い衝撃を届けてくる。
「へ~これでも原形は残るのね」
だとしてもすげえよ……。
アメリカの重戦車の土手っ腹に大穴が出来てるんだからな。
中に入っていたら無事ではすんでないだろう。
WW2の時の装甲とはいえ、魔法の力が桁違いだ。
――……初めて俺の召喚した物が、この世界のファンタジーな力に組み伏せられた気持ちになってしまった。
だが、落ち込んでもいられない。
「分かったぞ。そのアルトラリッチの秘密」
「へ~。何が分かったのかしら」
随分と強気な笑みを湛えてますな。その余裕を歪ませたいよ。
「ご高説どうぞ」
うん……。まあしてやりたいけども、こっちは戦車召喚したり、グレーターの相手とてんてこ舞いなんだよ。
喋るから攻撃を中止ってのはないのかな?
「おっと」
まあ、有るわけないよな。
四方からの五本の長槍による刺突を半球バージョンのイグニースで防いでから、距離を詰めて右手だけで握る残火にて、兜に目がけて唐竹割り。
即、横移動をして、イグニースを通常のスクトゥムサイズに戻してのシールドバッシュで吹っ飛ばし、姿勢を崩した所に追撃の残火で頭部を斬獲。
後方から迫る三体もシールドバッシュからのコンボで倒していく。
少し間が出来たところで、
「あのオベリスクを破壊するんだ!」
どうして? などと悠長なことを聞く面子は俺のパーティーにはいない。
とくにチートさん達は言われれば即座に動く。
初動が速いのはゲッコーさん。
手にするはRPG-7。いつもの如くバックブラストに注意喚起してから発射。
電柱くらいのやつだ。直撃すればオベリスクは他愛なく……へし折れない。
「残念」
なんとも嬉しそうに。
「魔法障壁か。だがそれで確信したよ。お前の力の根源を。上位魔法の連続使用可能はオベリスクはピラミディオンに浮く、多彩な光の球体。力の間ってのはそういう意味なんだな」
「勘のいい子ね」
まあな。こんなのゲーム設定でもあるからな。
昔の特撮映画なんかだと、宇宙からやって来た両肩に結晶体の有る怪獣が、地球で結晶体のフィールドを作って、宇宙から無限にエネルギーを供給するって設定があってだな。
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