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お久しぶりの王都
PHASE-156【西の塔】
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「めずらしいですな。招かれる以外でこうやって来ていただけるとは」
だね。普段は招かれてからじゃないと来なかったもんね。
まあ、招待があっても、殆どここには来なかったけども。
こうやって、普通に王城に訪れてくれる事が、ナブル将軍はうれしいようである。
俺は戦う系の人達には人気があるんだよな。
「今回はお願いがありまして」
「お願い――ですか?」
「ええ、是非とも王城に眠っている宝物をこの世界の為に役立たせてください」
下から媚びるようにお願いする俺は、こすっからい奴です。
「有るとしても、いま現在、使用出来るのは業物くらいです」
「またまた~。調べはついてるんですよ。あるでしょ、厳重な鍵がかかった、鉄の扉で出来た部屋なんかが」
「――――ああ! 確かにあります」
あらら、素直ですね。
「そこに有るのを提供していただけませんか。魔王軍との戦いには全力を出し切らないと駄目だと思いますよ」
出し惜しみなんてさせない。
王城に眠らせてても、埃を積もらせるだけだ。
魔王軍に攻められて奪われる可能性だってあるんだからな。
だったら使わないと。
俺の援護射撃にため、先生も説得に参加。
――――ナブル将軍には説得なんて必要もなく、使用出来る物があるならば構わないと二つ返事である。
だが、一存では決められないからと、王様に取り次ぐと言って、城に駆け出す。
――――ちょっと待っていれば、謁見の間に通された。
「トールよ、我が家のように振る舞ってくれていいのだぞ」
フレンドリーさは、日を追うごとに増してるような気がする。
我が家のようにと言うなら、お宝もいただきたいところだな。
その発言部分を言質としたいよ。
「ナブルから聞いた。必要とあらば使ってくれて構わない」
「本当ですか!」
「もちろんだ」
やったぜ! 簡単に事が進む。
「しかしだな……」
なんだよ。こっちは喜んでいるのに、トーンの落ちるような発言は気に入らないね。
「王城の西の塔に保管しているのだが……」
申し訳なさそうながらも継ぐ――、
「保管庫の鍵を紛失してな……」
「鍵を――ですか」
頷きが返ってくる。
――――王様が言う。
魔王軍が王都まで進軍した時に、混乱状態になり、そこを境に様々な物が紛失してしまったそうだ。
「う~ん。なんてこった」
これは困った。
RPGなんかだと、最後に手に入る、どんな扉も開けてしまう鍵が存在するんだけどな。
ベタベタなのは、その鍵で王城の宝箱を開けると、キーアイテムが手に入るってのがおちなんだけども。
面倒だが、マスターキー的な鍵を探さないと――――、ふむん、マスターキーか――――。
「なにやら一計を思いついたようで」
俺の悪い笑みに、先生もニヤリと笑みを浮かべる。
――――とりあえず塔まで案内してもらう。
最上階まで続く螺旋階段で、俺のふくらはぎがつりそうになりながらも到着。
「ほうほう、これは――」
重厚な鉄扉が俺達の前に立ちふさがる。
斧で叩いたとしても、表面に傷をつけるのが関の山だな。
破城槌を使用しようにも、扉の反対側にある壁との間隔が狭いから使用出来ない。
大型となれば、塔の最上階まで運ぶ事も出来ないし、これは難しいね。
「魔法で破壊ってのも有りだよね」
「残念ながら、この鉄扉は魔法が封じられており、単純な魔法では破壊できません」
「それは素晴らしい!」
ナブル将軍の発言に先生が大喜びだ。
この鉄扉を王城の第二の門のように、手に入れようとしているようだな。
魔法効果のある武具の素材にするつもりだろう。
俺も同じことを考えたからね。
ギルドメンバーや冒険者に支払う報酬が赤貧な俺たちは、逞しく育っている。
だね。普段は招かれてからじゃないと来なかったもんね。
まあ、招待があっても、殆どここには来なかったけども。
こうやって、普通に王城に訪れてくれる事が、ナブル将軍はうれしいようである。
俺は戦う系の人達には人気があるんだよな。
「今回はお願いがありまして」
「お願い――ですか?」
「ええ、是非とも王城に眠っている宝物をこの世界の為に役立たせてください」
下から媚びるようにお願いする俺は、こすっからい奴です。
「有るとしても、いま現在、使用出来るのは業物くらいです」
「またまた~。調べはついてるんですよ。あるでしょ、厳重な鍵がかかった、鉄の扉で出来た部屋なんかが」
「――――ああ! 確かにあります」
あらら、素直ですね。
「そこに有るのを提供していただけませんか。魔王軍との戦いには全力を出し切らないと駄目だと思いますよ」
出し惜しみなんてさせない。
王城に眠らせてても、埃を積もらせるだけだ。
魔王軍に攻められて奪われる可能性だってあるんだからな。
だったら使わないと。
俺の援護射撃にため、先生も説得に参加。
――――ナブル将軍には説得なんて必要もなく、使用出来る物があるならば構わないと二つ返事である。
だが、一存では決められないからと、王様に取り次ぐと言って、城に駆け出す。
――――ちょっと待っていれば、謁見の間に通された。
「トールよ、我が家のように振る舞ってくれていいのだぞ」
フレンドリーさは、日を追うごとに増してるような気がする。
我が家のようにと言うなら、お宝もいただきたいところだな。
その発言部分を言質としたいよ。
「ナブルから聞いた。必要とあらば使ってくれて構わない」
「本当ですか!」
「もちろんだ」
やったぜ! 簡単に事が進む。
「しかしだな……」
なんだよ。こっちは喜んでいるのに、トーンの落ちるような発言は気に入らないね。
「王城の西の塔に保管しているのだが……」
申し訳なさそうながらも継ぐ――、
「保管庫の鍵を紛失してな……」
「鍵を――ですか」
頷きが返ってくる。
――――王様が言う。
魔王軍が王都まで進軍した時に、混乱状態になり、そこを境に様々な物が紛失してしまったそうだ。
「う~ん。なんてこった」
これは困った。
RPGなんかだと、最後に手に入る、どんな扉も開けてしまう鍵が存在するんだけどな。
ベタベタなのは、その鍵で王城の宝箱を開けると、キーアイテムが手に入るってのがおちなんだけども。
面倒だが、マスターキー的な鍵を探さないと――――、ふむん、マスターキーか――――。
「なにやら一計を思いついたようで」
俺の悪い笑みに、先生もニヤリと笑みを浮かべる。
――――とりあえず塔まで案内してもらう。
最上階まで続く螺旋階段で、俺のふくらはぎがつりそうになりながらも到着。
「ほうほう、これは――」
重厚な鉄扉が俺達の前に立ちふさがる。
斧で叩いたとしても、表面に傷をつけるのが関の山だな。
破城槌を使用しようにも、扉の反対側にある壁との間隔が狭いから使用出来ない。
大型となれば、塔の最上階まで運ぶ事も出来ないし、これは難しいね。
「魔法で破壊ってのも有りだよね」
「残念ながら、この鉄扉は魔法が封じられており、単純な魔法では破壊できません」
「それは素晴らしい!」
ナブル将軍の発言に先生が大喜びだ。
この鉄扉を王城の第二の門のように、手に入れようとしているようだな。
魔法効果のある武具の素材にするつもりだろう。
俺も同じことを考えたからね。
ギルドメンバーや冒険者に支払う報酬が赤貧な俺たちは、逞しく育っている。
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